2025/11/28に、山梨県甲府市にお住みの女性のお客様からDRC ロマネ・サン・ヴィヴァン ドメーヌ ド ラ ロマネ・コンティ 2017 750ml 13%を280,000円でお買取をさせて頂きました。

この度は、当店・甲府店へDRCロマネ・サン・ヴィヴァンをお持ち込みいただき、誠にありがとうございます。甲府は四方を山に囲まれ、季節ごとの空気の変化がはっきりと感じられる土地です。その気候の中で暮らす方々は、時間の流れをゆっくり味わうような穏やかさを持ち、地元ワイン文化が生活に自然に溶け込んでいるのもこの地域ならではの魅力です。

そうした甲府という土地柄は、今回お持ち込みいただいたロマネ・サン・ヴィヴァンにも柔らかく重なっていました。ボトルがカウンターに置かれたとき、外観からは控えめながらも深い奥行きを感じさせる気配が漂い、ロマネ・サン・ヴィヴァンが持つ“しなやかで気高い静寂”がじんわりと伝わってきました。

お客様は「甲府に越したとき、ここでの生活をゆっくり始めようと選んだ一本なんです」と優しい表情で話してくださいました。その言葉の中には、甲府に住む方々が大切にする“自分らしい時間の積み重ね”という価値観が刻まれており、このワインの扱い方にもその姿勢が美しく反映されていました。

実際にボトルを手に取って確認すると、ラベルには紙質の張りがしっかり残り、角の浮きや湿度による波打ちは一切見られませんでした。印刷の発色は自然で、長期保管とは思えないほど綺麗なままでした。キャップシールは均一な艶をまとい、縮みや歪みもなく、ガラス面の透明度も高く、光を反射したときには澄みきった輝きを見せていました。甲府は気温差こそ大きいものの、ワインセラーを備えていたり、保管場所を工夫される方が多く、非常に理想的な状態でワインを保管されるケースも多い地域です。今回の一本にも、その“丁寧な暮らし”がそのまま刻まれているように感じました。

査定中、お客様は「開けるタイミングを探していたんですが、どうしても“その日”が訪れなくて」と控えめに笑って話してくださいました。その言葉には、甲府の静かな街並みに流れる“ゆったりとした時間観”が自然に表れており、ロマネ・サン・ヴィヴァンというワインが持つ“待つことの美しさ”とも美しく響き合っていました。時間を急かすのではなく、心の準備が整う日までそっと寄り添わせておく。その姿勢が、このワインの美しさをより一層際立たせていたのでしょう。

ロマネ・サン・ヴィヴァンは、DRCの中でも特に香りの重なり方が美しく、優美な酸と静かな余韻を長く楽しめる銘柄です。強いアタックではなく、奥に潜む気高さが静かに広がっていくタイプのワインであり、その表現力は時間を味わう甲府という街とどこか通じるものがあります。光に透かして液面を確認すると、熟成による自然な落ち着きがはっきりと現れ、キャップの張り、ラベルの整い、ガラスの透明感など、どこを見ても理想的な状態でした。

このように大切に保管されてきたロマネ・サン・ヴィヴァンを当店へお持ち込みいただき、心より感謝申し上げます。