ブランデーの特級

ブランデーの特級"XO・VO・VSOPってどう違う?"

17~18世紀、卓越した航海技術を持つオランダ人が、庶民のお酒だったブランデーをイギリスに売り込んだのがきっかけで世界に普及したブランデー。小難しい印象を持つ方もいるかもしれませんが、実際ブランデーってそこまで小難しくないんです。

2016.07.14

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17~18世紀、卓越した航海技術を持つオランダ人が、庶民のお酒だったブランデーをイギリスに売り込んだのがきっかけで世界に普及したブランデー。

 

06画像:(C)fotolia.com

 

それ以降今日まですっかり高級なお酒として定着したブランデーですが、なんとなく敷居が高く感じてしまう要因に、ブランデーに格付けされている等級の存在が、小難しくしている印象を受けます。

 

しかし実際ブランデーってそこまで小難しくないんです。歴史的背景とポイントさえ押さえておけば意外とわかりやすい、ブランデーの等級について、今回はわかりやすく紹介したいと思います。

 

■ブランデーの歴史


 

04画像:(C)fotolia.com

 

7、8世紀ころより、スペインではワインの蒸留がなされていました。その後フランスのアルマニャック地方や、コニャック地方で本格的にブランデーの生産が始まり、この地方のブランデーは現在では世界的に知られているものとなっています。

 

1713年にはルイ14世の加護の元、フランス国内におけるブランデーを保護する法律が設けられ、それによってヨーロッパ各国の宮廷にも普及し、「王侯の酒」の地位を揺るぎないものにしたのです。

 

ブランデーはワインと同じブドウから作り出されるため、ワイン王国でもあるフランスがブランデーの生産国としても有名ですが、その他のいずれのワインの生産国も、ブランデーを生産しています。

 

■コニャックとアルマニャック


 

00画像:taspy.jp

 

「ブランデーと言えば、コニャック!」と言われるくらい一般的な知名度が高く、ある意味高級ブランデーの代名詞となっていますが、この名称の使用には大変厳しい制約があります。

 

フランスでは「コニャック」、「アルマニャック」という名称の使用は1901年以降、フランスの農業製品、ワイン、チーズ、バターなどに対して、製造過程及び最終的な品質評価の、特定の条件を満たした物のみに付与される品質保証(アペラシオン・ドリジーヌ・コントロレ)によって、法律で厳しく制限されています。

 

その条件に該当しないブランデーは、たとえフランス産であってもコニャックやアルマニャックとは名乗れないため、フレンチブランデーとしか名乗ることができないのです。主なブランドとしてはカミュ、レミーマルタン、ヘネシー、マーテル、オタールなどが有名であり、日本国内で製造しているメ-カ-としては、サントリーやニッカウヰスキーなどがありますね。

 

◼︎さらに詳しく…


 

08画像:(C)fotolia.com

 

コニャック (Cognac) は、フランスのコニャック周辺で産出されるブランデーであり、原料葡萄には主にユニブランが用いられます。伝統的な銅製のポットスチルを用いた単式蒸留を2回行って得られた、アルコール度数70%程度の精留分を、フランス国内産のオークの樽で2年以上熟成し、水で度数40%に希釈して初めて製品となるのです。

 

品質が良いことで知られ、同国のアルマニャックとともに高級ブランデーとされています。一方、アルマニャック (Armagnac)は、フランス南西部、アルマニャック地方で醸造されるブランデーであり、コニャックと肩を並べる、フレンチブランデーの二大銘酒の一つでもあります。

 

生産地であるアルマニャック地方は、ガスコーニュ地方の中央に位置し、土の質によって、「バ・アルマニャック」 「アルマニャック・テナレーズ」 「オー・アルマニャック」のの3つの産地に区分されています。中でも「バ・アルマニャック」は西部に位置し、酸性の強い粘土砂質の土壌であり、フルーティな味が特徴的で、一般的には、このバ・アルマニャック産のアルマニャックが最も高級とされています。

 

■ブランデーの等級


 

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ブランデーにはコニャックとアルマニャックと、2種類あることはわかって頂けたと思いますが、ブランデーの等級については以下のようになっています。熟成期間の短い方からコニャックとアルマニヤックそれぞれ並べてみます。

 

□コニャック


 

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☆☆☆☆☆☆☆☆:トロワゼトワール

☆☆☆☆☆☆☆:V.O

☆☆☆☆☆☆:V.S.O.P

☆☆☆☆☆:レゼルヴ 

☆☆☆☆:ナポレオン 

☆☆☆:ヴィエイユ・レゼルヴ 

☆☆:X.O 

☆:エクストラ

 

□アルマニャック


 

11画像:(C)fotolia.com

 

☆☆☆☆☆☆☆☆:トロワゼトワール

☆☆☆☆☆☆☆:V.O 

☆☆☆☆☆☆:V.S.O.P

 ☆☆☆☆☆:レゼルヴ 

☆☆☆☆:オル・ダージュ

☆☆☆:ナポレオン

☆☆:ヴィエイユ・レゼルヴ

☆:エクストラ

 

これらが法律で決められた熟成表示で、それ以外の熟成表示は、各社が勝手に付けているランクのようなものなんですね。

 

■なぜ等級にナポレオンがあるのか


 

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ブランデーの等級に、なぜナポレオンの名前がつけられるようになったのか?等級の中で一つだけ人物名だなんて、かなり不思議ですよね。今でこそ「ナポレオン」というのは、ブランデーの等級を表すものということは、広く知れ渡るようになりましたが、一昔前は、「ナポレオン」というのは銘柄だと思いこんでいた人が多かったと思います。

 

ナポレオンクラスのブランデー、XOクラス、エクストラクラスはコニャック・アルマニャックの場合、蒸留後最低でも7年を経た原酒を使用したもののみ表示出来る、ちょっと特別な名称であり、最高級のブランデーに与えられる称号です。そもそもナポレオンが等級になった由来は、1811年フランス皇帝ナポレオンに男の子が生まれた年まで遡ります。

 

ナポレオンは男の子が欲しくてたまらなかったので、大喜びでした。この年、ヨーロッパの空に彗星が現れまして、彗星は不吉な予感と思われていたので、当時の人々は恐れおののいたのですが、しかし不思議なことに、昔から彗星があらわれた年は、ブドウが豊作になる年でもあったのです。

 

1811年もまた例外でなく空前の豊作であり、その年つくられたブランデーを、ナポレオン・ブランデーと称して人々は絶賛するようになり、それ以来、ナポレオンという名前の等級が使われるようになったのです。

 

◼︎まとめ


 

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いかがでしたか?このようにしてブランデーの格付けは、生産地と熟成表示で成り立っていると考えると、少しはわかりやすいと思います。

 

ブランデーは高級品と思われがちですが、V.S.O.Pクラスはコストパフォーマンスも良く、ブランデーとして美味しく楽しめるものが多いので、時々自分へのご褒美として嗜んでみるのも良いのではないでしょうか。

 

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