ナイキ設立の陰にオニツカタイガーあり?その歴史とは?


(画像出典:Toshihiro Gamo)
ナイキが誕生したのは1964年のことです。

当時、スタンフォード大学で経済学を学ぶ「フィル・ナイト」オレゴン大学で陸上コーチをしていた「ビル・バウワーマン」が設立しました。(前身はブルーリボンスポーツになります)

誕生のきっかけとなったのが、当時人気を博していた「オニツカタイガー」のシューズです。

フィル・ナイトが卒業後に足を運んだ神戸で目にし、低価格ながら品質の良さに感銘を受け、1962年にオニツカタイガのアメリカにおける販売権を取得しました。その後、順調に販売を伸ばしていましたが、1971年に入ると事態は一変していきました。

ナイキが独自でスニーカー製造!オニツカタイガーと決別?

1960年代後半に入ると徐々に、オニツカタイガーの販売に陰りが見え始めました。その上、自社で製造していないシューズを販売していたので販売数を増やしても、利益はついていきませんでした。そこでナイキは1971年に、知人の助言によりナイキとして独立を果たし、オニツカタイガーと決別したのです。

ナイキは自社でシューズを製造するために、オニツカタイガーから技術者を引き抜くだけでなく、オニツカタイガーの競合「アサヒシューズ」を取り込み、シューズを製造。ナイキのブランド名で販売したところ、大いに人気を博し、オニツカタイガーとは比較にならない売れ行きを見せました。

その後のナイキは完全にオニツカタイガーと決別しており、自社でデザインから製造、そして販売を一貫して行い、現在のように確固たる地位を築いています。

今も受け継がれるナイキ独自の技術力!

ナイキはスポーティデザインやカジュアルテイストのシューズなど、展開するアイテムに自社独自の技術を詰め込んでいます。

例えば…

・AIR(エア)

歩行時にかかる衝撃を吸収するために、ミッドソールの中に仕込んだものを指します。まるで車のエアバッグのように、私達にかかる負荷を吸収してくれるため、他のシューズよりも足の疲れを和らげてくれます。

・ワッフルソール

ナイキの創業者の1人「ビル・バウワーマン」が朝食時に見たワッフルメーカーから、ソールデザインを考え付いたのだとか。正方形の特徴的な突起物が並ぶソールは、悪路や滑りやすい路面でも、安定したグリップ力を誇り、スニーカー界の世紀の大発明とまで言われました。

代表的な技術として、上記2種類ありますが、他にも細部にこだわりを持ってナイキはシューズを製造しています。

【Cortez】ナイキブランド初となるスニーカー誕生!

1972年、オニツカタイガと決別したナイキが自社で初めて製造したのが「Cortez(コルテッツ)」と呼ばれるスニーカーです。

Cortezは創業者たちの試行錯誤によって誕生したスニーカーであり、今も受け継がれるナイキの技術力を大いに活用しています。

軽量でありながら、履き心地も申し分なく、何より高いクッション性は陸上選手たちに大変好評だったのです。時代と共に、デザインや色が追加され続け、今ではナイキを代表するスニーカーへと飛躍しました。

【Air Jordan】バスケットスニーカーが人気アイテムに!?1990年代初頭を席巻した人気スニーカー

ナイキの中で今も不動の地位を築いているのが「Air Jordan(エアージョーダン)」です。

もともとは、バスケットシューズとして開発されており、商品名もNBA選手「マイケル・ジョーダン」とのコラボもあり、彼の名前そのままに使用しています。ところが、マイケル・ジョーダン氏の人気、そしてストリートでひときわ目を引くスニーカーは、瞬く間にスニーカー愛好家を虜にしました。それを証明するかのように、1984年に販売されて以降、毎年モデルを変更しており、現在でも販売を続けています。

あまりの人気ぶりに、1990年代初頭は入荷しても瞬時に売り切れるほど!今でこそ、当時の熱狂ぶりではありませんが、それでも人気のモデルですので時代によっては瞬殺することもあります。

そのため、狙っているなら入荷したタイミングを逃さずゲットしましょう!

【AIR MAX】不動の人気を誇るナイキ鉄板スニーカー

ナイキと言えば?と聞かれたら、多くの方が「AIR MAX(エアーマックス)!」と答えるほど誕生以後、不動の人気を誇ります。Air Jordan同様、1980年代後半~1990年代にかけて、ナイキ人気に火を点けた逸品。

ランニングシューズの最高峰として当初は開発されたものの、美しいデザインにランナーのみならず世界中の方々釘付けになるほど、大注目されていました。その上、ファッションブランドや世界各国のシューズブランドとのコラボも相まって、ナイキを知らなかった人達の心を鷲掴み!そうして、世界中の方々に愛されるナイキスニーカーとして、現在もナイキシリーズとして販売されています。

ただ、通常AIR MAXも人気ですがコラボモデルとなると、瞬殺するほどの高い人気を持ちます。もし、欲しいと思ったコラボモデルがありましたら、見逃さず、確実に入手することをおすすめします。

今も語り継がれるナイキスニーカーの事件とは?

ナイキが販売するスニーカーは、重複となりますが1980年代後半~1990年代前半、今では考えられない熱狂ぶりを見せていました。その影響からか、しばしば下記のような事件が発生することもあったのです。

・エアマックス狩り

エアマックスを履いている人を見つけ、複数人で襲撃しエアマックスを奪うことを指します。人によってはそのまま履き続ける方や、お金目的で転売する方もいました。

・エアマックスの盗難

エアジョーダンやエアマックスは、履いている時だけでなく、脱いだ瞬間にも狙われていました。例えば、レストランや居酒屋等、靴を専用の下駄箱に入れた際、第三者に盗まれるケースが続出しました。

・エアマックスの偽物騒ぎ

エアマックスが売れると分かった裏業者が、偽物をあたかも本物のように販売していた。非常に精巧に作られており、中には専門家でも見分けがつきにくいスニーカーまでありました。

この他にも、ナイキの人気シリーズにかかわる事件があったものの、2000年以降は落ち着きを見せ始め、現在は殆ど見られません。しかし昔はあまりの人気にこのような出来事があったのです。

まとめ

いかがでしたか?

ナイキは、初めこそオニツカタイガーの販売店としてスタートしましたが、今ではオニツカタイガー上回る大企業へと成功しました。高い技術力と魅力的なラインナップも相まって、スポーツ選手のみならず、幅広い層の支持を得て、今もなお不動の人気を誇っています。

ナイキは現在も、既存の商品に縛られず新しいラインナップを続々と展開しているため、今後の動向に目が放せませんよ。