2025/11/28に、大阪府大阪市にお住みの男性のお客様からDRC ロマネサンヴィヴァン　2014を280,000円でお買取をさせて頂きました。

この度は、当店・天王寺店へDRCロマネ・サン・ヴィヴァンをお持ち込みいただき、誠にありがとうございます。天王寺は、大阪の中でも特に古い歴史と新しい文化が混じり合うエリアで、天王寺公園の緑や寺院の静けさと、阿倍野界隈の商業の賑わいが絶妙に共存しています。そのためか、この地域にお住まいの方は“騒がしさの中にも自分のペースを大切にする”落ち着いた大人の感性をお持ちの方が多い印象です。

今回お持ち込みいただいたロマネ・サン・ヴィヴァンも、まさに天王寺という街の二面性を映し出すような“静かに凛とした気品”を感じさせる一本でした。ボトルがカウンターに置かれた瞬間、主張する香りではなく、奥のほうから穏やかに広がる深い気配があり、ロマネ・サン・ヴィヴァンが持つ“柔らかい静寂のエレガンス”がふわりと伝わってきました。

お客様は「仕事が一区切りついたときに、自分にとって大事な一本を持ちたいと思って選びました」と静かに話してくださいました。その言葉には、天王寺という街の“大切な節目を丁寧に刻む人”らしい価値観がにじんでおり、記念として選ばれた一本を長く大切に扱ってこられたことが、ボトル全体から自然に伝わってきました。

状態を確認すると、ラベルには紙質の張りがしっかりと残り、角の浮きや湿度による波立ちは一切なく、印刷の発色も自然で落ち着いています。キャップシールには均一な艶があり、縮みや歪みは見られず、ガラスは透明度が高く、光を受けたときの滑らかな輝きが印象的でした。天王寺周辺には、空調管理の整ったマンションや一戸建てが多く、ワインセラーを導入されているご家庭も少なくありません。その環境の良さが、今回の一本にもはっきりと現れていました。

査定の最中、お客様は「何度か開けようかと思ったんですが、いざその時になると“今日は違う”って思うんですよね」と少し照れくさそうに笑ってお話しくださいました。その言葉には、天王寺という街が持つ“落ち着いた自分の時間を大切にする文化”が自然ににじんでいて、ロマネ・サン・ヴィヴァンの持つ“待つことの美しさ”と深く響き合っているように感じられました。

ロマネ・サン・ヴィヴァンは、DRCの中でも特に香りの重なりが豊かで、しなやかな酸と繊細なタンニン、静かに伸びる長い余韻が特徴です。派手さではなく、向き合うほどに奥から広がる柔らかい気高さが魅力であり、じっくりと時間をかけて向き合うことでその本質がはっきりと見えてきます。このゆるやかな深まり方は、都会の賑わいと緑の静寂が寄り添う天王寺という街と、驚くほど相性が良いように感じられます。

光に透かして液面を確認すると、熟成による自然な落ち着きが美しく現れ、キャップの張り、ラベルの整い、ガラスの透明度など、どの部分を見ても長期間丁寧に扱われてきたことがひと目でわかる状態でした。

このように心を込めて保管されてきたロマネ・サン・ヴィヴァンを当店へお持ち込みいただき、深く感謝申し上げます。