はじめに

ワイン銘醸地、フランス。数多くの国でワインは生産されていますが、本家本元のフランスワインは未だ絶大な支持を得ており、高級ワイン産地としても常に王道を走り続けています。

さて、そんなフランスなのですが、有名な産地といえばボルドーとブルゴーニュです。

ボルドーの場合、1~5級に格付された階級制度が存在するため、多くのワインファンはそれを頼りにワインを選んでいます。

しかし、ブルゴーニュの場合は格付制度が非常に細かく、ある程度知識を付けないと何がなんだかわからない…という方もいるのです。

ブルゴーニュのワインを極めるためには、まずグランクリュから覚えていく必要があります。

そして、そのグランクリュのなかでも最も重要な場所、「ヴォーヌロマネ村」のグランクリュを網羅しましょう。ヴォーヌロマネ村を知れば、ブルゴーニュワインの骨格を知ることができるはずです。

ヴォーヌロマネ村とは?


(出典:Gosiway

まず、ヴォーヌロマネ村とは一体何なのかを確認しましょう。ブルゴーニュの高級ワイン産地である、コートドドールのコートドニュイに位置する、小さな村がヴォーヌロマネです。

AOCヴォーヌロマネを名乗る場合ですが、実はフラジェエシェゾー村で造られるワインも名乗ることができます。


(出典:Claude-Olivier Marti)
フラジェエシェゾーも素晴らしいワインを生産する産地ですが、厳密にいうとヴォーヌロマネ村とは別の村ということになります。

ヴォーヌロマネ村は、人口がおよそ400人程度でありながらも、世界中から観光客やワイン関係者が訪れる名地として知られています。

このヴォーヌロマネ村には、6つのグランクリュがあり、その畑で生産されるワインが伝説のワインとなり市場に出回ります。

ヴォーヌロマネのグランクリュとは

ヴォーヌロマネのグランクリュと聞けば、非常に高級なワインであることは分かります。とはいえ、ブルゴーニュにおけるグランクリュとは何なのでしょうか。ロマネコンティを例を出しましょう。

例えば、ブルゴーニュ地方で限定的に指定されていないピノノワールを使ったワインは地方名を名乗る、AOCブルゴーニュとなります。

そして、その指定範囲がより狭くなると地区を名乗るAOCオートコートドニュイ、さらに村名を名乗るAOCヴォーヌロマネ、一級畑を名乗る、AOCプルミエ・クリュ オー・マルコンソールとなっていきます。

そして、最後は最高級畑で栽培されたブドウだけを使った、AOCグランクリュロマネコンティとなります。

つまり、ブルゴーニュの場合、使われているブドウ栽培地の範囲が狭いほどヒエラルキーが上となります。もちろん、その畑がグランクリュに指定されていることが条件です。

【ロマネコンティ】

では、ここからヴォーヌロマネ村のグランクリュを網羅していきましょう。

まずは、ロマネコンティ。畑は標高260~270メートルの場所に位置しており、ジュラ紀のプレモーの石灰岩を基盤に、表土は茶色の石灰岩で粘土質が強めの土壌です。

ロマネコンティの畑でワインを造るDRC社のワインこそあの『ロマネコンティ』であり、価格は1本100万円をゆうに超える超高級ワインとなります。

ブドウは全てビオディナミ農法で栽培されており、徹底された管理がなされています。

【ラターシュ】

2015年、世界最高値をたたき出したワインが、アンリジャイエのリシュブールです。取引額は1本で191万円といわれており、まさに液体の宝石です。

リシュブールは、標高260~290メートルの場所に位置する畑であり、ジュラ紀のプレモーの固い石灰岩が基盤の土壌となっています。

ロマネコンティのワインに比べると、非常にリッチであるところが特徴でしょう。リシュブールは8haほどの畑で、DRC社をはじめとしたいくつかの生産者たちによって分割使用されています。

【ロマネ・サン・ヴィヴァン】

ロマネ・サン・ヴィヴァンは、DRC社が半分以上を占有するグランクリュです。畑は5.29haほどであり、ジュラ紀のプレモーの石灰岩が土壌の基盤となっています。

表土は粘土質の茶色の石灰岩で90センチメートルとなっており、あのロマネコンティより深い土壌ということで知られています。

ロマネ・サン・ヴィヴァンの畑の特徴は、ややほかのグランクリュによりも飲み頃を迎えるが早めであることです。とはいえ、軽やかさの中に力強さも兼ね備えている素晴らしいワインを生み出すので、一度は飲んでおきたいグランクリュです。

【ラ・グランド・リュ】

ラ・グランド・リュは、1.8haという小さな規模のグランクリュです。畑は標高 250~310mほどのところにあり、東と南東向きの斜面でピノノワールが栽培されています。

はや飲みタイプではなく、どちらかという熟成向きのワインができあがることで知られています。

最低でも、10年は寝かしたいと言われており、ほかのグランクリュよりもやや価格も低めなのでファンが多い畑となっています。

【ラ・ロマネ】

ここまで、ヴォーヌロマネの名だたるグランクリュを簡単に紹介してきました。どのワインも高額取引されているワインであり、その価格を裏切らない最高の味わいを楽しむことができます。

ちなみに、冒頭でエシェゾー村もヴォーヌロマネ村を名乗れるとお伝えしましたが、エシェゾー村のグランクリュも確認しておきましょう。

エシェゾー村のグランクリュは2つあります。

まず、エシェゾーですが13世紀にシトー会修道院が開墾したオルヴァー渓谷の出口に当たり、標高は約300mほどの場所にある畑です。

砂礫や赤泥土、泥灰岩などが交じる複雑な土壌となっており、ここでも素晴らしいワインが造られています。

そして、あとひとつのグランクリュが、グラン・エシェゾーです。標高は255~260メートルの位置、土壌は比較的一様、バジョシアン期の石灰岩を基盤に、粘土・石灰質の表土です。

石灰質が多く含まれる土壌であるゆえに、エシェゾーとはまた一風変わった軽やかな味わいを楽しめます。

【そのほかのグランクリュ】

ここまで、ヴォーヌロマネの名だたるグランクリュを簡単に紹介してきました。どのワインも高額取引されているワインであり、その価格を裏切らない最高の味わいを楽しむことができます。

ちなみに、冒頭でエシェゾー村もヴォーヌロマネ村を名乗れるとお伝えしましたが、エシェゾー村のグランクリュも確認しておきましょう。

エシェゾー村のグランクリュは2つあります。

まず、エシェゾーですが13世紀にシトー会修道院が開墾したオルヴァー渓谷の出口に当たり、標高は約300mほどの場所にある畑です。

砂礫や赤泥土、泥灰岩などが交じる複雑な土壌となっており、ここでも素晴らしいワインが造られています。

そして、あとひとつのグランクリュが、グラン・エシェゾーです。標高は255~260メートルの位置、土壌は比較的一様、バジョシアン期の石灰岩を基盤に、粘土・石灰質の表土です。

石灰質が多く含まれる土壌であるゆえに、エシェゾーとはまた一風変わった軽やかな味わいを楽しめます。

まとめ


(出典:Brendan DeBrincat)
ヴォーヌロマネが有するグランクリュでは、数多くの名品が生まれています。なかなか口にする機会は無いかもしれませんが、ワイン好きであれば必ず一度は飲んでおきたいワインばかりです。

ヴォーヌロマネをキッカケに、ブルゴーニュ地方のグランクリュを学んでみてはいかがでしょうか。

一度入ったら抜け出すことができない、ワインの魅力に引き込まれるはずですよ。