ヴェルサーチとは?

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ヴェルサーチは、1978年にイタリア人デザイナー・ジャンニ・ヴェルサーチが設立したブランドです。アパレル商品、バッグ、靴などの小物類の他にも、香水も展開しており、非常に幅広いラインナップを取り揃えています。1980年代中頃には、アメリカの高級車であるリンカーンとタイアップし、内外装をヴェルサーチが仕上げた「ヴェルサーチ・デザイナー・シリーズ」を発売し、一躍話題の的となりました。

また、2000年には、インテリアや内装が全てヴェルサーチデザインのパラッツォ・ヴェルサーチェ・ホテルをオーストラリアのゴールドコーストにオープンするなど、ブランド拡大に向け、様々な分野で活躍を見せています。このヴェルサーチデザインホテルは非常に好評だったようで、今後ドバイでのオープンが決定しています。また、最近では、腕時計市場にも本格的に参入し、その勢いはとどまるところを知りません。

ヴェルサーチの広告

ヴェルサーチは、広告モデルに多くの著名人を起用しており、2014年春夏コレクションではレディー・ガガ、2015年春夏コレクションではマドンナがブランドの顔になりました。意外なことに、レディー・ガガがファッション広告に登場するのは、これが初めてだったのです。ヴェルサーチとレディー・ガガの親交の深さが伝わってきますよね。

ヴェルサーチのはじまりとその歴史

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ヴェルサーチの創設者・ジャンニ・ヴェルサーチ(Gianni Versace)は、1946年に南イタリアのレッジョ・カラブリアに生まれました。ヴェルサーチの母親がブティックを経営していた影響で、彼自身、幼いころからファッション業界に大きな関心があったようです。母親の下で何年か働いた後、ヴェルサーチは、自身のファッション技術を磨くため、ミラノに渡ることを決意します。

ミラノでの様々な経験の末、彼のカッティング技術が高い評価を受け、イタリアの高級ファッションブランドである「ジェニー(GENNY)」のデザイナーに就任します。これは、1973年のことでした。その後、人気ブランド「マリオ・ヴァレンティノ」の皮革部門のデザイナーを経て、1975年、「コンプリーチェ」の契約デザイナーとしてレザーウェアのデザインを手掛けるなど、若くしてハイセンスなデザインを生み出し、イタリアデザイナーの中で頭角を現していきました。

1978年、ついにヴァレンチノ独立

そして、1978年、ついにヴァレンチノは独立を果たしました。ミラノで独自のレディースコレクションを発表し、成功を収めた同年、彼は、「ジャンニ・ヴェルサーチ」を設立しました。このブランドは、天然素材を使用した最高級のファッションとミラノで培った彼の巧みなカッティング技術でたちまち評判となりました。ミラノのスピーガ通りに第1号店をオープンしたのはヴェルサーチが32歳の時のことでした。この時、彼はヴェルサーチ社を兄のサントと共同で設立します。サントはその当時から現在に至るまで、ジャンニ・ヴェルサーチ社の社長を務めています。

常に新しいことに挑戦

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その後、1981年には香水の発売を開始するなど、常に新しいことに挑戦する彼の姿勢はファッション業界からも高い注目を集めました。また、1982年、イタリアの婦人服デザイナーの最高賞にあたる「ゴールデン・アイ賞」を受賞し、翌年にはニューヨークの「カティ・サーク賞」を受賞しました。これらの活躍で、ヴェルサーチの名は一気に有名になり、彼は世界からその才能を認められるデザイナーへと変身を遂げました。1985年にはセカンドブランドとして、「インスタンテ」をスタートさせたほか、オペラやバレエの舞台衣装を手掛けるなどブランド拡大に向け、様々な分野へとブランドの魅力を浸透させていきました。また、1988年には「Stanley Marcus Award」を受賞し、ブランドとしての付加価値をさらに高めていきました。

パリで初のオートクチュール・コレクション発表

1990年、パリで初のオートクチュール・コレクション「アトリエ・ヴェルサーチ」をホテル・リッツで発表し、1993年には、妹のドナテッラ・ヴェルサーチがキッズラインの「ヴェルサーチ・ヤング」をスタートさせました。その他にも、プレタポルテ「ジャンニ・ヴェルサーチ」、ヤングライン「ヴェルサス(VERSUS)」、ジーンズライン「ヴェルサーチ・ジーンズ・クチュール」、スポーツラインの「VERSACE SPORT」、ビジネス向けのラインとして「ヴェルサーチクラシック」、コスメ部門の「ヴェルサーチ ビューティー」など複数のラインを次々と発表し、精力的にブランドの拡大に努めていきました。1995年には、映画「ジャッジ・ドレッド」の衣装を手がけるなど、ヴェルサーチは世界有数のトップブランドとして名を馳せていきます。

妹ドナテラ・ヴェルサーチが引き継ぐ

しかし、1997年7月、創始者・ジャンニ・ヴェルサーチはマイアミのサウスビーチで息を引き取ります。ジャンフランコ フェレとジョルジオ・アルマーニと共に、ミラノモードの「3G」として、90年代のイタリアを引っ張った彼の壮絶な最期は、多くの人々に衝撃と悲しみを与えました。彼の死後、1998年の春夏コレクションから、プレタポルテ、オートクチュール共に、妹のドナテラ・ヴェルサーチが引き継ぐことになり、現在でもドナテラがデザインを手掛けています。

「VERSACE for H&M」を発表

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1980年代には非常に贅沢な最高級素材を用いたシンプルでセクシーなデザインかつ巧みなカッティングでセレブ層から高い支持を得るようになります。その縫製技術の高さも人気を博した理由のひとつだと言われています。1994年には、イングランド出身のモデル・エリザベス・ハーレイが着用したブラックのドレスが話題となり、そのデザイン性と質の高さで、再び注目を集めました。2009年には、クリストファー・ケインが「ヴェルサス」のバックやシューズなどのアクセサリー類をデザインすることとなり、ヴェルサーチが築き上げたブランドは更なる広がりを見せていきました。最近では、2011年、H&Mとのコラボレーションコレクション「VERSACE for H&M」を発表し、若い世代を中心とした新たな支持層の獲得に成功しました。

まとめ

今なお、世界のトップブランドとして第一線を走る、ヴェルサーチ。現在に至るまでの深い歴史を知ることで、ブランドとしての新たな側面を垣間見ることが出来たかと思います。これは、ファッション業界だけに言えることではありませんが、成功は、そこに懸ける熱い思いと努力や挑戦を惜しまない姿勢の上に成り立つものである、ということを改めて感じることが出来たのではないでしょうか?ヴェルサーチの魅力を存分に感じたうえで、実際にお洋服を手に取ってみると、いつもとはまた違った気持ちで袖を通すことが出来ると思います。初めて名前を聞いたという方は、これを機に是非お店へと足を運んでみたり、コレクションの美しさに触れてみて下さいね。そして、ヴェルサーチ愛用者の方は、クローゼットの中にあるそのお気に入りの1着を末永く大切にしてあげて下さいね。