ブランデーとウイスキーの違い

まず、ブランデーとウイスキーは何が違っているのか、ということを確認しておく必要があります。お酒の場合、製造されている産地でその名が変わってしまうことが多いですが、ブランデーとウイスキーに関しては全くの別物といって良いでしょう。

簡単に説明すると、ウイスキーは穀物などを原料にした醸造酒を蒸留して造られる蒸留酒で、ブランデーはワインを代表とした果実酒を蒸留して造られる蒸留酒のことです。そのため、ウイスキーに比べると、果実の香りがするフルーティーなタイプのお酒となります。

ブランデーの歴史

では、簡単にブランデーの歴史についてを見ていきましょう。ブランデーが誕生したのは、8世紀頃のスペインといわれています。しかし、15世頃にフランスのコニャックであったりアルマニャックという、今でいうブランド産地で盛んにブランデーが製造されるようになり、これが評判となります。

非常に良い出来であることから、1713年にはブランデー保護法をフランスが作り、王侯貴族の酒として愛されていったということです。基本的には、ワインを製造する国はブランデーを造りますが、フランスの場合は、後述する「コニャック」「アルマニャック」意外は、フレンチブランデーとしか名乗れません。

ブランデーの造られ方

ブランデーに使用されるワインは、殆どが白ワインです。糖度はあまり重視されることがなく、酸度が重視されているようです。ワインを専用の蒸留器で蒸留した後、樽熟成が行われます。ウイスキー同様に、蒸留仕立てのブランデーは非常に荒々しい味わいとなっているために、時間をかけて熟成させられます。

色合いも、当初は透明であったものが、徐々に色づいていくようになります。果実系の香りを大切にしている蒸留酒であるために、ウイスキーとはまた違った味わいが楽しめます。

基本となる符号とは?

ブランデーで覚えておいてもらいたいのが、熟成年数に合わせて符号が存在するという部分です。ブランデーのラベルを見ると分かりますが、星の数が違ったり、ネーミングが違ったりとさまざまな符号が用いられています。例えば、1つ星の場合は3~4年熟成されたものとなります。

一方、3つ星となると5~6年熟成となるのです。また、VOやVSOPという表記も見受けられるものがありますが、「very old 」の略称であり、VOが10年以上、VSOPが20~30年の熟成を経たブランデーとなります。中には、「ナポレオンクラス」というものがあり、70年熟成されたものまでもあるのです。

アルマニャックとは!?

ブランデーがどういったお酒であるのか、何となく分かったところで、次にアルマニャックについて見ていきましょう。まず、アルマニャックというのは、フランスボルドーの南側の南西地方辺りに位置する「アルマニャック地方」で造られるブランデーのことです。

ワインのAOCと一緒で、原産地呼称が守られており、アルマニャックを名乗る場合は、この地域で収穫されたブドウ、醸造されたワイン、そして蒸留された蒸留酒で無いと名乗ることができません。さらに、その品質の高さは地域によっても分けられています。

アルマニャックのブランド産地とは?

アルマニャックの中でも、特に高級品として扱われているのが、「バ・アルマニャック」という産地で造られたブランデーです。他にも、「アルマニャック・テナレーズ」、「オー・タルマニャック」という産地が存在していますが、「バ・ザルマニャック」は石灰質の土壌で砂上の土壌が広がる場所です。

前述したように、比較的糖度の高いブドウを収穫するというよりは、合わせて酸度も高めのバランスの穫れたブドウを収穫する必要があります。ブランデーには、ユニ・ブランという白ブドウ品種が多く使われていますが、この「バ・ザルマニャック」では最高品質のユニ・ブランが手に入るのです。

アルマニャックの醸造方法とは?

前述したように、ワインをはじめとした果実酒を蒸留して造られるのが、ブランデーです。ただし、アルマニャックの場合は法律で蒸留方法が定められています。ウイスキーや焼酎同様に、単式蒸留器や連続式蒸留器が使用されますが、アルマニャックの場合、この二つを使用するところが特徴的です。

さらに、大樽で熟成させられるため、樽の成分や香りを過剰に抽出させない、ピュアなブランデーに仕上げるようになっているのです。さらに、木樽熟成に関してはこれといって法律で定められていないことからも、クリアなアルマニャックも存在しています。

アルマニャック独自の表示基準

先ほど、星が1つとか、VSOPなどの熟成期間による符号のお話をしましたが、アルマニャックの場合は特殊な表記となっているので、覚えておきましょう。

まず、2年以上熟成を経ているものに関しては、「トロワ・ゼトワール」という表記が記されています。5年以上、6年以上に関しては、「V.S.O.P」、「X.O.」と通常通り変わらないのですが、10年以上熟成されたものになると、「Hors d’Age」という表記になります。さらに、それよりも古いものになると、ヴィンテージ・アルマニャックとなり、これはまた別の領域のアルマニャックとして愛されています。

フランスのほかのブランデー

フランスには、アルマニャック以外にも素晴らしいブランデーがあります。そのひとつが、「コニャック」です。アルマニャックの近くにある産地ですが、オーク樽で2年半しっかりと熟成させることが義務づけられています。1936年に、コニャックはAOCとして制定された産地ですが、ワインが1935年に制定されているので、非常に早くに原産地が守られた産地であることが分かります。

成功者の飲む蒸留酒としてのイメージがあるようで、未だにそういったイメージで取り扱われている節があります。「レミー・マルタン・ルイ13世」が特に有名で、非常に高価な価格としてマニアたちを熱狂させています。

カルヴァドスとは?

ブランデーの世界、アルマニャックとは?ということで、今回お伝えしてきました。果実酒からできているということで、とても甘ったるい蒸留酒のイメージだと思いますが、やはりそこは蒸留酒。それぞれ、個性が違っており、世界が深いのが魅力です。

価格はやや張りますが、長きに渡って楽しむことができますので、ぜひ1度ご自宅で試されてみてください。ワイン好きであれば、必ず、この味にハマります。

とにかく1度飲んでみよう!

ブランデーの世界、アルマニャックとは?ということで、今回お伝えしてきました。果実酒からできているということで、とても甘ったるい蒸留酒のイメージだと思いますが、やはりそこは蒸留酒。それぞれ、個性が違っており、世界が深いのが魅力です。

価格はやや張りますが、長きに渡って楽しむことができますので、ぜひ1度ご自宅で試されてみてください。ワイン好きであれば、必ず、この味にハマります。