憧れの一人暮らしを決意、進学や就職でやむなく引っ越し、結婚や転勤…引っ越しを考えるタイミングは人により様々です。
好きなインテリアに囲まれた生活、ソファーでゆったり映画を見るには?と、ワクワク、ドキドキして想像が膨らみますよね。
楽しみな反面、初めて引っ越しをする場合、心配になるのは、引っ越しに関連した費用のこと。
不動産用語はわかりにくい、貯金が足りるか気になる、騙されないか心配…という人もいるでしょう。
この記事では、引っ越しに関連する用語や費用とともに、安く抑えるためのコツも紹介します。
引っ越しを考えている方は、この記事を参考に、お得に引っ越しする方法を探してくださいね。
- 引っ越し費用の内訳
- 引っ越しの初期費用の相場
- 引っ越しの初期費用を安く抑える6つの方法
引っ越しの初期費用の内訳
まず、賃貸物件に引っ越す場合に、一番最初にかかる費用の内訳を確認しましょう。
ネットや不動産屋に張り出されている物件情報を見ても、用語の意味がイマイチわかりづらいものもありますよね。どんな費用がかかるのかを見ていきます。
- 敷金・礼金
- 仲介手数料
- 日割り家賃・前家賃
- 管理費・共益費
- 賃貸保証料
- 火災保険料
- 鍵交換費用
敷金・礼金
「敷金」とは、大家さんに対してあらかじめ預けるお金のことです。
大家さんはそのお金で次の借り手のために部屋を修繕したり、家賃を滞納された場合の家賃保証としたりします。大家さんに対するいわゆる保証金ですね。
「礼金」は、大家さんに対するお礼のお金です。
どちらも「家賃の○ヶ月分」と表示され、敷金・礼金ともだいたい1~2ヶ月分になることが多いようです。
家賃が5万円で、敷金1ヶ月分と礼金1ヶ月分の場合、ここまでで合計15万円ほどかかる計算ですね。
敷金は、修繕費用がかからなければ返金される場合もありますが、礼金は返ってきません。
全国的に敷金・礼金という言葉が使われるようになっていますが、一部関西地方などで使われる「保証金」は、敷金・礼金をまとめたものとほぼ同じ意味合いになります。
仲介手数料
「仲介手数料」とは、不動産屋に紹介してもらった物件を借りることになった場合、不動産屋に支払うお金のことです。
紹介してもらっても、その物件を借りなかった場合には、費用はかかりません。
極端な例ですが、不動産屋に何十件と紹介してもらったけれども、賃貸契約に至らなければ、支払は0円です。
仲介手数料に関して、居住用の賃貸の場合は家賃の半分程度と国土交通省が決めていますから、家賃5万円の物件だと、2万5千円程度になりますね。
日割り家賃・前家賃
「日割り家賃」は、部屋を借りる契約を月半ばからの日程で行った場合にかかります。
例えば、毎月1日に家賃を支払う契約の物件を、3月20日から借りた場合は、その月は1ヶ月分の家賃ではなく、20日以降の残り11日分の家賃を払うことになります。
家賃を日割りで計算してくれるか、月の途中からの契約であっても1ヶ月分の支払いが必要なのかは、物件によりますので、要確認です。
「前家賃」は、契約した月の家賃にプラスして、次の月の家賃を先払いすることを言います。
トータルで考えると、支払うお金は同じなのですが、引っ越し費用がかさむ時期にいっぺんに払うお金が増えることになります。
前家賃の制度がない物件もありますから、ご自身の貯金と相談ですね。
管理費・共益費
「管理費・共益費」は、賃貸物件の廊下やエントランスなど住民の共用部分を維持したり管理したりするための費用です。
「管理費」と「共益費」は、はっきりとした区別や内訳がなく、同じ意味合いで使われています。
管理費や共益費の使われ方の例としては、借りた物件にエレベーターがあればその点検費用、廊下の電気料金、階段の清掃費用などがあります。
こちらは家賃と同じで毎月支払うお金です。物件によって、家賃に含まれると表示されていることもありますね。
賃貸保証料
「賃貸保証料」は、連帯保証人の役割をしてくれる保証会社に払うお金です。
借りる人が自分で連帯保証人になってくれる人を探してくる場合は、賃貸保証料は不要になりますが、連帯保証人がいなかったり、大家さんから保証会社を利用することを求められたりする場合には必要になります。
家賃の支払いが滞ったとき、保証会社が家賃を立て替えるシステムです。
賃貸保証料の支払い方法は会社によって異なり、家賃の半額~1ヶ月分を契約時に払うか、毎月の家賃にプラスされることが多く、会社によっては1~2年ごとに更新料が必要になります。
火災保険料
「火災保険料」は、火事などが起きて借りている物件がトラブルに見舞われたときのための保険料です。
これだけは、どんな物件を借りる場合にも支払いが生じます。
契約時に必要となり、火災保険料は必ず発生する費用のひとつです。
加入する保険会社を指定されることが多く、相場は2万円程度。
2年ごとの更新が必要になります。ご自身で加入したい会社あり、指定された会社と異なる場合には、あらかじめ不動産屋に相談しておきましょう。
鍵交換費用
「鍵交換費用」は、玄関の鍵を新しくするための費用です。
仮に鍵の交換をしないという選択をすれば、自分より前に住んでいた人も、その部屋の鍵を持っていて、出入り可能な状態にあるということです。
自分の部屋の合鍵を見知らぬ他人が持っているとなれば、落ち着かないですし、気分的に嫌ですよね。
費用は、鍵の種類にもよりますが、1~2万円のようです。
ここまでで、家賃5万円の物件を借りた場合の総費用は、30万円ほどになりますね。
引っ越しの初期費用の相場
引っ越しにかかる初期費用が、全体でいくらになるのかを見ていきましょう。
賃貸の契約だけでも様々なところで料金が発生していることがわかりました。
それにプラスして引っ越し荷物の運搬や家財道具の購入と、初期費用はそれなりに必要そうですね。
賃貸契約の費用相場
部屋の借りるための費用は、家賃の5倍が相場と考えるとよいでしょう。
つまり費用は家賃に比例するのです。
居住地域や交通の便により、家賃の金額は異なりますが、首都圏で1人暮らしをする場合、安くても家賃は6万円ほどと想定されます。
2人暮しだと家賃は8万円以上になるでしょうか。
地方で大学生がアパートを借りる場合だとその半分程度のことも。
家賃6万円で費用をシミュレーションすると、敷金・礼金が12万円、仲介手数料が3万円、前家賃が6万円、管理費・共益費で5千円、保証料6万円、火災保険料2万円、鍵交換費用1万円で、総額30万5千円の計算ですね。
同じ比率を家賃8万円で計算すると、総額は40万円ほどですし、家賃が4万円の場合だと総額は20万円ほどという計算ですから、家賃による総額の差はとても大きいことがわかります。
引っ越しの費用相場
引っ越しにかかる費用は、引っ越す時期、引っ越し先との移動距離、何人暮しか、引っ越しの手段などによって変わります。
3月・4月は進学や就職転勤などで引っ越しをする人が多く、引っ越し業者にとって繁忙期となり、料金も高く設定されます。
また北海道から九州に引っ越すのと、都内で引っ越す場合では、運搬にかかるガソリン代や人件費が全く違うと想像できますね。
さらに1人暮らしと2人暮らしでは、荷物の量も違いますし、初めての一人暮らしだと、引っ越し先で家具や家電を購入するので、荷物は減ります。
引っ越し費用は、一概に何万円とは言いにくいのですが、1人暮らしの場合5万円前後の引っ越し費用がかかると想定するとよいでしょう。
家具・家電を一式揃える場合の費用
大学生や社会人になって初めて一人暮らしをするなど、家具や家電を一から購入する場合、20万円前後は必要と言われています。
とはいえ、何にお金をかけるか、どこで購入するか、今あるものを持って行くのかなどによって費用は異なります。
1人暮らしで必要になるものには、冷蔵庫や洗濯機、テレビ、エアコン、寝具、照明器具、カーテン、衣装ケース、テーブル、調理器具、食器、掃除用具…と、たくさんありますね。
ネット通販サイトなどでこれらの値段を見てみると、冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、炊飯器、掃除機のセットが7~8万円で販売されています。
ここに、上記の家具や家電を足していくと、およそ20万円という計算です。
賃貸物件の中には、エアコンや照明など家電のついた物件もありますから、契約時に確かめてください。
引っ越しの初期費用を安く抑える6つの方法
引っ越しの初期費用を安く抑えるコツを6つ紹介します。
お部屋の契約に引っ越し荷物の運搬費、家具など必要物品の購入費を合わせると、結構な金額になり、驚いた人もいるでしょう。
引っ越しをあきらめる前に、安くなる方法を使った引っ越しを検討してみてくださいね。
・大家さんやオーナーと交渉する
・月末に入居して前家賃を安くする
・フリーレント物件を借りる
・閑散期に契約する
・保証会社に加入する必要がない物件を選ぶ
初期費用が安い物件を探す
引っ越し費用を抑えるための工夫として、初期費用が安い物件を探すことがあげられます。
例えば初期費用に含まれる敷金・礼金ですが、それらが不要な物件もあります。
「敷金・礼金ナシ」と提示されている、ゼロゼロ物件と言われているものがそれに当たります。
敷金・礼金は、家賃5万円の物件にそれぞれ1ヶ月分の敷金・礼金がかかると15万円必要ですが、敷金・礼金がないと10万円安くなる計算です。
ゼロゼロ物件までいかなくても、敷金・礼金が1ヶ月未満の、なるべく安い物件を選ぶのもいいですね。
大家さんやオーナーと交渉する
大家さんやオーナーに交渉して、初期費用を安くしてもらうのもひとつの手です。
大家さんにとって、物件を空き部屋のまま置いておくより、誰かに借りてもらう方が収入に繋がります。
やみくもに安くしてほしいというより、的をしぼり、家賃あるいは礼金について値引き交渉してみましょう。
安くしてもらえる可能性があるのは、空き部屋が多くなる夏ごろだそう。
欲張りは禁物で、5千円程度安くなれば、交渉は成功です。
月末に入居して前家賃を安くする
入居日をなるべく月末の遅い日程に設定すると、初期費用は抑えられます。
月の最初の方に入居すると日割り家賃の金額が、1ヶ月分の家賃に近くなりますね。
そうすると次の月の家賃である前家賃と合わせると、ほぼ2ヶ月分の家賃が初期費用となることに。
例えば、家賃5万円の物件を4月11日から借りる場合には、5万円のうち20日分である約3万3千円と前家賃5万円で、8万3千円になります。
一方、4月28日から借りると3日分の約5千円と前家賃で5万5千円の計算です。
入居日の設定を変えるだけで、費用は家賃4ヶ月分に下がるのです。
どうしても、月初めに引っ越しをしなければならない事情があるなら話は別ですが、一度に支払う金額を抑えるには月末に契約日を設定すると良いでしょう。
フリーレント物件を借りる
フリーレント物件を借りることでも初期費用は抑えられます。
聞き慣れない言葉ですが、フリーレントは、ある期間フリーつまり無料で借りられる物件ということです。
フリーで借りかれる期間は物件により異なりますが、長く借りる場合に設定されていることが多いようです。
家賃が数ヶ月分でも支払免除となるなら、初期費用を抑えたい方には朗報ですね。
ただ、人気のない物件のこともありますから、お部屋の条件は要確認です。
閑散期に契約する
空き物件が増える閑散期に家探しをするのもひとつです。
大家さんとしても、空き部屋の存在は減収につながりますから、空き部屋を埋めたいと考えますよね。
そのような場合、同じ物件でも、閑散期には繁忙期より賃料を安く設定することがあります。
遠方への進学や就職でどうしても4月に入居したい、というのでなければ、多くの人の引っ越しが落ち着いた夏ごろに部屋探しをするとよいかもしれません。
初期費用はそこまで抑えられないかもしれませんが、長期的に見るとお得ですね。
保証会社に加入する必要がない物件を選ぶ
保証会社への加入が不要であれば、初期費用は安く抑えられます。
家賃保証料は必ず請求されるものではありません。
連帯保証人がいれば、保証会社を利用しなくてもよいのです。
保証会社への加入は、借りた人が家賃滞納した場合、連帯保証人の役割をします。
会社が大家さんに家賃を立て替えてくれる、大家さんにとっての保険です。
つまり、連帯保証人が必要となっている物件を借り、連帯保証人を立てることで、費用は抑えられるのです。
引っ越しの初期費用に関するよくある質問
引っ越しの初期費用に対する疑問点を確認しましょう。
ここまで賃貸契約に関する用語やそのシステムについて見てきました。
具体的に引っ越しを考えていくと、疑問点がでてきますよね。わからないことは調べて、後から後悔しないようにしましょう。
クレジットカードの分割払いで初期費用を支払うことは可能?
引っ越しの初期費用の支払いに、クレジットカードを利用するのは、部分的に可能と考えると良いでしょう。
家賃の支払いにクレジットカードを認めていない不動産屋や大家さんもいます。
家具や家電の購入には、クレジットカードが利用できますし、カードの契約状況によって分割払いできます。
ただ、引っ越し費用は高額ですから、場合によってはカードの上限額を超える可能性があります。
さらに、分割払いに対して、利子や手数料がかかる可能性もあるため、ご自身のカードがどうなっているのか要確認です。
引っ越しの準備はどれくらい前から始めるべき?
引っ越しの準備期間は、おおむね1~2ヶ月と言われています。
物件探しにどれくらい時間をかけるかにより、準備期間は異なります。
急な進学や転勤で数週間のうちに引っ越さなければならないこともあるでしょう。
家具や家電の購入は部屋の間取りがわかってからではいとできません。
だからと言ってあまり早くに物件を見つけても、契約することで家賃が発生しますし、他に良い物件が見つかりキャンセルすると違約金を請求されることも。
入居日の1ヶ月前に賃貸契約の目途がついていると、気持ち的に落ち着いてその後の準備ができそうですね。
貯金30万円で一人暮らしを始めることは可能?
1人暮らしの場合、手元に30万円しかなくても、引っ越しして新生活を始めることは可能です。
けれども、家賃の安い地方の場合は良いのですが、都心だと家賃が高めになりますから、それに比例して賃貸契約に関する費用がかかります。
ご紹介した安くなるコツを駆使し、社会人の方だとボーナス一括払いや、現金払いとクレジットカード払いを組み合わせるなど支払いの時期をずらす方法もあるでしょう。
さらに家電などは人に譲ってもらうなど安く手に入れる方法を探すことで初期費用は抑えられますね。
まとめ:引っ越しの初期費用を安く抑えて引っ越そう
引っ越しは、人それぞれの条件によりかかる費用に差がでます。
引っ越し先の地域や生活する人数など変更不可能な条件もあれば、人によっては引っ越し時期の検討が可能なことも。
費用面でも、火災保険のように絶対に必要な項目がある一方で、日割り家賃のようにご自身でコントロールしやすい項目もあります。
交渉が苦手な人も多いですが、勇気を出して交渉することで費用が安くなるのであれば、ダメもとで挑戦するのもアリです。
引っ越し後には生活費も必要になりますから、なるべく初期費用を抑えた引っ越しを計画してくださいね。