はじめに…

ワインと聞いて真っ先にイメージする産地はフランスだと思いますが、同じフランス産のワインでも産地によっては、味わいや香り、また歴史的背景なども含めて全然違うことご存知ですか?例えば日本にも47都道府県があって、その各地方で気候・風土の違いがありますよね。そんなフランス産ワインの有名な2大生産地としてボルドー地方とブルゴーニュ地方がありますが、この両産地の造り出すワインってどう違うのでしょうか?

両産地の違いを簡単に言うなれば、「葡萄の種類が違う」これに尽きるわけですが、こんな一言では片付けられないくらい掘り下げると結構面白い知識だったりします。ワイン通に少し近づけるかもしれない、知っておくとワイン選びのとき得するボルドーとブルゴーニュワインの違いを比較してみました。

味わいの違い

ブルゴーニュ地方のワインは、赤ワイン・白ワインに限らず、ミネラルが豊富です。熟成させる期間は比較的早くから楽しめるものが多いですが、上級のものは長く熟成させることによって、更なる魅力を引き出します。

ボルドー地方では、赤ワインは酸やタンニンが豊富、一方白ワインは貴腐ワインが有名で、甘口ワインを得意とします。熟成期間はブルゴーニュ地方と同じように早くから楽しめるものも多くなっていますが、上級クラスの赤ワイン・貴腐ワインは、やはり長期熟成させた方が旨味は増すと言われています。

色あいと香りの違い

ブルゴーニュワインは鮮やかな赤色をしていますが、ボルドーワインは色が濃く、深紫といってもいい程の色合いです。グラスに入れると違いは顕著で、グラスを斜めにして透かして見れば両者の違いはすぐにわかるでしょう。

香りは使用しているブドウ品種に左右されるので、一概に型にはめることは出来ませんが、どちらも一級品となれば実に素晴らしい芳香を楽しませてくれます。それを前提とするなら、ブルゴーニュは一本の芯が通った香りで、ボルドーはかなり複雑で多層構造な香りがします。

ブドウ品種の違い

内陸に位置するブルゴーニュ地方は、夏は暑く冬は寒いのが特徴の大陸性気候であり、地質は石灰質が多く、赤ワイン用のピノ・ノワールの栽培に適しています。 また、シャブリではキンメリジャンというジュラ紀の化石が多く含まれている石灰質泥灰土壌が特徴で、シャルドネの育成に最適な土壌となっています。

ボルドー地方は比較的温暖な海洋性気候で、ガロンヌ川、ドルドーニュ川の両岸と、この2本の川が合流したジロンド川両岸に、ボルドー地方自慢のぶどう畑が広がっています。これらの川が何世紀にもわたって上流から運んできた土や石によって、ボルドーの地質は粘土質、砂質、砂利質、石灰質など、またそれらの混ざり合った地質になっており、土壌に合わせた、様々な品種のぶどうが育てられています。

歴史

両地方ともワイン作りがスタートしたのは2世紀頃ですが、パリから近いブルゴーニュ地方は中世の王侯貴族達に愛され、フランス国内でもワインの産地としての地位を築き上げてきました。ボルドー地方は、パリから遠いアキテーヌ地方に位置しており、1154年から約300年間はイギリス領だった為、イギリス国内においてはワインの産地と知られていましたが、その名声も地位もイギリス人達の評価によって築き上げられました。

単一品種とアッサンブラージュ

ブルゴーニュ地方の赤ワイン・白ワインは、一般的に単一品種のブドウからワインが造られます。ブルゴーニュのピノ・ノワールやシャルドネは、単独で複雑な香味を醸している代表的な品種ですね。ボルドー地方は赤ワイン・白ワイン共に、異なるブドウ品種からなるワインをアッサンブラージュ(ブレンド)して瓶詰めされます。

ボトル形状

ブルゴーニュワインのボトル形状は「なで肩」、ボルドーワインは「いかり肩」のボトルに入れられます。ブルゴーニュワインのピノ・ノワール系は澱が析出しにくいので、ボトルの優美さを追求して、ドレスをまとった貴婦人のような「なで肩」のボトルを採用しています。

一方ボルドーワインのカベルネ系は、ぶどうの皮や種子から出てくる“渋味成分”(タンニン)や酵母が沈殿して澱(おり)が出やすいため、「いかり肩」のボトルを使うと、肩の部分で澱が食い止められグラスに注がれるのを防いでくれます。

生産形態や生産量

ブルゴーニュ地方では丘陵の日当たりの良い斜面を選んでブドウ栽培が行われており、ブドウの栽培面積やワイン生産量は比較的小規模です。ボルドー地方は広大な川沿いの平地で、大規模なブドウ栽培が行われています。

またブルゴーニュ地方のドメーヌ(ブドウ栽培から瓶詰めまでを行う生産者)は、責任者が畑の作業から醸造までを一貫して行うのに対し、ボルドーのシャトー(ブドウ畑を所有する醸造所)では、ブドウ栽培チームと醸造チームのように、分業制で仕事を行っている違いもあります。ちなみにブルゴーニュワインの総生産量は、ボルドーワインの総生産量の約半分程度です。

格付け制度

ブルゴーニュワインは、ブドウを栽培する村ごと、あるいは畑ごとのテロワールを表現することが重視されます。ブルゴーニュ地方は複雑な地層を形成しているため、ワインのアペラシオン(原産地呼称)が畑単位にまで及んでおり、畑単位に格付けがなされています。

ボルドー地方は、ブドウ畑の所有者(つまりシャトー)に格付けがなされています。1オーナーが所有する畑の面積が広大であることと、複数のブドウ品種を栽培することなどから、ブドウ園単位で格付け管理されているのです。

ワインに合うグラス

今回はブルゴーニュワインとボルドーワインの違いを紹介しましたが、一概にフランス産ワインと言っても、特徴や味わいなど含めてかなり違うことをご理解頂けたと思います。相手のワインの好みが知りたい時は、渋めの濃いワインが好きか、それともフルーティで軽やかなワインが好きか尋ねてみましょう。渋めが好きと言われたら、オススメはボルドーワイン。カベルネ・ソーヴィニヨンやメルロというぶどう品種を使った赤ワインが渋めで良いと思います。

またフルーティが好きと言われた時はブルゴーニュワインがオススメですね。ピノ・ノワールというぶどう品種を使った赤ワインは、フルーティで軽やかなワインに仕上がっています。知り合いと一緒にワインを嗜む時、さりげなく相手の好みのワインをグラスに注いであげましょう。「この人ワインのチョイスが上手、さてはワイン通!?」と好感度もアップするかもしれませんね。

おわりに…

今回はブルゴーニュワインとボルドーワインの違いを紹介しましたが、一概にフランス産ワインと言っても、特徴や味わいなど含めてかなり違うことをご理解頂けたと思います。相手のワインの好みが知りたい時は、渋めの濃いワインが好きか、それともフルーティで軽やかなワインが好きか尋ねてみましょう。渋めが好きと言われたら、オススメはボルドーワイン。カベルネ・ソーヴィニヨンやメルロというぶどう品種を使った赤ワインが渋めで良いと思います。

またフルーティが好きと言われた時はブルゴーニュワインがオススメですね。ピノ・ノワールというぶどう品種を使った赤ワインは、フルーティで軽やかなワインに仕上がっています。知り合いと一緒にワインを嗜む時、さりげなく相手の好みのワインをグラスに注いであげましょう。「この人ワインのチョイスが上手、さてはワイン通!?」と好感度もアップするかもしれませんね。