2025/11/28に、千葉県成田市にお住みの男性のお客様からDRC リシュブール 2013 750ml 13% フランスを330,000円でお買取をさせて頂きました。

この度は、当店・成田店へDRCリシュブールをお持ち込みいただき、誠にありがとうございます。成田という街は、空港を中心とした国際的な風通しの良さと、古くからの住宅地が育んできた穏やかで落ち着いた空気が共存する独特の地域です。海外生活のご経験をお持ちの方、長年ワインを趣味として続けておられる方、家族と過ごす時間にワインを添えられる方など、多様な価値観が自然に混ざり合うのが成田らしさだと感じています。

今回お持ち込みいただいたリシュブールをカウンターに置かれた瞬間、ボトルには“長く穏やかに熟成してきた一本”ならではの落ち着きが宿っていました。お客様が「海外勤務を終えて成田に戻った記念に買ったんです」とお話しくださり、その言葉だけでも、この一本が持つ背景の豊かさが静かに伝わってまいりました。ワインがただの嗜好品ではなく、“人生の節目の証”として手元に置かれてきた時間を想像すると、査定の手にも自然と力が入ります。

ボトルを手に取って拝見すると、ラベルは紙質の張りが美しく残り、湿度による波打ちや退色は見られませんでした。キャップシールにも均一な艶が保たれ、ガラスの透明感には曇りや細かな傷の痕跡もなく、熟成ワインとして極めて良好な外観を備えていました。成田は季節による湿度差がありながらも、ワインセラーを使って管理される方が多いため、今回の一本も丁寧に守られてきたことが伝わります。

査定の途中でお客様は「開けるタイミングを逃してしまって」と柔らかい笑みを浮かべておられましたが、その“開けられなかった時間”こそがリシュブールの熟成を美しく進める役割を果たしており、ワインにとっては大切な時間だったことが分かります。成田のお客様は、ワインと長く付き合う方が多い印象があり、背景と状態が自然に調和している一本に出会えると、こちらとしても深い納得とともに査定が進む感覚があります。

リシュブールは、強く主張するタイプではなく、時間をかけて静かに複雑さを育てていくワインです。香りの奥に潜む重層的なニュアンスや、口に含んだ瞬間に広がる奥深い世界は、急がず向き合うほど魅力が増すタイプで、それはどこか成田の“穏やかで奥行きのある土地柄”にも通じるものがあります。今回のボトルは、光の角度を変えて見たときの液面の安定したライン、キャップの張りの良さ、ラベルの佇まいなど、すべてが一つのストーリーとして結びついていました。

大切に保管されてきた一本を成田店へお持ち込みいただき、心より感謝申し上げます。