時計を形で選ぶ愉しさと注意点

時計を形で選ぶというのは実はとても理にかなっています。なぜなら形によってテイストがある程度決まっているからです。

オールラウンドに何でも有りなのが丸型、カチッとフォーマルあるいはすごく派手のどちらかな四角、クラシックなものがほとんどなトノー型、変り種の三角といったところです。

逆に言えば四角い時計をパイロットウォッチに、トノー型をモダンな雰囲気にすることはとても難しいのです。Tシャツはラフなイメージ、スーツはフォーマルなイメージが基本になるのと同じといえます。

安定のラウンド(丸)型

中でもラウンド(丸)型はどんな雰囲気も受け入れる形です。

文字盤、ベゼル、ラグ、リューズ…さまざまな要素を組み合わせてクラシックにもモダンにもパイロットウォッチや何かをモチーフにしたものなど何でもこなせます。

時計といえば丸型を想像する人がほとんどで、同様に世界で造られている時計の形で最も多いのは丸型でしょう。

馴染み深く扱いやすいので時刻が見辛い、ベルトの交換が難しいなどの問題が少ないのも特徴です。

華やかな時計が多い長方形

長方形の時計の多くは華やかで他にないデザインのものが多いです。あるいはごくごくシンプルな真面目な時計のどちらかです。

華やかなものにはフランクミュラーのロングアイランドやクエルボイソブリノスのプロミネンテ、ティソのバナナウォッチなど楽園やリゾートをイメージさせるような時計が多く、時計の裏側のガラスをカーブさせて手首に馴染むような細工などリラックスして着ける時計といったところです。

派手で完成されたデザインが多く、ベルトの変更などは可能ですが自分らしい色は出しにくいのが特徴です。

クラシックな印象のトノー型


(画像出典:nicholasputz)
トノー(樽)型は最近では珍しい形になっており、新作として発表されるトノー型は少なくなってしまいました。

3時位置と9時位置の部分だけ広めになっている長方形で、樽の形そのものです。

どちらかといえばクラシックなデザインとの相性がよく、インデックスは1~12のすべてのアラビア表記やレイルウェイなどとセットでデザインされることが多いです。

アンティーク時計や復刻版としてのほうが見る機会は多いかもしれません。

目をひくこと間違いなしの三角


(画像出典:txinkman)
中には三角形の時計もあります。有名なモデルだとハミルトンのベンチュラです。丸や四角にはないアシンメトリの独特な雰囲気はハマった人にはたまらないですね。

ベルト取り付けは丸型などと同じでよくあるタイプなので困ることも少なく、意外に実用的です。

雰囲気としては間違いなくカジュアルなので仕事ではなくプライベートで、あるいはデザイナーの方は着けると一味違った雰囲気を演出できるかもしれません。

他にない形の面白さ


(画像出典:アジムート 日本公式HP)
変り種としかいえませんが、他にはまったくない形の時計も多く存在します。

たとえばセイコーのキネティッククロノは縦に長い楕円の形でラグはケースと一体になっており、一つのブレスレットのようです。他のブランドでは一切見れない形をしています。

同様にアジムートのランドシップは軍艦、戦車をモチーフにしており人が入る出入り口に時刻表示があるなど唯一無二のデザインです。

同じ戦車をモチーフしていてもカルティエのタンクのようなクラシックさとはまったく違う雰囲気になるのは面白いところです。

まとめ

形で時計を選ぶ楽しさをまとめました。安定の丸型から他の時計にはない形まで様々です。

それぞれのもつ雰囲気があるので、それを知ったうえで選ぶことでもっとスムーズに楽しく時計選びができるはずです。

もちろん直感で選んでもよいのですが、今回は休日用だなと思ったら長方形から選ぶなど、文字盤や色を選ぶのと同じようにすると、もっとよくなります。

ぜひ、次の時計選びには形から考えてみてはいかがでしょうか。