エルメスのケリーはもともとサドルバッグ?誕生時は別名だった!

今でこそ、エルメスのケリーバッグと呼ばれていますが、誕生した頃は全くの別名でした。

そもそも、エルメスは「馬具メーカー」だったためか、現在のようにオシャレなバッグや気品溢れるバッグを生産していなかったのです。しかし1935年、エルメスの「ロベール・デュマ」氏によって流れが大きく変わりました。

今まで馬具の「サドルバッグ」として販売していたアイテムを、婦人用に改良して販売をスタートしたのです。この時、サドルバッグではなく「サック・ア・クロア」と商品名をつけ、多くの女性の視線を釘付けにしました。

利用者の拡大は留まることを知らず、富裕層や当時活躍していた女優や歌手と言った芸能界でも愛用されていました。しかし、その中のある人物によって、サック・ア・クロアがエルメスを代表するケリーへと名称を変更する時が訪れるのです。

エルメス”ケリー”の誕生秘話!ある女性がきっかけ?

サック・ア・クロアに転機が訪れたのは1955年のことです。

サック・ア・クロアを愛用していた「グレース・ケリー」彼女は女優として活躍していたところ、カンヌ国際映画祭で出会ったモナコ大公「レーニエ3世」と結婚し「モナコ公妃」となりました。

モナコ公妃となってからは、周囲からの注目もさることながら、心無いパパラッチに悩まされていたのです。そんなパパラッチは妊娠中でもお構いなしに、モナコ公妃となったグレース・ケリーを執拗に狙いました。

その時、歴史が動きました。

なんとかお腹を隠そうと、愛用しているサック・ア・クロアでかばったところ、おしゃれなバッグが世界中の方々から注目を浴びたのです。

そのことがきっかけとなり、世界中から問い合わせが殺到し、一躍サック・ア・クロアの知名度はうなぎ上りになりました。後に、エルメス社はグレース・ケリーと交渉し、現在も続く「ケリー・バッグ」と名称を変更したのです。

この名称は今も変わることなく、エルメスの人気アイテムとして君臨しています。

内縫い&外縫い|エルメスのケリーバッグの好みはどっち?

エルメスのケリーバッグには「内縫い」「外縫い」2種類のデザインがあります。それぞれのデザインは何が違うのか?特徴を簡単に紹介していきましょう。

内縫い

内縫いは縫い目を外側に見せず、生地の中に織り込んで縫い合わせる縫製方法です。内縫いにすると、全体的なフォルムが柔らかくなり優しい印象を与えます。

また優しい印象で女性が持つ本来の魅力を更に、出すことができますのでフォーマルやビジネスだけでなくカジュアルシーンでも活躍します。

外縫い

外縫いは、内縫いと反対の縫製方法で行われます。外縫いにすると、全体のフォルムがスッキリとし洗練されたデザインへと変化します。カジュアルコーデやラフコーデのみならず、ビジカジやフォーマルコーデのお供にも最適なデザインです。

ケリーバッグの縫い方で、上記のような特徴を持っています。見た目の印象が大きく変わりますので、その変化をぜひとも実物で体験してみましょう。

美しいフォルムが魅力的なヴォー・エプソン

エルメスのケリーには様々な種類の素材が使用されていますが、中でも美しいフォルムが魅力的なのが「ヴォー・エプソン」です。

ヴォー・エプソンとは、雄の仔牛の皮革に革目の型押しがされている素材を指します。

見た目はシンプルでありながら、独特の艶感と張りをもっており、カジュアルのみならずフォーマルなシーンでも申し分ありません。一度でも所有すると、他のバッグにはない独特の魅力と質感に心を奪われるかもしれません。

その上、耐久性にも申し分なく、型崩れもし辛いため長く付き合えるエルメスのバッグです。

ちなみに、エルメスのアイテムの中でも汎用性が高いためか、バッグのみならず財布や小物といった幅広いアイテムにも利用されています。

エレガント&エイジングを楽しめるオーストリッチ

エルメスのケリーは高級素材「オーストリッチ」も使用されています。

オーストリッチとは「ダチョウ」の皮革を差しており、使用されるアイテムの数々はどれも高価なものばかり!もちろん、エルメスのケリーに使用されているものも一切の妥協をせず選び抜かれた、厳選素材です。

またオーストリッチならではの楽しみ「クイルマーク」と呼ばれる、羽毛を抜いた瞬間にできる斑紋があります。自然な風合いと共に、肌触りの良い感触が楽しめるため、ケリーバッグの中でも人気アイテムです。

また、革質は厚手ながら適度な柔軟性を持っているため、使っている際に革特有の「硬すぎて使い辛い!」ということもありません。

その上、使い込むことで、新品時とは違う艶感を演出し、味わい深い仕上がりになるのもオーストリッチの楽しみと言えます。

周囲の視線を釘付けにするアリゲーター

オーストリッチと並び、ケリーバッグの中で人気なのが「アリゲーター」です。

アリゲーターは「ワニ」の皮革を用いており、他の比較では表現できない独特の模様を持っています。模様は不均等ながら、その不均等が良い味わいを出しており、エルメスの技術力の高さが見れる加工技術により、更に魅力的な逸品へと仕上がっています。

そして、高級ブランド特有の嫌味な光沢感を全く感じさせない、瑞々しく美しい艶感は、エレガントなケリーバッグにピッタリです!

とはいえ、非常に人気があるアイテムですので、時には商品として並べられた瞬間に完売することも珍しくありません。皆さんも一度は、アリゲーター素材を使用したケリーバッグを見ることをおすすめします!

ケリーバッグ&バーキン|どこが違うの?

エルメスを代表するバッグと言えば、ケリーだけでなく「バーキン」も忘れてはいけません。どちらの名前も良く聞きますが、どのようなポイントが違うのでしょうか?ではこちらも、端的にですが解説していきましょう。

・バーキンは1984年、当時の社長と「ジェーン・バーキン」が偶然飛行機の中で出会ったことがきっかけで誕生したバッグ

・バーキンのトップハンドルは2本ですが、ケリーは1本のみ

・バーキンは開口部が一気に広がり、仕切りが一切ありません。ケリーは開口部が狭く、仕切りがあります。

・ケリーは、カジュアルよりも、フォーマルやビジネスシーンにピッタリ!バーキンはカジュアルテイストが強いため、カジュアルコーデやラフコーデなど様々なファッションに合わせやすい。

以上のように、似ているようですが所々違いが見られます。しかしながら、どちらも厳選に厳選を重ねた高級素材を使用し作られた一級品であることは変わりありません。

まとめ

最後に、エルメスのケリーバッグは、高級ブランドが醸し出す嫌味なテイストや雰囲気を出さず、エレガントで品のある魅力的なバッグです。一度でも、ケリーバッグの魅力に取りつかれたら、もう他のバッグには手が出ないかもしれません!

また、高級ブランドには珍しく、様々な素材を活用してそれぞれ独特の持ち味を出しているのも見逃せない、ケリーバッグの特徴です。もし機会がありましたら、他のバッグブランドでは出せない魅力的なケリーバッグを、その目で見てきましょう。