シャトーディケムとは?

シャトーディケムとは、フランスのソーテルヌ地区で育まれたブドウで醸造される世界三大貴腐ワインの1つです。いくつもの果実が織りなす複雑な味わいながら、くどさを感じさせない上品な甘み。軽やかでいつまでも鼻を近づけて楽しみたいほど、フルーティな香り。飲んだ後の余韻に不快感を感じさせず、優雅な一時を感じる余韻を楽しめることでしょう。

シャトーディケムはこれほどのワインを完成させるために、拘りを持ってブドウ作り、そして醸造を行っています。後程、なぜこの味わいを出せるのかを、1つ1つ解説していきます。

貴腐とは?

「貴腐ワインの貴腐って何?」貴腐ワインの貴腐とは「ボトリティス・シネレア菌」と呼ばれる菌が付着した、ブドウから製造されるワインを指します。ボトリティス・シネレア菌がブドウに、なんでも付着すれば良いわけではありません。もし感染すると、実だけでなく茎や葉、花に至るまでカビが発生し、最悪の場合は枯れることもあるのです。

シャトーディケムは、カビが発生しているようにみえますが、不要な水分が蒸発。実の中には凝縮された甘いエキスだけが残ります。したがってシャトーディケムにふさわしいブドウになるのです。

シャトーディケムの拘り①:完全に熟したブドウのみを収穫

シャトーディケムの拘りは、完全に熟したブドウのみ収穫して醸造することです。しかし、ただ熟せば良いわけではありません。シャトーディケムにふさわしい熟し方をしなければ収穫されませんし、中には排除されることもあります。収穫するのは熟練の積み手であり、6週間~8週間滞在しては最低でも4回畑をまわり、適したブドウのみを収穫していくのです。一見すると、1回で収穫せず何度も畑を回るため、効率が悪いように見えます。

ですが、この方法を採用することで誕生以来、シャトーディケムの味わいは保たれているのです。

シャトーディケムの拘り②:絶妙なバランスで育まれる貴腐ブドウ

シャトーディケムの上品な味わい且つ、くどくない甘みを持つのは、原材料のブドウがボトリティス・シネレア菌と上手くバランスを取っているからです。

シャトーディケムが育まれる環境は、菌にとって発生しやすい環境と言えます。夏場は快晴が続く環境以下であり、秋に入ると朝靄が発生。午後になると快晴へと変化します。そして、菌に必須の湿度もガロンヌ河・シロン河、なおかつ微風によって適度な湿気がブドウ畑に運ばれるのです。このように恵まれた環境下だからこそ、シャトーディケムにふさわしいブドウが収穫されるのです。

シャトーディケムの拘り③:良質なブドウが作られないと製造しない

最後に紹介するシャトーディケムの拘りは、満足のいくブドウがありませんと製造しないことです。大量生産を行うワインブランドであれば、万一契約農家のブドウが不作でも、他の農家や貯蔵しているブドウを用いてワインを製造することでしょう。

しかしシャトーディケムは、不作、または基準に満たないブドウばかり収穫されると、その年のワイン作りを中止するのです。1930年、1951~52年、1964年等、一切製造していない時がありました。満足のいくワイン造りのために、製造しないのもまた拘りと言えるでしょう。

シャトーディケムの買取ポイント①:付属品の確認

シャトーディケムを買取に出そうと検討しているなら、まず「付属品」を必ず用意しましょう。付属品、例えば購入した時にシャトーディケムが収納されていた箱。そして購入した時のレシートや購入証明書等があると更に良いです。

シャトーディケム単体でも買取不可ではありません。しかし、付属品があると買取価格が上昇し、単体よりも高価買取を狙えます。また、購入当時のレシートや証明書があると、いつ購入したものか、出所はどこか等を判断できるため、買取側にとってはあると嬉しい付属品です。

シャトーディケムの買取ポイント②:複数所有ならまとめて持ち込む

シャトーディケムの買取で、高価買取を狙うなら買取ごとに1本1本持ち込まず複数点で持ち込みましょう。というのも、複数点持ち込むことで買取側の時間や労力のコストがかからないため、浮いたコストを買取金額に還元できるのです。

もちろん、シャトーディケム複数ではなく、一緒に国内のお酒、またはインポートのお酒でもOKです。高価買取を狙うなら1本だけでなく、他のお酒含め複数持ち込むことをおすすめします。ただし、持ち込むお酒は未開封であり液漏れやボトルにひびが入っていない良好な物に限りますので注意しましょう。

シャトーディケムの買取ポイント③:保存状態

最後のポイントは、保存状態についてです。

買取店では、お酒を買い取る際に必ず状態を確認します。未開封であることは当然ですが、多少の目減りや澱、または外装の軽い汚れでも買取基準に満たせば買取可能です。しかし「買取基準以上の目減り」「ボトルのヒビ」「液漏れ」「開封品」等がありますと、買取できません。また著しい汚れやカビが入っている場合も、修復不可能と判断されてしまい不可能になるケースもあります。

そのため今後、売却する可能性が少しでもあるなら、保管する場所に気を付け良好な状態を保ちましょう。

まとめ

最後になりますが、シャトーディケムは味わい・香り・余韻。どれをとっても非の打ち所がないほど完璧なワインと言えます。しかし、そのワインを製造するまでに、100haのブドウ畑の中から積み手が手作業で分別。そして、万一基準を満たさなければ製造しないことまであります。

ですが、これらの拘りがなければ世界三大貴腐ワインと称されることはなかったでしょう。現在、シャトーディケムは人気ワインのため在庫が限られています。ですが、皆さんにはぜひ、シャトーディケムを入手して上品な味わいを堪能してみましょう。