ペット火葬は自分でできる？自分でできる葬送方法も解説

家族の一員であるペットとの別れは心に深い悲しみを残します。大切な存在だからこそ、「自分でできる埋葬方法を選択したい」という方も多いのではないでしょうか？

そこでこの記事では、「ペット火葬は自分でできるのか」といった疑問にお答えします。

火葬以外の自分でできる葬送方法も解説するので、「大切なペットとの別れを迎える方法を知りたい」という方もぜひ参考にしてください。

ペット火葬を自分でするのは違法

結論から言うと、自分でペットの火葬を行うことはできません。

亡くなったペットを自分で火葬することは、廃棄物処理法・第十六条の二にあたる「焼却禁止」に抵触する可能性があるためです。廃棄物の処理及び清掃を行う際に、自宅で焼却処分することは法律に反する行為とされています。

ただし、個人で行わなければ火葬することは可能です。合法的な手段としては、ペット火葬業者に委ねなどが挙げられます。大切なペットを安心して追悼するためにも、合法な手続きを踏んで最後の別れを迎えましょう。

自分でできる合法な葬送方法

自分でできるペットの合法な葬送方法は土葬です。主な土葬としては、自宅の庭や個人の土地を利用する、プランターを活用する方法が挙げられます。

個人の庭や土地で土葬を行うメリットは、日常的に手を合わせやすく心休まる供養ができるということです。ただし、近隣への配慮が必要であり、臭いや害獣、害虫、土壌汚染、水質汚染などのリスクもあるため慎重に行う必要があります。

プランター葬はハムスターや鳥などの小動物に適した方法で、自分の土地がなくてもベランダなどを活用して土葬することが可能です。

しかし、やはり臭いや衛生面の問題があるため、大きめのプランターを使う、消毒剤を混ぜるなど慎重に計画する必要があります。

これらの方法を検討する際には、生活環境への影響を理解し、亡くなったペットに敬意を払えるか否かを念頭に置いて選択しましょう。

ペットを火葬する方法

ペットを火葬する際には、以下の2つの方法があります。

• 自治体に依頼する
• 民間のペット葬儀者に依頼する

それぞれ順番に解説していきましょう。

自治体に依頼する

ペットを火葬する方法には自治体が挙げられます。自治体で火葬をする際には、まず火葬方法の選択をしなくてはいけません。

自治体の火葬場には合同火葬や個別火葬などがあり、個人でペットの最後の旅路をどのように進めるかを選択できるシステムとなっています。

火葬費用はペットのサイズや種類により異なる自治体もあるため、事前に料金設定について確認しておきましょう。

ちなみに、自治体でのペットの火葬は一般廃棄物として扱われ、ゴミと一緒に焼却されることもあります。ゴミと一緒に焼却する場合、ご遺骨の取り扱いが制約される可能性が高いです。

ペットの火葬方法については自治体によって異なるため、事前に各市町村の環境衛生課などに尋ねておいてください。

民間のペット葬儀社に依頼する

ペットを火葬する際、民間のペット葬儀社に依頼するという選択肢もあります。ペットの葬儀社は、飼い主の心情を理解し、ペットを家族の一員として尊重するサービスを提供しています。

多くのペット葬儀業者は複数の火葬プランを提供しているため、「自分の希望に合った火葬方法を選択したい」という方にもおすすめです。

火葬プランには墓地への埋葬から返骨、手元供養の方法までさまざまな選択肢があります。飼い主の要望に応じて、専門のスタッフが葬儀内容や供養方法を丁寧に調整し、ペットを最良の形で送り出してくれるという点が大きなメリットといえるでしょう。

ペット葬儀業者に火葬を依頼することで、様々な選択肢が提供され、理想的なペットの最後の旅路を組み立てられます。飼い主にとっても心の支えとなるサービスを提供しているため、「感謝と愛情をこめてペットを送りだしたい」という方にも最適です。

ペット火葬の主な種類

ペット火葬の種類には主に以下の3つの選択肢があります。

• 合同火葬
• 個別一任火葬
• 個別立会火葬

それぞれ順に解説していくので、「ペットの火葬方法を知りたい」という方もぜひ参考にしてください。

合同火葬

ペットの合同火葬は、他の家のペットと一緒に同時に火葬する方法です。

合同火葬は毎日行われているため、「ペットが旅立った後にスピーディに供養したい」という方にも適しています。

合同火葬では飼い主が火葬のプロセスに立ち会うことはできませんが、ペットの火葬方法としては非常に手軽な方法です。

共同で行われるため、費用も通常の個別火葬より安価に抑えられます。「ペット火葬の手続きを簡略化したい」「リーズナブルに火葬サービスを受けたい」という場合におすすめの選択肢です。

個別一任火葬

個別一任火葬とは、ペット火葬業者に依頼し個別に火葬してもらうことです。

個別一任火葬では、飼い主が火葬に立会う必要がなく、火葬後の骨は火葬業者によって飼い主のもとに返骨されます。

「飼い主の方が火葬に立ち会えない」「火葬の手続きに時間をかけたくない」という場合に適したサービスです。

個別一任火葬は個別のサービスを提供するため、合同火葬よりも価格は高めになります。飼い主の立ち会いが難しい場合でも利用できるので、一定の利用者がいる火葬方法です。

個別立会火葬

個別立会火葬は、亡くなったペットを個別に火葬し飼い主が立会うという形式の火葬方法です。飼い主が火葬のプロセスに直接立ち会うので、ペットへの最後の別れをより身近に感じられます。

ペット火葬の中で最もスタンダードな方式で、「ペットとの絆を深め、感謝の気持ちを表したい」という方に利用されることが多いです。

火葬後の遺骨の取り扱いや供養方法についても直接相談できるため、「初めてペットを天国に見送る」という方にも最適な方法といえるでしょう。

個別立会火葬は愛するペットとの最後のお別れを感動的に演出してくれるため、ペットとの絆を深く尊重する飼い主にとって心に残る葬送方法となります。

ペット火葬の依頼後に供養する方法

ここからは、ペット火葬の依頼後に供養する方法を解説します。

• 埋骨
• 納骨
• 散骨
• 手元供養
• 遺骨を引き取らない

「火葬後の骨の埋葬方法に迷っている」という方もぜひ参考にしてください。

埋骨

ペット火葬後には、遺骨を埋骨する方法があります。埋骨方法としては、自宅の庭、ペット霊園が一般的です。

自宅の庭に埋葬すると毎日ペットに手を合わせることができます。ペット霊園でお墓を作る場合は一定の費用が発生しますが、自宅の庭で埋葬する場合はコストがかかりません。費用を抑えつつも、ペットへの供養を大切にしたいと考える方にもおすすめです。

ただし、他人の私有地や公用地で許可なく埋葬すると罰せられる可能性があるため、必ず埋葬する場所は自身の私有地にしてください。「散歩コースに埋骨して毎日会いに行きたい」という場合は、各自治体に相談した上で行いましょう。

納骨

ペット火葬後の供養方法としては、ペット専用の納骨堂を利用することも挙げられます。

通常、複数のペットの遺骨を管理する共同の合同棚、一つのスペースに一つのペットの遺骨を収める個別棚などいくつかの種類から選択できます。

個別棚はペットごとに専有スペースが確保されるためプライベートな供養ができますが、比較的料金が高いことがデメリットです。

ちなみに、一般的にはどちらも初期費用と年間管理費がかかります。毎日の供養が難しいご高齢の方や、ペットのご遺骨を美しく管理したい方におすすめですが、利用前にはコスト面を考慮しておきましょう。

散骨

散骨は、火葬後の遺骨を粉状にして自然に還す葬儀形態です。一般的には、火葬後の遺骨を海や山などに散骨しています。

ペットの遺骨を長期的に管理することが難しい場合、自然に還すことでペットとの別れを感覚的にとらえたい方におすすめです。自然に還すことで、ペットへの思いを馳せることができ、風景を眺めるだけでペットの存在を感じることができます。

ただし、散骨は一度行うと元に戻すことができないため、分骨して一部の遺骨を手元に残す方も多いです。また、散骨する際は周囲の住民の意向や自治体の規制を確認し、合法的で環境に配慮した場所で散骨を行ってください。

ペット葬儀社が火葬後の散骨の相談を請け負っている場合もあるので、トラブルを避け、安心して散骨を行うためにも事前に相談しておきましょう。

手元供養

手元供養とは、火葬後に骨壺に納めたペットの遺骨を持ち帰り供養するという方法です。慣れ親しんだ環境で供養できるため、ペット用の仏壇を設けてお供え物をすることもできます。

手元供養は、ペットが過ごした自宅で供養してあげたい方、ペットが寂しくならないようにしてあげたい方、または引っ越しが多い方におすすめです。

ただし、骨壺の保管方法に注意が必要で、湿気やカビの発生に対処しなければいけません。また、遺骨が常に近くにあることでペットロスが長引く可能性もあります。

手元供養は一時的な供養方法ととらえ、将来的には別の方法に変更することをおすすめします。

遺骨を引き取らない

ペットの火葬後に遺骨を引き取らないという選択肢もあります。具体的には、ペットの遺骨をお寺の墓地に埋葬し、以降はお墓参りや供養を行います。

メリットは、人間と同じようにお墓参りができる、飼い主が亡くなった後もお寺が半永久的に供養してくれる、他のペットと一緒に埋葬する合同墓とペット単体のお墓を建てる個別墓から選択できるという点です。

デメリットとしては合同墓の場合遺骨の返骨が難しい、個別墓の場合は費用が高額になりやすいことが挙げられます。

お墓に埋葬することで遺骨を引き取らず供養を形に残せる一方で、お墓の購入・維持のためには比較的高額な費用がかかります。将来的な供養や経済的な事情を考慮して検討することが重要です。

ペット火葬に関するよくある質問

最後にペット火葬に関するよくある質問を紹介します。

• ペット火葬の際は何を入れても大丈夫？
• ペットの遺骨を自分で保管するのは良くない？
• ペットの遺骨を自分で保管するのは良くない？

順番に見ていきましょう。

ペット火葬の際は何を入れても大丈夫？

ペットの火葬時には入れられないものがあります。一般的な火葬施設では以下のものは入れられません。

• 布団：燃えにくい素材やファスナーなどの金属が含まれているため
• お金：銅やアルミ、鉄などの金属が含まれているため
• 缶やビン：アルミなどの金属が含まれているため

火葬の際は上記のように金属類を入れられないため、金属が含まれているリードや首輪も対象外です。

ペットと一緒に適切な供養が行われるよう、火葬施設の指示に従い、無害なもののみを棺に入れるようにしましょう。

ペットの遺骨を自分で保管するのは良くない？

ペットの遺骨を自宅で保管しても構いません。ペット霊園や納骨堂を利用するよりもお金がかからない、いつも身近に感じられるなどメリットも多いです。

しかし、遺骨が部屋にあるとペットロスが長引く、カビの発生に留意が必要、将来的な保管に困る、来客時に遺骨が目に入るなどのデメリットもあります。ペットの遺骨を自分で保管する場合、デメリットを認識したうえで選択することが大切です。

ペット火葬は自治体か葬儀社に依頼しよう

ペット火葬は個人で行えないため、自治体か葬儀社に依頼しましょう。

自治体によっては無料で提供されることもありますが、手続き方法や条件などが定められています。

葬儀社を利用すると、個別に火葬や供養のプランを選択でき、手間をかけずに供養できます。遺骨の扱いや供養方法も柔軟に対応してくれるため、飼い主の希望に合ったサービスを利用できるという点もメリットです。

ペット葬儀社の料金やサービス内容はそれぞれ異なるため、利用の際には十分に比較検討して納得のサービスを受けてください。