2025/11/28に、東京都渋谷区にお住みの男性のお客様からワイン wine DRC ロマネ サンヴィヴァン 2018 750ml 13.5%を280,000円でお買取をさせて頂きました。

この度は、当店・渋谷店へDRCロマネ・サン・ヴィヴァンをお持ち込みいただき、誠にありがとうございます。渋谷といえば、若者の文化やトレンドの発信地として知られていますが、街を少し歩くと、穏やかで落ち着いた大人の空気が息づくエリアも多く存在します。その“喧騒と静寂が同居する街”という特性のためか、渋谷のお客様は派手さではなく、本質的な上質さを選ぶ方がとても多い印象を受けます。

今回お持ち込みいただいたロマネ・サン・ヴィヴァンも、その渋谷らしさを感じさせる“静かな存在感”を放っていました。ボトルがカウンターに置かれた瞬間、力強く主張するのではなく、内側からふんわりと気高さが漂い、ロマネ・サン・ヴィヴァン特有の“しなやかで奥深い香りの気配”が自然と伝わってきました。お客様は「仕事と生活のバランスがやっと整った時に、自分のご褒美として買ったんです」と穏やかに話してくださり、その言葉の中には、渋谷で働き暮らす方に多い“柔らかい芯の強さ”がにじんでいました。

ボトルの状態を確認すると、ラベルは紙質の張りがしっかり残り、湿度による波立ちや角の浮きは全く見られませんでした。印刷の発色も自然で、淡く繊細な色合いが綺麗に保たれています。キャップシールには均一な艶があり、縮みや歪みもなく、ガラスの透明度も非常に高く、光を映した際に澄んだ美しい表情を見せていました。渋谷には新しいマンションも多く、ワインセラーを常設されているご家庭も珍しくないため、ワインにとって理想的な保管環境が整っている場合が多いのですが、今回の一本はその中でも際立って丁寧に扱われてきた印象があります。

査定中、お客様は「何度か開けようかと思ったんですが、どうしても“まだその日じゃない”と感じてしまって」と笑みを交えてお話しくださいました。その言葉には、渋谷の“自由な価値観の中で、自分のペースを守る人”らしい美しさがあり、ロマネ・サン・ヴィヴァンの個性とも深く響き合っていました。このワインは、飲む側の心の状態をそっと受け止めるような柔らかい懐の深さがあり、その静けさが都会の喧騒の中でも優雅に存在感を放ち続けます。

ロマネ・サン・ヴィヴァンは、DRCの中でも特に香りが多層的で、優美な酸、細やかなタンニン、品格のある余韻が特徴です。力強さよりも深い静けさで飲み手を惹きつけるタイプであり、時間をかけてゆっくり向き合うほど、香りの層が繊細に開いていきます。その性格は、激しい変化の中に自分だけのリズムを持つ渋谷という街とどこか重なる部分があり、今回のワインにもその“静かな魅力の開き方”がはっきりと現れていました。液面を光に透かして確認すると、熟成による自然な落ち着きが美しく、キャップの張り、ラベルの整い、ガラスの透明度など、どの要素を見ても理想的な状態で保たれてきたことが明確でした。

このように大切に保管されてきたロマネ・サン・ヴィヴァンを当店へお持ち込みいただき、心より感謝申し上げます。