カバとは?

画像出典:Gabriel Flores Romero
カバはスペインで造られている瓶内二次発酵のワインです。カバの名前の由来は、「洞窟」や「地下蔵」を意味するカバであり、以前は洞窟内で製造されていました。基本的には、スペインのカタルーニャ地方のペネデスを中心に造られていますが、シャンパーニュのような地名のネーミングでは無いため、厳密にはスペインのどの産地で造られていてもカバと名乗ることは可能となります。
スペインでは、AOCにあたる原産地呼称制度はデノミナシオン・デ・オリヘンという、D.Oとなっており、カバ自体もD.Oに指定されています。ただし、前述したように、どこのブドウを使ったとしても大きな括りでカバと呼ばれているので、品質が掴みにくいことが問題でした。

今、カバは新しい進化を遂げ始めており、新たな制度ができましたが、後述します。カバは、カジュアルなスパークリングワインとして親しまれており、日本国内で消費されている安めのスパークリングワインの多くはカバとされています。
品種は自由に使うことができますが、基本的にはマカベオ、パレリャーダ、チャレッロとされています。比較的、カジュアルなイメージの強いカバですが、300近い生産者がおり、カジュアルな大手ワイナリーが造るカバや小規模生産者がこだわって造る高級カバなど、さまざまなカバがあることも押さえておきたいポイントのひとつです。
カバが生まれた歴史

スペインでカバが生まれたキッカケはフランスの侵攻にあるといわれています。この侵攻によってスペインは壊滅的な被害を受けますが、その後にカタルーニャ地方でフランス人がシャンパーニュ方式にてスパークリングワインを造りはじめます。
1851年頃に生まれたスパークリングワインが、カバの原型といわれており、フランスからもたらされた瓶内二次発酵の製法が今も続いていることが分かります。
サン・サドゥルニ・ダノイアが、カバのメインの生産地であり、スペインで造られているカバの殆どを占めています。
カバで使われている品種について

カバでは、比較的使える品種が多いことで知られていますが、決められているのは、チャレッロ、パレリャーダ、マカベオ、カベルネソーヴィニヨン、ガルナチャ、モナストレル、シャルドネ、ピノノワール、スビラなどです。
チャレッロ、パレリャーダ、マカベオという三つの品種が基本となりますが、それぞれに役割を持っており、これらのバランスを欠かすカバは良質なものと認められません。
華やかさ、酸味、渋みをしっかりと感じることができる、そういったカバが良質なカバであるといわれているのです。
カバの熟成期間

カバは、熟成期間がシャンパーニュよりもやや短いことで知られています。生産者によって熟成期間に違いがありますが、法律では最低熟成期間が定められています。最も一般的でカジュアルなカバは、法定最低熟成期間が9ヶ月とされているため殆どの生産者が9ヶ月以上は熟成を行っています。
また、レセルバの場合は法定最低熟成期間が最低でも3年は必要です。スパークリングワインを長期間熟成させる理由としては、シュールリー製法のようにアミノ酸がオリとなってワインの液体中に貯まり、旨味成分として全体に厚みがでるからです。

一方、カジュアルな味わいが目指されているカバの場合は、短期間の熟成でフレッシュでフルーティーな味わいとなります。瓶内二次発酵は手間がかかることと、炭酸が液体中に溶け込んでいることからも、失敗の確立が高いといわれています。
世界的にも、瓶内二次発酵を取り入れている生産者は案外多くなく、スプマンテのようなシャルマ式であったり、日本の多くのワインのようにガス注入タイプとなっています。それだけ、スペインはフランス人の考案した瓶内二次発酵の技術が体に染み込んでおり、上質でありながらも、カジュアルな価格でスパークリングワインを楽しんでいるのです。
変わりつつあるカバ

近年、カバは新しく生まれ変わろうとしていると話題です。その理由ですが、前述したようにカバは瓶内二次発酵であるのにも関わらず、比較的カジュアルな価格で手に入れることができるため、安いワインと思われている節があるからです。
高級カバを生産しているワイナリーもありますが、カバは世界的に安いワインと思われているために、なかなか高額カバが売れないということで、小規模生産者がカバの製造を辞めてしまう状況となってしまったとのことです。

また、瓶内二次発酵の技術は持っていることから、D.Oカバを名乗ることで売れなくなるのであれば、D.Oは名乗らないということで、カバでは無い独自のスパークリングワインとして生産する生産者も増加していました。
スペイン政府としては、D.Oカバの生産者が減って行くことを黙ってみているわけにはいかず、新しい区分を検討し、2016年収穫分から適用されることとなったのです。
カバの新しい制度とは?

カバの新しい制度は、畑名表示のカバです。ある、決められた区画だけのブドウを使い、さらには醸造法や法定醸造期間なども伸ばした高級カバのカテゴリーを造ったのです。
カバ・デ・パラへ・カリフォガードと呼ばれる新制度は、今までこだわりの高級カバを生産してきながらも、良い評価を得ることができなかった生産者たちの追い風的制度になると考えられています。
近年、ボルドーやブルゴーニュ、シャンパーニュのブドウが値上がりをしてしまったことや、投資目的でワインが扱われてしまい、異様な高騰を見せています。高級カバといっても、シャンパーニュに比べるととても安価であり、品質の割にとてもお買い得であることは変わりません。今、新しい時代がカバに訪れているのです。
まとめ


古物商許可証取得。酒類販売責任者。
株式会社ストックラボの鑑定責任者、真贋査定士、及び出張買取責任者。 複数の買取会社でウイスキー・ワイン・日本酒・焼酎・ブランデーなどの幅広いお酒の買取鑑定・査定を行ってきた鑑定士歴7年のエグゼクティブバイヤー。






