ブルガリアワインはワインづくりに最適な国

ブルガリアは、ルーマニア、トルコ、ギリシャ、マケドニア、黒海に接するヨーロッパの南東に位置する国です。ワイン産地として優良な条件である温暖な気候であり、大陸性気候と地中海性気候の影響を受けています。

気候条件だけを見ると、コートデュローヌの北部に近く、ブドウ栽培条件に関しては恐らく日本の数倍良いといえます。黒褐色の粘土質の土壌が中心であり、力強くも繊細なワインを生み出します。区分けとしては、バルカン山脈の北側、南側といった感じになっており、北部は白ワイン、南部は赤ワインが有名です。

ブルガリアワインが有名になった理由

ブルガリア自体、自家消費用ワインに関しては、数千年前からつくられていたといわれています。しかし、国際的に注目されるようになったのは、ここ数十年の間です。1992年に民主化した後、国営のワイナリーが民営になったり、家族経営の小規模ワイナリーが増えたりと、高品質ワインづくりがスタートします。

2007年にEUに加盟した後、資金援助などさまざまな経済的な潤いにより、最新の醸造設備や有名コンサルタントなどが流入し、一気にワイン輸出量が増加しました。大量生産ワインだけではなく、高級ワインをつくるブティックワイナリーも出現しており、世界的にも、今ブルガリアが面白いといわれているのです。

ブルガリアのブドウは高品質?

ブルガリアは、北緯41~43度に位置した、やや冷涼な産地です。エ-ゲ海やアドリア海の影響が強く、酸が乗った上質なブドウが栽培されています。

ウンブリアなどのイタリア中部やプロヴァンス、スペイン北部などと同緯度ではあるのですが、温暖で乾燥した気候というよりは、ややひんやりとした風が吹く絶妙なテロワールであり、なんとこの緯度でありながらもピノノワールやシャルドネなど、冷涼な地域で高品質となるブドウもつくられています。繊細な味わいを生み出すことができる、そんなブドウ栽培がブルガリアでは可能なのです。

ブルガリアのワイン産地①

ここからは、ブルガリアのワイン産地について見ていきます。ブルガリアは、大きく分けて5つのワイン産地があるといわれています。まず、北部のドナウ河流沿い平原地域です。北部は大陸性気候であり、夏場は厳しい暑さとなります。

ただし、冬場の気温がマイナス20度近くにまで落ち込むため、瓶内二次発酵でスパークリングワインなどもつくられています。また、ストゥルマ・ヴァレ-地域ではカベルネソーヴィニヨンやメルローなどの国際品種がつくられており、フルボディの長期熟成タイプの赤ワインで有名です。

ブルガリアのワイン産地②

カジュアルなワインを多く生産することで有名なのが、バラ・ヴァレー地域です。年間降水量が約650mlという乾燥地帯であり、さまざまな品種が栽培されています。一部、マブルッドという土着品種から高品質ワインがつくられています。黒海沿岸地域は秋口の気候が温暖なため、半辛口白ワインづくりで有名です。

特にソーヴィニヨンブランの品質が高く、品種香を十分に出したフルーティーな白ワインがつくられています。辛口、甘口など、さまざまな種類の白ワインがつくられています。

ブルガリアのワイン産地③

ブルガリアワインの産地で外すことができない場所が、トラキア平野地域です。冬場の雨量が多いながらも、ブドウ栽培に大切な夏期は晴れが続くため、健全なブドウづくりができる数少ない場所として知られています。土着品種のマブルッドや、国際品種などから高品質なワインがつくられています。

乾燥地帯でありながらも、7月の平均気温が25度を超えないために、糖度が上がり過ぎず、酸を保ったバランスの良いブドウがつくられています。長期熟成にも耐えうる、素晴らしいワインが生まれるブルガリアの優良産地です。

ブルガリアのブドウ品種:赤

ブルガリアでは、国際品種も多くつくられていますが、土着品種も大切にされています。まず、黒ブドウではガムザ、マブルッドが有名です。特に、マブルッドは、スパイシーかつ果実味に溢れた、豊かな味わいの赤ワインを生み出すため重宝されています。

また、ガメイやマスカットベーリーAのような、酸味が少ない早飲み系ワインをつくることで知られるパミドという品種も人気です。さらに、ブルガリア国内で注目されているのは、シロカルメンシュカル・オザといった黒ブドウで、南西部のメルニクといった場所以外で栽培されていません。変幻自在にスタイルを変化させる、面白い品種として知られています。

ブルガリアのブドウ品種:白

ブルガリアは白ワインも良質なものが多くつくられています。リースニングなどとブレンドされることが多い、ミスケト・シェルヴァンという伝統品種はとくに有名であり、寒さに耐える強い品種として栽培農家から重宝されています。

また、ムスカト・オットネルといったマスカット系の品種も人気です。甲州種やデラウェアのように生食用も兼ねているため、独特の味わいが郷愁を誘います。また、珍しいところではブランデー用のユニ・ブランという白ブドウ品種も栽培されており、サッパリとした辛口の白ワインがつくられています。

ブルガリアで知っておくべきワイナリー

ブルガリアワインが優れている、ということが何となく理解できたと思います。では、早速ブルガリアワインを試してみようと思ったところで、どんなワイナリーを選べば良いか迷ってしまうところです。

ブルガリアワインで知っておくべきワイナリーは多くありますが、そのひとつが「カタルジーナ・エステイト」です。東ロドピ山脈にブドウ畑を有しており、ブドウ栽培に適した最高のテロワールで高品質なブドウがつくられています。古典的な製法を最新の醸造設備で行うことで、テクノロジックなワインではなく、あくまで個性的なブルガリアの土地の味わいを表現しています。一飲の価値ありです。

ラキアとは?

ブルガリアワインは、生産量の8割がなんと輸出用となっているといわれています。そのため、日本でも僅かではありますが、ブルガリアワインは入ってきており、今からどんどん注目されていくといわれています。フランスをはじめ、ニューワールドワインの有名産地の価格が高騰している今、市場では適正な価格で購入することができる、高品質なワインが求められています。

今後、必ずブルガリアワインに白羽の矢がたつため、今のうちにブルガリアワインに目をつけておき、多くの人たちに広めていきましょう。

ブルガリアワインに注目しておこう!

ブルガリアワインは、生産量の8割がなんと輸出用となっているといわれています。そのため、日本でも僅かではありますが、ブルガリアワインは入ってきており、今からどんどん注目されていくといわれています。フランスをはじめ、ニューワールドワインの有名産地の価格が高騰している今、市場では適正な価格で購入することができる、高品質なワインが求められています。

今後、必ずブルガリアワインに白羽の矢がたつため、今のうちにブルガリアワインに目をつけておき、多くの人たちに広めていきましょう。