レミーマルタン(Rémy Martin)はフランス・コニャック地方で1724年に創業した最高峰のコニャック(ブランデー)ブランドです。独自のリーズ蒸留法・フィーヌ・シャンパーニュへのこだわり・ルイ13世まで揃う豊富な種類の特徴と飲み方を詳しく解説します。

  • 1724年創業・ルイ15世が認めたレミーマルタンの歴史
  • フィーヌ・シャンパーニュとコニャック6つのランクの解説
  • リーズ蒸留法とオーク樽熟成の伝統製法
  • VSOP・1738アコードロイヤル・XO・ルイ13世のラインナップ全種類一覧
  • ケンタウロスのシンボルマークの由来
  • ストレート・ソーダ割り・カクテルのおすすめの飲み方

 

レミーマルタンとは|1724年創業のコニャック名門ブランド

レミーマルタン1724年創業の歴史的イメージ

レミーマルタンは「ヘネシー」「クルボアジェ」「カミュ」と並ぶコニャック業界屈指の名門ブランドです。

甘い香りが心地よい濃厚で深い味わいは世界中に愛好家を持ち、日本でも高級ブランデーの代名詞として広く知られています。

1724年の創業と歴史・フランス王家が認めた実力

レミーマルタン(martin)は1695年にルイヤックの小さなワイン商に生まれたレミー・マルタンが、29歳の1724年に創業した歴史あるコニャックブランドで、創業からわずか14年後の1738年にはフランス国王ルイ15世からブドウ畑の拡大を許可する特権を授与されるほどの高品質が認められていました。

当時のフランスは深刻な食糧難に見舞われ、ルイ15世がブドウ栽培を一般的に削減する方針を打ち出す中、レミー・マルタンだけが例外的にブドウ畑の拡大を許されました。

この逸話は、創業初期からレミーマルタンがフランスにとって不可欠な生産者として認識されていた証です。広大な土地・商いへの情熱・ワインづくりの技術という3つの武器を原動力に、レミーは業界屈指のブランドを築き上げました。以来300年近くにわたって、レミーマルタンのコニャックへの情熱は世代を超えて受け継がれています。

グランド・シャンパーニュ産ブドウと「フィーヌ・シャンパーニュ」への一切の妥協なきこだわり

レミーマルタンのフィーヌ・シャンパーニュ産ブドウ畑イメージ

レミーマルタンの品質へのこだわりはブドウ畑の選択から始まります。コニャック地域の中でも最高品位の産地「グランド・シャンパーニュ」と、次点の「プティット・シャンパーニュ」の2地区の畑から収穫したブドウのみを厳選して使用しています。

さらにグランド・シャンパーニュのブドウが50%以上含まれるブレンドを「フィーヌ・シャンパーニュ」と呼びますが、レミーマルタンは全商品の原料をこの「フィーヌ・シャンパーニュ」のみに限定しており、高品質なアルコールを使用するというブランド全体の一貫した哲学が世界的な評価の根幹を支えています。

この原料へのこだわりが、他のブランデーとは一線を画す芳醇な風味と複雑な味わいを生み出しています。

コニャックとは・6つのランクの解説

コニャック地方のブランデー産地イメージ

コニャックとはフランス南西部のコニャック地域で栽培されたブドウを原料としたブランデーの総称です。

このコニャック地域はさらに6つのランクに分類されており、上位の産地ほど高品位なコニャックが生産されると評価されています。アルコール度数は一般的に40度前後で、長期間の樽熟成を経て深みのある風味が生まれます。

ランク 産地名 特徴
1位(最高品位) グランド・シャンパーニュ 石灰質土壌が生む最高品質・希少性が高い
2位 プティット・シャンパーニュ グランドに次ぐ高品位・繊細な香りが特徴
3位 ボルドリ 石灰質と粘土が混合した土壌
4位 ファン・ボア 比較的早い熟成が特徴
5位 ボン・ボア さらりとした軽めの味わい
6位 ボア・ゾルディネール 最も低い品位に分類される産地

リーズ蒸留法とオーク樽熟成の伝統製法

レミーマルタンのリーズ蒸留法の蒸留器イメージ

レミーマルタンの製造における最大の特徴が「リーズ蒸留法」と呼ばれる独自の伝統製法です。一般的なブランデーの製造では底に沈殿したブドウのかす(リーズ)をろ過してから蒸留しますが、レミーマルタンはそのリーズをろ過せずに2度蒸留します。この手間のかかる製法によってアミノ酸を豊富に含ませることができ、芳醇なアロマと濃厚で滑らかな味わいが実現します。

蒸留後の原酒はリムーザン産のオーク樽に入れて長期熟成させます。

オーク樽が持つタンニンと木の風味がコニャックに溶け込むことで、複雑な香りと深みのある味わいが育まれます。使用するオーク樽の選定・熟成期間の管理・樽の組み合わせなど、製造の各工程においてマスターブレンダーが厳格な品質管理を行っています。リーズ蒸留法とオーク樽熟成を組み合わせた伝統製法こそが、レミーマルタン独自の風味を生み出す核心です。

レミーマルタンの種類(ラインナップ)一覧

レミーマルタンのVSOP・XO・ルイ13世ラインナップイメージ

レミーマルタンには手軽に楽しめるスタンダードクラスから入手困難な最高峰まで、多彩な種類の商品が揃っています。下の表ほどランクが上位となります。

VSOP・1738アコードロイヤル・XO エクセレンス・ルイ13世ほかラインナップ全種類

商品名 ランク 味わいの特徴 価格帯目安
レミー・マルタン VSOP VSOP フルーティーで滑らかな飲み口・バランスのよいスタンダード 3,000〜5,000円前後
レミー・マルタン クール・ド・コニャック VSOP相当 軽やかでアロマ豊かな飲みやすいタイプ 5,000〜8,000円前後
レミーマルタン クラブスペシャル VSOP〜XO相当 豊かな香りとまろやかなコクが特徴 要確認
レミー・マルタン 1738 アコードロイヤル 1738(特別クラス) 1738年のルイ15世の特権授与を記念した商品・芳醇でリッチ 8,000〜12,000円前後
レミー・マルタン ナポレオン ナポレオン XOに次ぐ上位グレード・複雑で深みのある風味 10,000〜15,000円前後
レミー・マルタン XO エクセレンス XO 甘みと辛口が共存する多重奏の味わい・平均熟成23年 15,000〜25,000円前後
レミー・マルタン ルイ13世 最高峰 バカラ社クリスタルボトルに宿る最高貴のコニャック 200,000円以上

価格帯はヴィンテージや販売時の市場状況によって変動するため、購入の際は専門店でご確認ください。おすすめの入門商品はVSOPで、アルコール度数40度のバランスのよい種類として初めてレミーマルタンを試す方に最適です。

XO エクセレンス|平均熟成23年の贅沢な多重奏

レミーマルタン XOエクセレンスボトルイメージ

レミー・マルタン XO エクセレンスは平均熟成年数23年、最長37年という長期間オーク樽で熟成させた原酒を厳選ブレンドした逸品です。

柔らかで甘い口当たりに続く濃厚なコクと辛口が絶妙なバランスで共存するXO エクセレンスの多重奏の味わいは、まろやかさと複雑さを同時に体感できるレミーマルタンの醸造技術の粋を体現した一本です。

使用するオーク樽の選定と長期熟成が生む深みのあるアロマと余韻の長さが特徴で、滑らかな飲み口は初心者からコニャック上級者まで広く楽しめます。美しいガラスボトルのデザインも評価が高く、テーブルに置いてボトルを観賞しながら一杯を楽しむスタイルにも向いています。

レミーマルタン ルイ13世|バカラ社クリスタルボトルに宿る最高貴のコニャック

レミーマルタン ルイ13世バカラクリスタルボトルイメージ

ルイ13世は最高品質のグランド・シャンパーニュ産コニャックのみを使用したレミーマルタンの最高峰商品で、4代目のエミール・レミー・マルタンが「最も美しいボトルに詰めて世に送り出したい」という強い思いのもとにバカラ社のクリスタルボトルを採用した、ブランデーファンが憧れ続ける最高貴の一本です。

このバカラボトルのオリジナルはキリスト教カトリックとプロテスタントの紛争跡地で発見されたとされており、ルイ13世王朝期のルネッサンスの影響を色濃く受けたフランス王家の紋章入りデザインが特徴です。

一目でこのボトルの美しさに惚れ込んだエミールは、グランド・シャンパーニュから生まれる極上のコニャックのみを詰め、最も高貴なブランデーとして「ルイ13世」の名でリリースしました。

ルイ13世のバカラ社クリスタルボトルは一つひとつ職人の手作りで製造されており、ボトルの口に合わせて栓も職人が手で作成します。ボトルと栓にはそれぞれ同一の番号が付けられて管理されており、別々の番号を組み合わせると揮発が早まる原因になるため注意が必要です。これほどの手間とこだわりがルイ13世の由来と格別な価値を支えています。

レミーマルタンのシンボル|ケンタウロスとブランドの歴史

レミーマルタンのケンタウロスシンボルマークのイメージ

レミーマルタンのボトルに描かれたシンボルマークを見ると、半人半馬の神話的生き物が刻まれていることに気づきます。このシンボルには深い由来があります。

ケンタウロスが意味するシンボルマークの由来

レミーマルタンのシンボルマークとして採用されているケンタウロスは、ギリシャ神話に登場する上半身が人間・下半身が馬という半人半馬の生き物です。

ケンタウロスは知恵・強さ・野性の自然を司る存在として古くから崇められており、このシンボルがレミーマルタンのブランドに採用された背景には4代目エミール・レミー・マルタンとの深い関わりがあります。

エミールは射手座(いて座)の生まれで、射手座のシンボルがまさにケンタウロスであることから、この半人半馬の生き物をマルタン家とブランドのシンボルとして用いるようになったとされています。以来このケンタウロスのマークは「力強さと知性の融合」を表すレミーマルタンの象徴として、全ての商品ボトルに刻み続けられています。ブランドの歴史と創業者への敬意が込められたこのシンボルは、レミーマルタンを他のコニャックブランドと一線を画すアイデンティティのひとつとなっています。

レミーマルタンのおすすめの飲み方ガイド

レミーマルタンをブランデーグラスで楽しむイメージ

レミーマルタンは飲み方によって異なる表情を見せます。コニャックを初めて楽しむ方から上級者まで、それぞれのスタイルに合った飲み方を紹介します。

ストレート・ソーダ割り(フレンチハイボール)・カクテルの飲み方

最もオーソドックスな飲み方はストレートです。専用のブランデーグラス(バルーン型の大きな丸いグラス)にほんの少量を注ぎ、グラスを両手の掌で包むように温めながらゆっくり回します。

体温で温めることでアロマが立ち上がり、まず香りを鼻に近づけてじっくりと楽しんでから一口含んでテイストを嗜むのが本来の楽しみ方です。アルコール度数は40度前後と高めですが、複雑な風味を直接味わえます。

コニャックをより気軽に楽しみたい場合はソーダ割り(フレンチハイボール)がおすすめです。グラスに氷を入れてレミーマルタンを注ぎ、炭酸水を加えて軽く混ぜるだけで完成します。炭酸がアロマを引き立てながらアルコール度数が和らぐため、食事のシーンや暑い季節にも向いています。VSOPや1738アコードロイヤルは特にソーダ割りとの相性がよい種類です。カクテルのベースとしても活用でき、コニャックをベースにした「サイドカー(コニャック・ホワイトキュラソー・レモンジュース)」や「ブランデーサワー」などはコニャックならではの深みを活かした飲み方として知られています。

保管についても注意が必要です。ワインは横置きが基本ですが、ブランデーは通常立てて保管します。立て置きするとコルクが乾燥してしまう場合があるため、開封前に少し容器を傾けてコルクを湿らせてからゆっくり回して開けると安心です。

価値あるレミーマルタンの買取について

レミーマルタンの保管・買取のイメージ

レミーマルタンは世界的な知名度と需要から、未開封品は買取市場でも評価を受けやすいコニャックです。

特にルイ13世のバカラクリスタルボトルは希少性が高く、状態が良好であれば高額査定が期待できる商品として知られています。高額買取につながる条件として、未開封であることが最低条件です。

バカラボトルの場合はボトルと栓の番号が正しく対応していること・クリスタルに傷や欠けがないこと・化粧箱や付属品が揃っていることが査定で有利に働きます。保管状態(直射日光・高温を避けた冷暗所での管理)も査定に影響するため、日頃からの適切な保管を心がけましょう。

 

まとめ|レミーマルタンの魅力と300年続くコニャックの世界

  • レミーマルタンは1724年にフランスで創業し、1738年にはルイ15世からブドウ畑拡大の特権を授与された300年の歴史を持つコニャック名門ブランド
  • 全商品の原料を「フィーヌ・シャンパーニュ」のみに限定し、リーズ蒸留法とオーク樽熟成を組み合わせた伝統製法が芳醇なアロマと複雑な風味を生み出している
  • VSOPから1738アコードロイヤル・XO エクセレンス・ルイ13世まで多彩な種類が揃い、コニャック入門から最高峰の体験まで幅広く対応している
  • 4代目エミールに由来するケンタウロスのシンボルマークと、バカラ社手作りクリスタルボトルに宿るルイ13世は、レミーマルタンがコニャックというフランスの文化そのものであることを示している
  • レミーマルタンはフィーヌ・シャンパーニュへの妥協なきこだわりと300年受け継がれてきた製法哲学が融合した、コニャックの最高峰ブランドであり、ストレートで香りを楽しむも良し・ソーダ割りで気軽に楽しむも良し、種類豊富なラインナップで様々なシーンに寄り添ってくれる名門です。