時計の素材には種類がある

時計の素材には多くの種類があります。主に使われるのがステンレスで、次に18金、次にプラチナです。

現在ではチタンやセラミック、メーカー独自の合金など様々な素材によって時計がつくられており、それぞれの特徴を活かしたものになっています。

例えばチタンなら軽いのでスポーツタイプの時計に多く使われますし、ドレスウォッチなら18金が適しているといったところです。素材選びは時計のデザインを構成する重要な要素の一つであることは間違いありません。

最も多く使われる「ステンレス」

時計の素材で最も多く使われるのはステンレスです。時計全体の7割以上がステンレス製のケースで出来上がっています。理由は価格、強度、シルバーカラーが使いやすいからです。

鉄よりもサビにくく磨けば美しく光るため、通常のザラツ研磨からヘアライン仕上げなど様々な工夫も出来、金よりも価格も安価なので大量生産も可能。大量生産され大量消費される現代の時計業界ではステンレス製でないと対応できなくなってきているという理由もあるのです。

贅沢な高級品「18kゴールド」

18kつまり18金でできている時計と聞けばさぞ高級な時計と思われるでしょう。事実、18金の時計はステンレスケースの時計とは3~5倍程度の値段の差があります。しかし、実際そこまでのコストがかかっているのかというと違うのです。

強度、耐変色などの恒久性から見ても道具として優秀なのはステンレスだと考えます。しかしそれでも18金のもつステータス感、満足感はステンレス製では生み出せない価値なのです。

さらに上をいく品格「プラチナ」

18金よりもさらに格が高いといわれるのがプラチナです。

プラチナと18金ホワイトゴールドは一見似ていますが、値段はさらに高くなります。しかし、雲上時計といわれるような、例えば1,000万円を超すような時計の多くはプラチナケースです。

ここまで読まれた方はおわかりかと思いますが、貴金属の素材は道具としてではなくそのステータス性、希少価値が他では得難い価値として人々の心を魅了するのです。その重厚な雰囲気は、一度手にしたら離れがたいものとなるでしょう。

新素材「セラミック」

最近では金やプラチナだけでなくセラミックを使ったモデルが増えてきています。特にブラックセラミックは世界的なスポーツウォッチの流行との相性も良く、新作で使われるケースが増えています。

特徴は堅さとセラミック独特の質感、そして金属アレルギーが起こらないことです。金属とはまた違った雰囲気を出せるセラミックですが、加工には高い技術が必要になります。

それでも流行の最先端をいこうとするファッションブランドは既に発表しているほど注目されている新素材です。

ブランド独自の素材も開発されている


(画像出典:Hiro)
上に挙げたのはいずれも一般的な素材でどのブランドでも扱うことが可能です。しかし現在では独自の素材を開発し新商品としているブランドもあります。

例えばスイスのモーリスラクロアでは”パワーライト”と呼ばれる新素材を開発し、時計のケースに採用しました。

パワーライトとは、アルミ、マグネシウム、チタン、ジルコニウム、セラミックの5つの素材からなる合金で、ステンレススティールと比べて半分の比重と2倍の強度を誇る素材です。同ブランドではこれを使用し、スポーツウォッチを発表しています。

まとめ

素材別の特徴をまとめました。多くの時計がシルバーのステンレスケースなので特に考える事の少ない部分ですが、どのメーカーも18金のドレスウォッチやチタン製のスポーツウォッチなど、素材ごとの特徴を掴んだ時計造りをしています。

なぜこの素材選びをしたのかなどの背景を考えていくのも時計の愉しみ方の一つなので、ぜひ手元の時計をじっくり見ることから始めてみてください。意外にめずらしい素材でつくられていて希少価値がでるかもしれませんよ。