リースリングとは

甘みと酸味がバランスよく融合した白ワイン、リースリング。

日本酒の大吟醸思わせるような芳醇な香り、サラリとした口当たりが特徴的で、最近では夏に飲みたい白ワインとして人気が出てきましたね。

しかし一口にリースリングといっても、その数は膨大なので、家飲み用に購入しようと思ってもなかなか選ぶのが難しい!

そこで今回は、リースリングの基礎知識と、オススメリースリングを紹介したいと思います。

リースリングの主な産地

リースリングに使われるブドウは、ドイツを原産とする白ブドウ品種で、主に寒冷地で栽培されます。

ブドウの原産地でもあることから、ドイツはリースリング大国!

世界栽培面積の60%を占めており、ドイツの土地柄、涼しく寒暖差のある好条件の気候によって、非常に高品質なリースリングが造られています。

しかしワイン大国フランスも、リースリングを造っていないわけではありません。フランス唯一のリースリング産地がアルザス地方で、この地方が造るリースリングは味わいともに多様な要素を持ったワインが多く、世界的にも評価が高いです。

スパイス香があり、ドイツよりもコクがあるのがアルザスワインの特徴と言えるでしょう。

代表的な栽培国は、上記で紹介したようにドイツとフランスのアルザス地方になりますが、近年はオーストリア、イタリア(北部)、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドでも良質のワインが作られています。

アルザス地方の造り手


(画像出典:http://www.tabikobo.com/winter/alsace/)
アルザスならば、ジョスメイヤー、ポットゲイル、ヒューゲル、ヴァインバック、マルセル・ダイスなど良い作り手です。

心地良い酸味に果実の甘みがあり、とてもバランスがよいと思います。グランクリュを飲めば、その味わいの複雑さ、ボディのふくよかさに驚かれれることと思います。

ドイツにおけるリースリング

ドイツについては複雑で、まず、モーゼルやラインガウなどの地区があって、糖度によって6種の銘柄に分類されています。

Kabinett カビネット

最も糖度が低く軽めの種類です。(参考ワイン:GWF・フランケン・シルヴァーナ・カビネット)

Spatlese シュペ-トレ-ゼ

遅摘みのワイン。収穫を遅らせるので、糖度のみならず、味、香りに奥行きがあり、風味と濃度が一段と高いのが特徴です。(参考ワイン:ピーロート ブルー シュペートレーゼ)

Auslese アウスレ-ゼ

よく熟した房のみを選んで収穫したもので、甘口の比率が高いワイン。スイート風味ですので甘みが特徴です。(参考ワイン:ボーデンハイマー クロイツベルク オルテガ トロッケン•ベーレン•アウスレーゼ)

Eiswein アイスヴァイン

極端に収穫時期を遅らせ、厳寒日の訪れとともに凍りついたブドウを収穫し、そのままの状態でつくられたワイン。(参考ワイン:ドールミューレ・ピノ・ノアール・アイスヴァイン)

極端に収穫時期を遅らせ、厳寒日の訪れとともに凍りついたブドウを収穫し、そのままの状態でつくられたワイン。

Trockenbeerenauslese トロッケンベ-レンアウスレ-ゼ

貴腐菌の働きにより、干しブドウ状になった粒を丁寧に集めてつくられる最上級の極甘口ワインです。(参考ワイン:アンセルマン シルヴァーナー トロッケンベーレンアウスレーゼ )

uBeerenauslese ベーレンアウスレーゼ

貴腐菌の多くついたものを収穫したもので、甘口になるのが特徴です。

リースリングを楽しむ第一歩

これら糖度の肩書きと、さらにグランクリュなど畑名もくっついてくるというのですから、ドイツのワインは素人には本当に難しいですね。

リースリング初心者であれば、アウスレーゼやトロッケン・ベーレン・アウスレーゼから初めてみてください。

酸が強いのでベタ付かず、さらっとした甘さに、複雑な香りと味わい、余韻の長さはまさに甘美と言えるでしょう。

夏の夜に合う、オススメリースリング厳選3選

ピースポーター ミヒェルスベルク リースリング

■色/白
■味わい/やや甘口
■産地/ドイツ モーゼル・ザール・ルーヴァ (Germany)
■等級/カビネット
■ぶどう品種/リースリング
■生産者/ゲブリューダー・シュテッフェン

筆者一押しの、ピースポーターのリースリング!

ピースポーターとは、ドイツのピースポート村で造られるワインですが、こちらのピースポーターワインは、酸味の中にもフルーティーさが広がるのが特徴です。

そのフルーティーな香りに包まれたとやさしい甘味が感じられ、ミネラル豊富で、とても飲みやすいまとまりのあるワインですので、初心者には入りやすい白ワインだと思います。

筆者もこの白ワインで、リースリングの虜になりました。ワインだけで飲むのもokだし、もちろん軽食や和食などともバッチリ合いますよ。

シュタインベルガー・リースリング カビネット

■色/白
■味わい/やや甘口
■産地/ドイツ ラインガウ (Germany)
■等級/カビネット
■ぶどう品種/リースリング
■生産者 ラインガウ 州営醸造所

歴史上有名なビスマルクが愛した銘柄で、全ドイツでも最も有名なワインの一つです。
骨格がある太めの酸と上品な甘味のバランスが絶妙で、ブドウの濃密な味わいが楽しめるでしょう。

ヒューゲル・アルザス・リースリング

■色/白
■味わい/辛口
■産地/フランス アルザス地方
■格付け/AOC:ALSACE
■ぶどう品種/リースリング
■生産者/HUGEL&FILS

フランスのアルザス地方から、超有名なリースリングを紹介します。アルザスと言えば、ヒューゲルと言われているくらい有名で、ドイツのリースリングが甘口ならば、アルザスは辛口です。

美しいボトルの外観、マスカットを思わせる芳醇な香り、フルーティでコクのあるバランスの取れた味わいで、リースリングファンを虜にしています。

最後に

ドイツから2選、フランスから1選紹介しましたが、ドイツのブドウ品種の特徴として、酸が強いことで、りんご、桃、洋梨などのフルーティな香りに加えて蜂蜜などの甘やかさ、リースリング特有の石油のような香りもあります。

またミネラルが非常に強く、爽やかでドライ、軽くて辛口のものは食前酒として適しています。

フレッシュな日常用から重厚な辛口、そして貴腐ワインやアイスワインなど、高貴な甘口に至るまで、多彩な味わいが楽しめるのがリースリングの最大の魅力ではないでしょうか。

それでは難しいお話はここまでにします。あとは御自身で直接ワイナリーや、大型お酒スーパー、地元の酒屋さんなどに足を運び、実際に悩んで選んで口にして、知識と経験をドンドン高めてくださいね。

自分の知りうる知識を元に、「どんなワインを飲もうかな~、この産地はどんな味かな~」なんて想像しながら飲みたいワインを選ぶのは、とても胸が高鳴ります。

貴方にとってワインとの出会いが、とても幸せな時間をもたらしてくれることでしょう。