ジャパニーズウイスキー

ジャパニーズウイスキー"響"ができるまで

ウイスキーと言えばスコッチ。ウイスキーを世界のお酒にしたスコットランドの功績は大きく、世界の誰もが知っていることですが、実は近年「世界が認めるジャパニーズウイスキー」としてサントリーの響が世界中から注目を浴びています。いまや世代交代に王手をかけるサントリー響の軌跡を辿ってみたいと思います。

2015.12.13

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ウイスキーと言えばスコッチ。ウイスキーを世界のお酒にしたスコットランドの功績は大きく、世界の誰もが知っていることですが、実は近年「世界が認めるジャパニーズウイスキー」としてサントリーのが世界中から注目を浴びています。

 

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名門スコッチの時代から世界に認められる為に研鑽し続け、いまや世代交代に王手をかけるサントリー響の軌跡を辿ってみたいと思います。

 

■ミズナラ樽との出会い


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1898年4月1日、響はサントリー創業90周年を記念してリリースされました。

 

響のキーモルトはミズナラ樽熟成モルト。発売出来るレベルで保有している会社はおそらくサントリーだけだと思われる、希少価値の高いサントリーオリジナルモルトです。本来ウイスキー樽にはオーク木材が使われていて、もちろんサントリーもこの木を利用していますが、戦時中オーク材の入手が困難になりました。

 

そこでオーク材に代わるものとして、北海道に生息しているジャパニーズオーク、「ミズナラ」の木に目を付けたのです。しかしこのミズナラ原酒は木の癖が強く「こんな樽使えるか!」と言ってしまえる程美味しくないものでした。しかしそのままミズナラ樽に熟成させて20年余り。忘れかけた頃にふと1人のブレンダーがその樽をチェックしてみると、それは素晴らしいウイスキーに熟成されていたのです!

 

甘い果実の香りにその後に続く伽羅、白檀、沈香といった香りの余韻。独特の熟成された木香で、かすかなスモーキーさとの融合が心地よい。「この樽は大器晩成型の樽だった!」この樽のモルトを味わった人全てが感じたことでした。苦肉の策から仕方なく使ってみたミズナラの木。しかし余りの個性の強さに使いものにならなかった原酒。

 

当時の人誰1人として、このミズナラ原酒が20年後に至極の原酒に化けるとは思わなかったことでしょう。そして今、このミズナラ原酒をキーモルトにしてリリースされたサントリーの響が、世界のウイスキー部門での賞を総なめにする勢いで評価を得ているジャパニーズの代表といえる逸品となったのです。まさにアンデルセン童話「みにくいアヒルの子」のような道を歩むミズナラ原酒ですね。

 

■響のコンセプトとは


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響の開発で1番意識されたことは海外で発売することでした。それまで日本のマーケットの主流だったのは「水割り」で好まれるウイスキーでしたが、響ではストレートでいかに日本の個性を出すかに焦点が当てられたのです。

 

ストレートで飲んだ時、日本のウイスキーであることを一口でわかってもらえる、他の商品との区別化を出来るものにしたい!と言う熱い思いを根底に置きました。 つまり響という商品を魅力的なものにするためには「熟成感」が重要であると考えられたのです。

 

スコットランドとは異なる、夏場の気温がとても高い日本での、樽に与える影響を徹底的に分析しました。それを踏まえて木材の選択・熟成中の樽管理などスコットランドとは異なる方法で、目標とする香りと味わいを模索したのです。いかに世界に通用する王道ジャパニーズウイスキーを作るかに焦点を当てて完成したのが響です。

 

■ウイスキーの種類


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シングルモルトウイスキーブレンデッドウイスキー、この2種類はウイスキーの種類が違います。響はブレンデッドウイスキーと言われ、キーモルトと山崎を始めとする数種類のモルトをブレンドし、穀物を連続蒸留するグレーンウイスキーを加えて味を整えたものです。

 

そして同じサントリーからリリースされている山崎や白州はシングルモルトウイスキーと呼ばれています。山崎は大阪の山崎蒸留所だけで作られており、白州は山梨にある白州蒸留所だけで作られていますが、一つの蒸留所だけで作られた原酒をブレンドして作るものがシングルモルトウイスキーです。

 

シングルモルトウイスキーの味わいは、作られた場所の風土と水の個性が反映される為、個性の強い味わいが特徴となっています。響を飲んでウイスキーの基本的な薫りを楽しみ、シングルモルトウイスキーで蒸留所の個性を知る。

 

双方のテイストを理解することでさらにウイスキーの楽しみ方に幅が出て、ブレンデッドである響の味わいも増します。ウイスキーはシングルモルトブレンデッド両モルトとも是非味わって頂きたいと思います。

 

■響12年


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2009年5月にヨーロッパで先行発売されたのち、同年9月から日本でも発売されたのが響12年です。もともと響は17年、21年、31年とリリースされていましたが、お酒を嗜む憩いの場であるバーなどで、手軽に一杯を勧められる価格ではなかったことから、バーテンダーさん達の「もっと手軽な価格でバーの定番に出来るウイスキーを出して欲しい」という要望に応えるべく発売されました。

 

ブレンデッドウイスキーは癖がないぶんカクテルにも使い勝手が良かった為、バーテンダーさん達の人気に一役買っていたのではないかと思います。

 

そのような事情で従来の響からダウングレードさせた響12年は、梅酒樽で熟成させた原酒を使うなど、香りが豊かで癖の少ないブレンドになっています。しかし残念なことに響12年は2015年9月で販売終了となってしまいました。在庫品などを見かけることがあれば、一度試してみるのも良いですね。

 

■響その他ラインナップ


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響はブレンデッドウイスキーの最高峰として、17年、21年、30年がリリースされています。中でも響30年は年間で千本しか作れない、大変希少価値の高いウイスキーです。

 

選ばれるモルト原酒はサントリー秘蔵の超長期熟成樽の中から山崎ホワイトオーク樽をメインに30年以上熟成されているものを厳選してブレンドしていると言うのですから、それを聞くだけでもさぞかし甘美な香りに濃厚なコクなのであろうと想像出来ますね。

 

贅沢至極、宝玉のような美酒・・・と表現するのが相応しい、世界のウイスキー通を唸らせるほど高い評価を勝ち得ている逸品です。常に世界を見据えて作り続けられていたジャパニーズウイスキー響

 

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しかし「原酒の品質の高さ」や「ブレンド技術」が認められ、世界的な酒類品評会で最高賞を連続受賞するまでに至ったサントリーの努力には感服させられますね。

 

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