磁気に気をつけていますか?
あなたは時計に磁気が入るのを知っていますか?時計に磁気が入ると、まず精度が大きく狂います。
機械式時計は大きく進みやすくなり、クオーツは進んだり遅れたり両方の狂いが考えられます。ここからさらに強く磁気帯びすると、どちらも時計が動かなくなってしまいます。
そうならないための方法は一つだけ。普段から磁気帯びしない管理をすることだけです。磁気が入ってしまった場合は、個人で磁気を抜くことはとても難しいので、メーカーやお店に持ち込むことになります。
磁気とは?
科学的な説明よりも身近なもので例えます。磁気とは磁石のようにひっついたり離れたりする力のことです。
時計にとって磁気が天敵なのは、時計が動く仕組みが全ててんぷや水晶振動子による振動によるものだからです。その細かな振動が磁気によって大きく狂ってしまいますが、時計の構造上磁気帯びをしないようにすることは不可能だと言われてします。
時計の動く仕組みをそもそも大きく崩してしまう磁気を防ぐには、磁気を生むものから離れることだけなのです。
どうしたら磁気の影響を受ける?
時計が磁気の影響を受けるのは、磁場に入ることと磁気を発生させるものが近くにあることの2つです。
磁場はめったにないのですが、磁気を発生させるものは身の回りにたくさんあります。なんと電気で動くものはすべて磁気を発生させています。具体的には電話、PC、テレビ、携帯オーデイオなどです。これらの近くに時計を置いておくと、磁気が時計に移り磁気帯びします。
さらに意外なところで忘れがちなのが、鞄の磁石です。磁石の近くに時計があると同様に磁気帯びしてしまうのです。
どう気をつけたらいいのか
時計に磁気が移らないようにするには電気で動くものの傍に置かないこと、これだけです。大体10cmも離せば磁気の影響はなくなります。または磁気を生むものと時計の間に厚みのあるものを挟んでも影響を受けなくなります。
例を出すと、
× 直接テレビの上に置く
× PC脇5cm以内に置く
× スマホ(特にスピーカーが強い)の横に置く
〇 テレビから10cm離して置く
〇 PCの上の棚を置く(10cm以上離す)
〇 買ったときの時計BOXに収納する
上記のようにやってダメなこと、やっていいことをがあるのです。
磁気帯びしない時計がある
しかし身の回りには磁気を生むものが多くあるので、現実にはまったく磁気帯びしないのは不可能です。
そこで開発されたのが磁気帯びしない時計。各社いろいろなつくりをしていますが、多いのはムーブメントを軟鉄でカバーして磁気の侵入を弱めるものです。
デメリットは重くなることとカバーでシースルーバックからムーブメントを見れなくなることです。
しかしオメガのコーアクシャル機構はそれを解決。そもそも磁気帯びする鉄を徹底的にムーブメントから排除することで磁気帯びしない設計にしました。
まとめ
最後に紹介したオメガの時計はきわめて特殊な例で、ほとんどの時計が機械式でもクオーツでも磁気帯びします。しかし普段の管理方法を気をつけるだけで磁気帯びする確率をグッと減らすことができるのです。
非常に身近なものでトラブルを生んでしまう時計の磁気帯びですが、対策を知ることでこれからの時計ライフも変わらず愉しくなるでしょう。外すときにほんの少しだけ気遣って時計を大事にしてあげてくださいね。