2025/11/28に、大阪府高槻市にお住みの男性のお客様からDRC ヴォーヌ・ロマネ デュヴォー ブロシェ 2004 750ml 13%を280,000円でお買取をさせて頂きました。

この度は、当店・高槻店へDRCヴォーヌ・ロマネをお持ち込みいただき、誠にありがとうございます。高槻は、阪急とJRの2つの路線が交わる利便性を持ちながら、駅から少し離れると穏やかな住宅街が広がる、暮らし心地の良い地域です。都会すぎず、郊外すぎず、自然と生活のバランスが取れ、住む人の雰囲気にもその余裕が表れているように感じます。ワインをお持ちいただくお客様も、華美さより“長く大切にする豊かさ”を重視される方が多く、その姿勢は一本のワインの扱い方にもしっかり反映されているように思います。

今回お持ち込みいただいたヴォーヌ・ロマネは、まさに高槻らしい“静かな気品”をまとった一本でした。カウンターに置かれた瞬間、派手な主張はないものの、ふわりと香り立つような気配があり、ヴォーヌ・ロマネならではの奥ゆかしい深さがひと目で感じられました。お客様が「子どもが巣立った記念に、自分へのご褒美として買ったんです」と控えめに話してくださいましたが、その言葉には、家族や人生の時間を大切にしてこられた高槻の方らしい優しさがにじんでいました。

ボトルを手に取って状態を確認すると、ラベルには紙質の張りがしっかり残り、湿度による波立ちや角の浮きもなく、美しい発色が保たれていました。キャップシールには滑らかで均一な艶があり、傷や縮みの兆候もなく、ガラス面は透明度が高く、光の角度によって穏やかな輝きを見せていました。高槻は住宅街が中心で、空調や冷暗所の管理が整っている家庭が多いため、今回のようにワインが良い状態で保たれているケースがよく見られます。

査定中、お客様は「特別な日に開けようと思っていたけれど、その“特別な日”がなかなか来なくて」と少し照れながら話され、その素直な言葉に、高槻らしい“無理をしないペース”が感じられました。日常を大切にしながら、ワインを誠実に扱ってきたその時間が、このヴォーヌ・ロマネの美しい状態にそのまま現れているようでした。

DRCヴォーヌ・ロマネは、力強く前に出るタイプではなく、時間とともに香りが層を成し、しなやかで柔らかな余韻が広がっていく、“静かに深い”ワインです。その特徴は、高槻の暮らしが持つ落ち着きや安心感とよく似ており、ゆっくり向き合うほどに魅力が深まっていくタイプのワインだと改めて感じました。光に透かして液面を確認すると、熟成による自然な落ち着きがきれいに表れ、キャップの張りやラベルの佇まいにも、長く丁寧に守られてきた年月の余韻が感じられました。

このように、大切に保管されてきたヴォーヌ・ロマネを当店へお持ち込みいただき、本当にありがとうございました。