お酒コラム

2016/10/16 [お酒コラム]

日本酒ブームをけん引した飛露喜の軌跡


福島のお酒といえば、「飛露喜」。

 

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「飛露喜」は、2000年代の日本酒ブームをけん引したお酒の一つとも言われ、現在でも入手困難な日本酒の一つとも言われるほどの人気を誇っています。また世界的にも評価が高く、今年も権威あるIWC2016 Sake部門、純米吟醸の部にて、見事ゴールドメダルを獲得しました!

 

今回はプレミアがついて定価ではなかなか購入出来なくなった、カリスマ的日本酒「飛露喜」について、少し紹介したいと思います。

 

■酒蔵は元サラリーマン


 

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「飛露喜」の酒蔵である廣木酒造本店は、会津地方西部の会津坂下(ばんげ)町に位置し、新潟に抜ける越後街道に面しています人口は2万人と少ないですが、古くから酒造りが盛んで、現在も3つの蔵が酒造りに励んでいる酒処で、廣木酒造本店の創業は文化文政年間と約200年の歴史がある酒蔵になります。

 

1996年、19年勤めた杜氏が高齢のため引退し、翌年先代である実父と造りを始めるが1年後にその実父も逝去と不幸に見舞われる中、サラリーマンだった現杜氏の廣木健司さんは心の準備もないまま蔵を継ぎました。蔵を継いだ1993年当時の会津は、二級酒天国と揶揄されるほど三増酒中心の市場だったそうで、廣木酒造本店も例外なく一升瓶1000円以下の商品がほとんどで、酒造好適米すら使ったことのないような蔵だったといいます。

 

廣木健司さんは一時期廃業も考えたが、「どうせなら自分が最高に旨いと思える酒を造りたい」と母と二人だけで酒造りを始めました。それが1996年、27歳のことでしたが、どうやって販路を開拓するかも不透明なまま杜氏としてスタートを切ります。しかしある二本の電話が廣木健司さんの運命を動かしました。

 

◼︎NHKからの取材


 

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一本目はNHKのディレクターを名乗る人からの電話で、会津の雪景色と風土を移し込みたいという内容の朝の30分番組の撮影依頼だったそうです。その番組は、出勤前のサラリーマンが見て「世の中には大変な思いで働いている人がいるから自分も頑張ろう」と思える内容にしたいということで、杜氏が引退して父親が他界、社員なしで母親と二人で酒造りをしている廃業寸前の廣木酒造にスポットを当てることで、うってつけの存在にしたいという番組側の趣旨が明らかにわかるものでした。

 

廣木健司さんはその番組のあからさまな意図を感じ「そんなかっこ悪い取材は嫌だ」と思ったそうですが、生まれたばかりの子供が物心つくまで酒蔵を続けている自信はなかったので、自分が酒造りをしていたという事実をNHKの記録として残せるのなら……という想いで取材を引き受けそうです。

 

■小宮商店との出会い


 

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しかしその番組がオンエアーされた後、運命を変える二本目の電話が廣木健司さんのもとに入ります。たまたまその放送を見ていた小宮商店さんから「廃業を考える前にお酒を造って持って来て下さい」という内容の電話でした。

 

藁をもすがる思いだったことから、当時流行っていた新潟を代表するようなお酒がいいのではないかと考え、大吟醸を醸すようにして造った55%精米の純米酒を持って行きました。しかし店主は「こんな薄っぺらいお酒ではだめです。廣木さんらしいお酒を造って下さい」と、受け入れませんでした。

 

◼︎泉川の誕生秘話


 

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当然、付け焼刃的な淡麗酒が本家新潟の蔵が醸す酒に敵うわけもなく、箸にも棒にもかからない無残な評価なのは当然です。そこで廣木健司さんは、大好きだったシャブリの白ワインを思い浮かべたといいます。

 

一般的なシャブリの白ワインはシャープな辛口タイプが多い中、「レクロ」という特級畑のシャブリは、味わい深く緻密なものだったことから、日本酒も新潟酒のような淡麗辛口酒でなくてもいいのではないかと思い、白ワインを参考にして生酒を造り上げました。完成したお酒を再び目をかけてくれた小山商店へ御礼と挨拶を兼ね、搾りたての生酒を送ると今度は「この酒は面白い!」と、高く評価した小山商店の先見により商品化が決まったのです。

 

このときの売り出し名を「泉川 特別純米 無濾過生原酒」とし、まだ無濾過生原酒という言葉が流布する前の時代に、生産量わずか30本からのスタートだったといわれています。これがのちに、IWC受賞の常連酒となる「飛露喜」の起源となるわけです。

 

■「飛露喜」と改名


 

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「飛露喜」と名乗るようになったのは1999年からです。

 

そのフレッシュでジューシーなお酒は、30本からやがて60本、100本と生産数が増え、女将さんの手書きだったラベルはコピーとなり印刷へと変わっていきました。また「泉川 特別純米 無濾過生原酒」はこれまでの「泉川」銘柄にはない味わいのものだったことから、他のネーミングにした方が良いとのアドバイスを受け、日本酒コンサルタントの中野繁氏によって「廣木」と同じ音から採った「飛露喜」(喜びの露がほとばしる)と命名されました。

 

それではここから飛露喜の主なラインナップをご紹介します。

 

□飛露喜 大吟醸 25BY


 

今期から新たに発売となった純米大吟醸です。

 

□飛露喜 大吟醸 26BY


 

飛露喜の中でも最も定番的な商品になるでしょうか。
特純の生詰です。

 

□飛露喜 純米大吟醸 27BY


 

かつては「特撰純米吟醸」だったものが「純米大吟醸」に格上げされたものです。お店でも「特別純米」と並んで定番商品として置いています。

 

□飛露喜 純米吟醸 愛山 生 27BY


 

飛露喜の季節商品としては最も生産本数が少ないものになると思われます。

 

□飛露喜 特別純米 無濾過生原酒 27BY


 

定番の特別純米の生原酒バージョンです。

 

□飛露喜 特別純米 生詰 27BY


 

「飛露喜」の基幹商品となるもので、「飛露喜」銘柄の半数近い仕込みタンクがこちらになっているようです。9号酵母で醸したタンクと10号酵母で醸したタンクをブレンドして、廣木さんの求める味わいに仕上げています。主力ラインナップも、一代で大きくしたとは思えないほど豊富ですね!

 

◼︎最後に…


 

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今回「廣木酒造本店」の廣木氏にスポットを当ててみたわけですが、十四代杜氏であり当主の高木さんとかぶるものがありました。古くからの伝統を世襲し守りつつ、新しい風を取り込みまだ見ぬジャンルを確立していく様は、本当に頼もしい限りですね。

 

日本の日本酒産業、若い後継者の快進撃で、より良い時代に、そして旨い酒を生み出し続けてほしいです!

 


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