ホースハイドとは?

ホースハイドとは「ホース=馬」「ハイド=大きな動物」つまり大人の馬から取れる革の事を指します。(ちなみに子供の動物から取れる革を「スキン」と呼びます。)牛革・豚革・羊革と異なり、繊維の密度が低く強度がそこまで高くない欠点を持っているものの、それらの革には無い特徴的な艶・質感を持っているのです。

そのためホースハイドが使用されている数多くのアイテムは、他の革商品と比較しても高額。理由として大人の馬が市場に流れにくい環境になったためです。ホースハイドジャケット発祥の地「アメリカ」では、車や電車が走っていない時の交通手段の多くは馬が主流でした。街へ行けばあちらこちらに馬が見えたため、革市場にも多くの大人の馬が流れてきたのです。

しかし現在では、思うように大人の馬が入手し辛い環境下にあり尚且つ、商品に加工できない馬革は使用できないため余計に希少性が上がります。その結果、ホースハイドが使用されているアイテムは高額なのです。ですがホースハイドの魅力や特徴を見れば「高額でもその価値はある」と感じてくれることでしょう。ではどのような魅力や特徴があるのか?次の項目で詳しく解説します。

ホースハイド特有の重量感

ホースハイドが使用されているジャケットを着用した誰もが感じる事。それが重量感です。牛革・豚革のような重量ではなく、何かおもりを身にまとった感覚になります。一見するとホースハイドのデメリットに感じますが、これこそがホースハイドジャケットの魅力の1つです。この重量感を味わえるのはホースハイドのみですので「ホースハイドジャケットを着用している」と言う優越感に浸れます。そして更に、ホースハイドジャケットを知る方からは重量感あるジャケットに「良いジャケットを着ているな…」と言う尊敬の眼差しで見られます。ホースハイドジャケットの重量感は最初こそ重みがありますが、慣れてくるとそこまで感じる事はありません。重量感あるジャケットはホースハイドのみですので、是非とも着こなしてみましょう。

経年劣化が進めば唯一無二のジャケットに仕上がる

次に紹介するのはホースハイドの経年劣化についてです。ホースハイドジャケット購入当初の商品を着用すると、アイテムによっては腕の関節が曲がらないほどの硬さです。中にはホースハイドジャケットを整えて、ゆっくりと床に置けばそのまま立つぐらいの硬さ。「そんな硬いジャケットはいらない…」と思った方はいけません!確かにホースハイドジャケットの購入当初は硬さがネックです。しかし経年劣化によってホースハイドにしかない独特の艶と着用者に馴染んだ素晴らしい着心地を提供してくれます。

そして何より、経年劣化したホースハイドジャケットを着こなせば、ライダースジャケット好きから称賛される事でしょう。ホースハイドだけに最初の着心地は全くよろしくないじゃじゃ馬ぶりですが、着こなすことで他のライダースにはない独特なテイストを引き出すことができますよ!

傷の風合いでヴィンテージテイストを演出できる

ホースハイドジャケットには、他の革であまり見られない無数の傷が付いています。と言うのも、ホースハイドは冒頭でも紹介したように「精肉加工する際に生じた傷」「運動量が多いため、その際に生じた傷」等があるからです。本来、商品に傷が付いていると「不良品か…」と思いがちですが、ホースハイドのジャケットによって傷の風合いが良い味を出してくれます。ホースハイドジャケットによって、傷の具合から何十年と着用したヴィンテージテイストを演出する商品まであるのです。同じテイストのライダースジャケットに飽きたら、ホースハイドジャケットの独特の風合いを試してみましょう。

選ぶ時のポイント》ホースハイドにはピンからキリがあり!

ホースハイドジャケットは商品によって傷の付き具合が違います。牛革・豚革のように安定した傷ではなく、時にはヴィンテージテイストを通り越した残念なアイテムまで。もし実物を見て購入する方は、パッと見ただけで「気に入った!」と即買いではなく、細部までよく確認しましょう。もしかしたら自身の許容範囲を超える無数の傷が付いているかもしれません。

購入時のポイント》ホースハイドの特徴を知った上で購入すべし!

ホースハイドジャケットはライダースジャケットをこよなく愛する方、バイカーの方々に愛されるアイテムです。着用されている方を見て「自分も着てみたい!」と思うのは素晴らしい事ですが、ホースハイドの特徴を知らないで購入するのはNG!ホースハイドは他の革アイテムのように、すぐ馴染んでくる・重量感を感じられないと言ったアイテムではありません。馴染むまでにアイテムによって異なりますが最低でも3~5年、重量感はまるでおもりを身にまとった感覚です。知らずに購入すると後悔するため、購入を検討する方はそれらを覚悟の上購入しましょう。

着用時のポイント》お手入れは他の革アイテム以上に小まめに行いましょう

ホースハイドは意外にデリケートなアイテムです。お手入れを小まめに行う事で、後に生じる経年劣化によって着用者に馴染んだ着心地へと変化。そして独特な艶を出すことができるのです。しかしお手入れをサボりますと、繊維の密度がそこまで高くないため革へ徐々にひび割れが発生します。放置していると全体に広がり最悪の場合、手入れしても修復不可能の状態に発展するのです。せっかくのホースハイドジャケットを残念な結果にしないよう、小まめにお手入れを行いましょう。