2025/11/29に、大阪府高槻市にお住みの男性のお客様からDRC ロマネ・コンティ 2001 750ml 13% フランス ブルゴーニュ 赤を2,000,000円でお買取をさせて頂きました。

この度は、当店・高槻店へDRCロマネ・コンティをお持ち込みいただき、誠にありがとうございます。高槻は大阪と京都のちょうど間に位置し、適度な都会らしさと伸びやかな暮らしやすさが同居する街です。自然豊かな環境もあれば、文化的施設や洗練された飲食店も揃っており、日々の生活に“さりげない上質さ”を求める方が多い地域でもあります。

今回お持ち込みいただいたロマネ・コンティは、その高槻が持つ“調和の良さ”を映したかのような佇まいでした。ボトルがカウンターに置かれた瞬間、店内の空気にふっと深みが生まれ、外の喧騒がゆっくりと遠ざかっていくような静けさが広がりました。ロマネ・コンティは派手に主張するワインではありませんが、近づくほどに引き込まれるような圧倒的な奥行きを持ち、その静けさが高槻の落ち着いた街並みによく似合うと感じました。

お客様は、「子育てもひと段落して、夫婦でゆっくり過ごせる時間ができた記念に選んだ一本でして」と穏やかに話してくださいました。高槻の方は、家族の節目を静かに、しかし丁寧に大切にされる傾向があり、ロマネ・コンティの“人生の時間を味わうワイン”という性質と深く重なります。自分のために、本物の一本を選ばれるその姿勢に、地域の価値観がそのまま映し出されているようでした。

ボトルの状態は申し分ありませんでした。ラベルは紙質の張りが美しく、にじみや角の浮き、波立ちといった経年劣化は一切見られません。発色も自然で、ロマネ・コンティの繊細なラベルとしては驚くほど良好な状態を保っていました。光に弱いラベルにもかかわらず退色がほぼ見られないことから、保管の丁寧さが一目で伝わってきました。

キャップシールも深い艶を保っており、乾燥や変形、縮みといったネガティブな兆候はありませんでした。指先に触れた際の滑らかさからも、温湿度が長期間適切に管理されていたことがはっきりと感じ取れます。ガラスの透明度は非常に高く、光に透かすと深紅の液体が静かに揺れ、その奥に健全な熟成が積み重ねられてきたことが明確に読み取れました。

査定の作業中、お客様は「何度か“開けようかな”と思った日もあったのですが、どうしても“その日ではない気がして”しまって」と柔らかく笑われました。この“時を大切にする感覚”は、高槻のゆったりとした空気と非常に親和性が高く、ロマネ・コンティが持つ“時間と対話する哲学”にも深く通じています。

ロマネ・コンティは、世界最高峰と称される赤ワインであり、その魅力はただの高級感ではなく、“時間・土壌・人間の営み”がすべてまとまり、一杯の中に“静かな宇宙”を宿すところにあります。赤系果実、黒系果実、森の湿度、花、スパイス、ミネラル……それらが透明感を保ちながら重なり合い、グラスの中で表情を変え続けます。味わいはしなやかで密度があり、余韻は驚くほど長く、飲む人の心に深く残る体験を与えてくれます。

液面は理想的な高さで、透明度も申し分なく、沈殿物は自然で静かに落ち着いていました。熟成の過程に歪みはなく、“誠実に時間を積み重ねた一本”であることが、ボトル全体から強く伝わってきました。