何故、自宅で日本酒か?

なぜ、自宅で日本酒を飲むべきなどという、当たり前のことを声に出していうのか、と思った方は多いと思います。実は、今日本酒は地方酒が人気を集めていますが、全体で見ると非常に売り上げが落ちている、いわば国酒の危機的状況であるといわれています。

日本が誇る素晴らしい酒である日本酒の消費量が減っていけば、極端な話いずれ日本酒事業は衰退していき、結果的に誇るべきものを失うことになりかねません。まず、自宅で飲むことからスタートしなければ、必ず日本酒は衰退します。それを、ここで確認しようということなのです。

日本酒を飲む癖をつける

自宅で日本酒を飲む、ということはまず飲酒の癖をつける、ということに繋がります。お酒は大好きだけれども、家で飲むことは無い…。こういった方は、今の時代、女性男性問わず増えている傾向にあります。つまり、誘われれば飲むけれど、そうでなければ飲む気分にはならない、という寂しいことを言っているのと同じです。

日本酒を勉強したくても、日常的に飲酒機会が無い方は結果的に、日本酒覚えることは不可能です。まず、自宅で飲むという癖をつけることから始めてください。(グラス1杯程度の適量です)

お金の節約

外食すると高くつく。これを知らない方はいないと思いますが、お酒に関してはまさしく、的を射ている意見です。グラス1杯800円する日本酒を見かけることは、珍しいことではなくなりましたが、これは1本5000円に満たない日本酒です。大体、お店で日本酒を飲む場合、3倍程度の価格をつけて提供しなければ商売にならないため、同じ酒でも大変損をしてしまうということです。

もちろん、外食の良さもありますが、1度の外食で日本酒の四合瓶が5本購入できる額を支払う、となると、やはり日本酒を日常的に楽しむ生活には遠ざかりますよね。

味を覚える

日本酒の味を覚えるためには、自宅で飲むという行為が最も適しています。お店で飲んだって覚えられる、ということもあるでしょうが、じっくりとそのお酒に向き合って飲むことは、なかなかできません。

さらに、仲間たちとの会話を楽しんだり、食事を楽しんだり、いろいろなお酒を飲んでいるわけですから、もう酒の味だけに集中することはまずできないのです。1度もレストランに行ったことが無い、という方の方がワインの味に詳しかったりするように、自宅で酒に向き合うからこそ、その味を覚えることができるのです。

マリアージュを自由に試せる

こちらも、自宅飲みの醍醐味ですが、マリアージュを自由に試せるという利点があります。日本酒は万能とはいえ、なかには最高の組み合わせ、イマイチな組み合わせなど、その幅が広いのが魅力です。居酒屋や飲食店において、丹誠込めて調理してくれた料理を実験台に使うのも、少し失礼な気もします。

さらに、知り合いと来ている時、誰がそんな個人的なチャレンジに付き合ってくれるのでしょうか。結果、定番のマリアージュしか勉強できず、世界が狭まってしまうのです。

飲み比べできる

日本酒を自分で購入すれば、かなり安い価格でさまざまな種類を揃えることが可能です。やはり、自宅飲みの醍醐味としては、いろいろな飲み比べをして、その酒の持つ個性に気付くことができるということです。

飲食店でも、さまざまなグラスを楽しめますが、結果的に単独で飲み続けていった場合、人間の舌やアルコールの影響で味わいを正確に判断することができなくなります。もちろんですが、一度並べて飲み比べるということもできないでしょう。これができるのが、やはり自宅飲みの醍醐味です。

コレクションする楽しみ

飲食店で飲んだ日本酒をスマホの写真でコレクションする方は多いと思います。しかし、本当に楽しむであれば、本体をコレクションするに限ります。自宅飲みの最大の楽しみは、自分が飲んだボトルを揃えて、コレクションできることでしょう。

特に、なかなか手に入らなかった日本酒を手に入れられたとか、蔵元に行かないと手に入れられない限定酒など、こういったアイテムはスマホの画像だけでは寂し過ぎます。ひとつひとつに思い出を詰め込むであれば、やっぱりスマホではなくボトルでしょう。

酒屋と仲良くなれる

自宅で日本酒を飲む場合、ネット通販も良いですが、酒屋で選ぶというクラシックな購入方法をオススメします。店主と話しながら、その時々のお勧めの酒を選ぶという行為ほど、酒飲みとして楽しい時はありません。自分で探し出した日本酒というのは、居酒屋で店主におすすめされて飲む酒よりも、ずっと美味しく感じるものです。

また、酒屋の主人と仲良くなることで、秘蔵酒などを特別に売ってくれる可能性もあります。良い酒屋ほど、隠し酒を持っているものです。これこそ、自宅飲みの醍醐味でしょう。

日本酒にとにかく詳しくなる!

最後にお伝えしたいのが、自宅で日本酒を飲むことで、とにかく日本酒に詳しくなるということです。居酒屋で飲まれる方の場合、味と銘柄が結びつかず、さらには多過ぎて忘れてしまうことが殆どです。

自宅飲みは、自分で選んで自分で買うしかないので、銘柄を嫌でも覚えます。すると、知らぬ間に日本酒に詳しくなり、味わいの付けも容易にできるようになるのです。新潟の○○は、洗練系だ、伏見はガッツリ系…など、受け売りでない、自分の原体験からその言葉が出るようになるわけです。

外でのお酒が倍美味しい!