メアリオルターナとは?

メアリオルターナ(MARY AL TERNA)は、2013年に山鹿竜輝氏によって設立された日本のウィメンズブランドです。アパレルだけでなく、バッグや財布等の革小物に至るまで幅広く展開しており、現在、ファッション業界からも高い注目を集めてます。

同ブランドは、「女性の仕草にフォーカスして生み出すアイディアプロダクツ」をコンセプトとしており、女性らしいフェミニンさをベースとしたスタイルを提案しています。

メアリオルターナを手掛けるデザイナー・山鹿氏は専門学校を卒業後、渡英し、その経験を活かし、メンズ皮革小物ブランド「エド ロバート ジャドソン(ED ROBERT JUDSON)」をスタートさせました。その3年後にメアリオルターナを立ち上げるのですが、この経緯をのちに彼はこう語っています。

「メンズを3年ほど続けて、土臭い感じのものよりは、カラーが入り混じったものだったり、革の質感だったりといったあたりを表現したくなったので、レディースのほうがいろいろと試せるのではないかなって。」

同ブランドは、メンズの「エド ロバート ジャドソン」と同様に、架空の職人である”MARY AL TERNA”が創造する、女性らしさをより楽しむためのプロジェクトとして始動しました。

この架空の職人の名前の由来は、イギリスの社会思想家でフェミニズムを提唱した先駆者と考えられているMary Wollstonecraft(1759~97)という実在の人名と、英語の「altanative」を組み合わせたものと言われています。

「altanative」には様々な意味がありますが、新しい手法を探し求めるというニュアンスでここでは用いられているそうです。山鹿氏が目指すブランド像にしっかりとマッチしていて、ここからも彼のブランドへの強いこだわりを感じ取ることが出来ますよね。

さて、次項からは、そんなメアリオルターナが創立当初から守り続けているモノづくりの奥深さについてお話していきたいと思います。

メアリオルターナのモノづくり

メアリオルターナのデザインは、とにかく女性の仕草にフォーカスしたものが多いことで知られています。これは、山鹿氏がレディースを始めるにあたって、常に意識していたことだったそうです。使いやすさや着やすさはもちろんのこと、”どうしたら女性を美しく魅せることが出来るか”、この部分をとことん計算しつくしたモノづくりがなされているのです。

このような考えに至った理由として、山鹿氏は「ファッションの領域では女性にしか表せないことがいくつもあるから。」と答えています。

揺れるスカートなど、男性にはないアクションをどのように表現するか、そこを課題にしながらモノづくりを進めていくことで、よりリアルなスタイルを生み出すことが出来ると彼は考えました。

例えば、メアリオルターナがまず初めに手掛けたのがバッグコレクションでした。山鹿氏の中で、バッグは硬いイメージがあり、男性的なアイテムにカテゴライズされていました。そこで、どうしたら女性”ならでは”の印象を生み出すことが出来るのか試行錯誤した結果、男性から見た女性の仕草を表現することがひとつのヒントになったそうです。

バッグコレクションについては、ひじに提げるというの女性特有の持ち方にインスピレーションを受け、製作を始めたと山鹿氏は語っています。

他にも、アパレルでは、女性が腕を組んだときに洋服のドレープがどんな風に寄るか、脚を長く美しく魅せるにはスリットの深さはどのくらいにすればいいか、など細部にまでこだわりを持ってデザインをしています。とりわけ、山鹿氏は女性らしさを最も感じるポイントとして、首筋を挙げており、どのアイテムでも首筋が上品できれいに見えるようにと気を配った結果、すべてのアイテムを襟なしに仕上げました。

メアリオルターナのもう1つの特徴として、新たな発想を妥協せずに形にしていくということが挙げられます。

例えば、バッグに起用されたことがないような素材を取り入れてみたり、ドアの蝶番や工業用バネをバッグのパーツに用いたり、従来の概念を覆すような発想を次々と生み出していきました。特にバッグパーツは、アイテムの中で最も目に入りやすい部分であることから、どんなにシンプルなデザインのものでも、必ずオリジナルのパーツを起用するようにしているようです。

ただ、このような斬新なアイデアを形にしていく上でも山鹿氏は、色のバランスのとり方に非常に気を配りました。素材として用いる革の色やその配色、1つ1つにこだわりぬき、”色で遊べる”アイテムを作り出すことに尽力しました。

また、開け閉めのしやすさやポケットのサイズ感など、女性にとって非常に気になる機能性の点でも、最上のものを届けられるよう一切の妥協はしないのが同ブランドの強みのひとつだといえるでしょう。メアリオルターナは、このようにメイド・イン・ジャパンにこだわったモノづくりを通して、確かなクオリティーのもとで生み出される唯一無二のアイテムを私たちに届けています。

まとめ