IWCとは

IWCとは、毎年イギリス・ロンドンで開催される世界最大規模、最高峰とされる酒類のコンペティション「International Wine Challenge(インターナショナル ワイン チャレンジ)」を指し、1984年から毎年開催されています。

審査員の「クオリティ」の高さ、審査の「公平性」、今日までの「歩み・歴史」などが、高く国際的評価を得ており、これ故「最高峰」「最高権威」と称されています。

審査員の「クオリティ」


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各国から招聘されるテイスティング審査員を取り仕切るのは、酒類に関する資格として世界最難関、地球上最も取得が難しいとされる「マスター・オブ・ワイン(MW)」の称号を手にした方々です。

この資格試験に合格した者はこの60年でたった320名程度というのですから、あまりの少なさにビックリですね!

審査の「公平性」


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現在ワイン部門と日本酒(SAKE)部門が設置されています。但し日本酒部門は最初から設置されていたわけではなく、2007年に創設されました。

今年が記念すべき10周年記念となったわけですが、このような名誉ある祭典に日本酒部門が設置されるなんて、世界における日本酒の人気の凄さが垣間見られます。

と少し話が脱線してしまいましたが、肝心なIWCは年2回開催され、毎年4月と11月に、1週間をかけてテイスティングを行います。

これは南半球、北半球にワイン生産地があることや、おおよそ半年間のぶどう生育期間の違い、熟成期間による時差までも考慮しているためです。

審査方法


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同一の国・地域毎、似たスタイルのワイン、日本酒毎に、ブラインド・テイスティングにより審査が行われます。

Wine部門では、世界中から約300名の審査員が招聘され、3回にわたり少なくとも10人の異なる審査員により審査された結果、メダル(金、銀、銅、推奨)獲得ワインが選ばれ、金メダル獲得ワインからさらにトロフィーが選ばれます。

まさに “お酒のオリンピック”と言われるわけですが、公式で審査方法を読むと、箇条書きで沢山のルールがあるわけですが、その中で一番気になったのがこの一文。

“毎日、審査終了後にアンケート記載が義務付けられる。同じグループの審査員全員について、テイスティング能力、コミュニケーション能力を記載する。そして上長にあたるパネル・チェアマンの評価も記載する。成績、印象の悪い者は次の審査に招聘される事はない。”

えっとつまり、IWCの審査員は選ばれし審査員のはずですが、その審査員すら日々審査される審査会ってことですよね。成績、印象の悪い審査員はクビですって…。

こんなに厳しい審査基準を確立している酒類コンペティション、他にあるでしょうか?!

しかも「審査員に任命されても一切のギャランティ(報酬)はない。往復の飛行機代、滞在期間中の宿泊費、食費、全て実費となる。」と有りますから、実費で現地に向かって報酬なしの、成績が悪い場合はそのまま御帰り下さいとなるわけです。

それでも任命された人は喜んでこのオファーに応える程、とても名誉な任命といえるでしょう。

今日までの「歩み・歴史」


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1984年から毎年開催されている、まさに「お酒のオリンピック」として知られているIWCですが、日本での認知度はまだまだです。しかし近年では少しずつその知名度も増してきており、ワイナリー関係者や蔵元、製造などに関わる方々からは高い評価を得るまでに至りました。

「伊勢志摩サミット」における各国大統領、首相へのお土産の品も、過去の大会で受賞した「IWC Champion SAKE」の中から選ばれるなど、IWCの位置づけが日本国内においても、認められたコンペティションとなっていることが伺えます。

歴代の受賞酒も含め、IWCに選ばれたお酒は、他メーカーとの癒着や柵など一切ない、正真正銘の世界基準で美味しいと認められた日本酒であることから、外務省でも積極的に採用され、全世界の在外公館のレセプションなどで使用されています。

IWC2016の受賞酒


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IWCのSAKE審査会は2016年5月16日、設立10周年を記念して、審査会場をワイン部門のロンドンから日本の兵庫県へと移しました。

「なぜ兵庫?」と御思いかもしれませんが、兵庫が審査会場に選ばれた理由は、実は全国の日本酒の1/3を生産する「灘」を擁すること、そして酒造好適米で最高とされる「山田錦」の生誕地であり、山田錦の誕生80周年と重なったことから、「地方創生」を掲げて、開催地誘致に全力を挙げたのが兵庫県だったわけです。

IWC2016日本酒部門への出品数は、346社(海外4社)の1282銘柄(海外7銘柄)。

14ヶ国から集まった審査員総勢57名によって、ワイン部門と同じく厳密に審査され、1282銘柄のうちGold Medal受賞数はわずか59のみですが、さらにその中で、栄光あるIWCの頂点ともいえる世界最高峰Champion SAKEに輝いたのは、山形県が誇る出羽桜酒造の「純米酒出羽桜出羽の里」でした!

出羽桜酒造のお酒が「チャンピオン SAKE」に選ばれるのは なんと2 度目とのことで、同じ蔵元が2度も選ばれるのは、IWC設立以降の快挙とのこと。本当に凄いよ、出羽桜酒造!

まとめ


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このような世界最大級の祭典IWCの認知が、まだまだ浸透していない日本ですが、今回の紹介で少しでも多くの人がIWC受賞酒の凄さというものを感じてもらえたらいいな~と思います。

次にお酒を購入するときは、IWC受賞酒も是非参考にしてみて下さいね。