竹鶴はニッカウヰスキーを代表する日本のピュアモルトウイスキーで、北海道・余市蒸溜所と宮城峡蒸溜所の2つの原酒をヴァッティングして造られる銘柄です。創業者・竹鶴政孝の名を冠したこのウイスキーの歴史・味わい・種類・受賞歴まで詳しく解説します。

  • 竹鶴の誕生背景と余市×宮城峡ヴァッティングの仕組み
  • 日本ウイスキーの父・竹鶴政孝の生涯と功績
  • ISC・WWAでの国際受賞実績
  • 竹鶴ピュアモルト・17年・21年・25年のラインナップと価格帯
  • 竹鶴の買取価値と手放す前に確認したいポイント

 

竹鶴とは|余市×宮城峡が生む日本のピュアモルトウイスキー

ニッカウヰスキーの竹鶴ウイスキーボトルイメージ

竹鶴はニッカウヰスキーの余市・宮城峡と並んで愛飲者に愛されるウイスキーです。

創業者の苗字が使われているため長い歴史を持つ印象を受けますが、誕生したのは2000年と日本のウイスキーの中では比較的新しい銘柄です。

2000年誕生・業務用市場向けに開発されたヴァッティングウイスキー

竹鶴ウイスキー誕生の歴史イメージ

竹鶴は1990年代後半に飲食店・ホテル向けの業務用市場を狙って開発が始まり、北海道・余市蒸溜所の原酒と宮城峡蒸溜所の原酒をニッカウヰスキー独自の比率でヴァッティングするという手法によって、2000年に誕生した日本のピュアモルトウイスキーです。

開発当時の業務用市場ではサントリーが低価格帯の「オールド」と高価格帯の「山崎」で大きなシェアを持っていました。ニッカウヰスキーが掲げた方針は「ブレンデッドウイスキーのように飲みやすいピュアモルトウイスキー」でした。

ヴァッティングとは複数のシングルモルトウイスキーを桶に入れて混ぜ合わせる手法で、余市の力強いモルト原酒と宮城峡のなめらかな原酒を掛け合わせることで、まろやかな口当たりとすっきりした後味、そして素晴らしい余韻を持つウイスキーが完成しました。

樽熟成による深みと飲みやすさを両立した「竹鶴12年」として販売を開始すると、業務用市場でサントリーのシェアを次々に奪う快進撃を果たしました。

竹鶴政孝とは|日本ウイスキーの父・創業者の生涯と功績

竹鶴政孝と日本ウイスキーの歴史イメージ

竹鶴ウイスキーのブランド名の由来となった竹鶴政孝は「日本ウイスキーの父」と称される人物で、日本のウイスキー産業の礎を築いた偉人です。

スコットランドへの単身留学と日本へのウイスキー製法導入

竹鶴政孝は1894年に広島県の造り酒屋に生まれ、大阪の摂津酒造に入社後ウイスキー製造の研究を志しました。1918年に単身でスコットランドへ渡り、ロングモーン蒸溜所などでウイスキー製造の技術を習得します。

現地では後に妻となるリタ・コワンと出会い、2年後に帰国しました。帰国後に詳細なウイスキー製造ノートを残した竹鶴の経験は、摂津酒造・その後のサントリー(当時の寿屋)が山崎蒸溜所を設立する際の技術的な礎となりました。日本にスコットランドのウイスキー製法を初めて本格的に導入したパイオニアとして、竹鶴政孝の名は日本ウイスキーの歴史に刻まれています。

ニッカウヰスキー創業(1934年)と余市蒸溜所の設立

竹鶴政孝は1934年に北海道余市に「大日本果汁株式会社(後のニッカウヰスキー)」を設立し、スコットランドに似た冷涼な気候と豊かな水に恵まれた北海道の余市でウイスキー造りを始めるという自身の夢を実現しました。

余市を選んだ理由は気候・土壌・水質がスコットランドに近く、長期熟成に適した環境があると判断したからとされています。石炭直火蒸溜という伝統的な製法にこだわり続けた竹鶴政孝の哲学は、今日の余市蒸溜所にも受け継がれています。1952年には宮城峡に第2の蒸溜所を設立し、異なる個性を持つ2つの蒸溜所の原酒がニッカウヰスキーの多彩なラインナップを支える礎となりました。

NHK朝ドラ「マッサン」による竹鶴ウイスキーの人気爆発

NHK朝ドラ「マッサン」と竹鶴ウイスキー人気爆発イメージ

2014年9月から2015年3月にかけて放送されたNHK連続テレビ小説「マッサン」は、竹鶴政孝とリタ夫人の実話をモデルにしたドラマで、視聴率が平均20%を超えるヒット作となりました。

ドラマの影響でニッカウヰスキーの各銘柄が話題を集め、竹鶴の人気にも大きな拍車がかかりました。

一時は生産が追いつかないほどの需要が生じ、市場での流通量が一気に減少しました。竹鶴12年はすでに2013年に終売となりノンエイジへのリニューアルが行われていましたが、マッサン効果によって竹鶴シリーズ全体への注目度が一層高まりました。現在もドラマ放送終了後にもかかわらず、竹鶴はニッカウヰスキーを代表する銘柄として根強い人気を保ち続けています。

竹鶴の受賞歴|国際コンペで証明された世界品質

竹鶴ウイスキーの国際受賞歴イメージ

竹鶴が世界的な評価を確立する背景には、国際コンペティションでの輝かしい受賞歴があります。日本のウイスキーとして世界最高水準の品質を国際的に証明した実績が、竹鶴の価値をさらに高めています。

インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ(ISC)での受賞実績

インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ(ISC:International Spirits Challenge)はイギリスで毎年開催されるスピリッツ類の国際評価コンペティションで、世界中のウイスキー・ブランデー・ジン等が審査対象となります。

竹鶴17年・21年・25年などのエイジングウイスキーはISCにおいて複数回にわたって金賞をはじめとする高評価を受けており、国際的な審査員から日本の国産ウイスキーとして高い評価を得ていることが確認されています。ISCでの受賞実績はコレクターや愛好家からの竹鶴エイジングウイスキーへの需要を高める大きな要因のひとつとなっています。

ワールド・ウイスキー・アワード(WWA)での世界最高賞受賞

ワールド・ウイスキー・アワード(WWA:World Whisky Awards)において竹鶴17年・21年・25年が「ベスト・ジャパニーズ・ブレンデッドモルトウイスキー」部門で世界最高賞を受賞しており、日本のウイスキーが世界トップクラスの評価を受けた銘柄として国際的に広く認知されています。

WWAはウイスキー専門誌が主催する国際コンペティションで、世界中のウイスキーが産地・スタイル別に審査されます。日本のピュアモルトウイスキーがこの賞を受けたことは、竹鶴の品質が世界中から認められた証として多くのウイスキーファンに評価されています。受賞歴のある竹鶴エイジングウイスキーは市場価値も高い傾向にあります。

竹鶴の味わいと香りの特徴

竹鶴ウイスキーの味わいと香りのイメージ

フルーティな果実香と上品な甘酸っぱさ|初心者にも飲みやすい理由

竹鶴の香りはアルコールの刺激臭ではなく、品のある華やかな果実のアロマが特徴です。余市モルトの力強さと宮城峡モルトのなめらかさが融合することで、フルーティな口当たりと複雑な個性が両立しています。

一口含むと高級ウイスキーに匹敵する上品で繊細な甘酸っぱさが感じられ、後味は雑味がなく喉に引っかかる感覚がありません。余市蒸溜所が持つ軽いピート感と宮城峡の華やかなコクが重なりあい、樽熟成が与える深みある余韻が心地よく続きます。

ウイスキー初心者でも入りやすい飲みやすさがありながら、飲み慣れた方にも満足できる複雑な個性を持つ点が竹鶴の最大の魅力です。

竹鶴のラインナップ一覧(種類)

竹鶴ピュアモルト17年・21年・25年のボトルイメージ

竹鶴ピュアモルト(ノンエイジ)・17年・21年・25年の特徴と価格帯

竹鶴は2013年に竹鶴12年が終売となり、ノンエイジの竹鶴ピュアモルトへのリニューアルを経た後も、エイジングウイスキーのシリーズが継続して展開されています。各商品は数量限定の場合も多く、入手困難なものも存在します。

商品名 熟成年数 特徴 価格帯目安
竹鶴ピュアモルト(ノンエイジ) ノンエイジ バランスのとれた香りと飲みやすい口当たり・現行品 700ml:2,700〜3,000円前後
竹鶴12年ピュアモルト 12年熟成 2013年に終売・最初の竹鶴として親しまれた銘柄 終売(市場のみで流通)
竹鶴17年ピュアモルト 17年以上熟成 ISC・WWA受賞歴あり・複雑な香りと深みが際立つ 15,000〜20,000円前後
竹鶴21年ピュアモルト 21年以上熟成 WWA世界最高賞受賞・豊かな熟成感とまろやかな余韻 30,000〜50,000円前後
竹鶴25年ピュアモルト 25年以上熟成 ラインナップ最高峰・数量限定・WWA受賞歴あり 60,000円以上

価格は市場の需要・流通状況・ヴィンテージによって変動するため、詳細は各販売店でご確認ください。竹鶴12年は現在終売となっており、入手できる場合は市場価格が高くなる傾向があります。エイジングウイスキーは数量限定での販売がほとんどのため、見かけた際は早めの購入を検討することをおすすめします。

価値ある竹鶴の買取について

竹鶴ウイスキーの保管・買取イメージ

竹鶴17年・21年・25年などのエイジングウイスキーはISCやWWAでの受賞歴があり、国際的な評価の高さから買取市場でも安定した需要があります。特に終売・数量限定品は流通量が少ないため、未開封品は評価を受けやすい傾向があります。

高額買取につながる条件として、未開封であること・化粧箱などの付属品が揃っていること・ボトルやラベルに傷や汚れがなく保管状態が良好であることが挙げられます。受賞歴のある銘柄は市場価値が高まりやすいため、手元に竹鶴エイジングウイスキーがある場合は処分前に専門の買取業者への査定依頼を検討してみましょう。

 

まとめ|竹鶴の魅力と日本ウイスキーの最高峰

竹鶴ウイスキーのまとめイメージ

  • 竹鶴はニッカウヰスキーが2000年に発売した日本のピュアモルトウイスキーで、北海道・余市蒸溜所と宮城峡蒸溜所の原酒をヴァッティングして造られる飲みやすさと深みを兼ね備えた銘柄
  • 日本ウイスキーの父・竹鶴政孝がスコットランドで習得した製造技術を持ち帰り、1934年に余市蒸溜所を設立してニッカウヰスキーを創業したという歴史がブランドの礎となっている
  • ISC(インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ)・WWA(ワールド・ウイスキー・アワード)での金賞・世界最高賞受賞が証明する国際品質を持ち、竹鶴17年・21年・25年はコレクターからも高い評価を受けている
  • 2014〜2015年のNHK朝ドラ「マッサン」の放送で人気が爆発し、一時は生産が追いつかないほどの需要が生じた。竹鶴12年は2013年に終売となりノンエイジへのリニューアルが行われた
  • 竹鶴は竹鶴政孝の名を冠するにふさわしい、余市×宮城峡のヴァッティングが生む飲みやすさと複雑さを兼ね備えた日本ウイスキーの最高峰のひとつであり、入門用のピュアモルトから長期熟成の上位品まで幅広いラインナップで日本ウイスキーの奥深さを体験できます。