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大麦にヒミツ有り!?
まず、ウイスキーのスモーキーの要因といわれているのが、“大麦”です。ざっくりと言って、ウイスキーはビールを蒸留したお酒であり、ビール同様に麦を原料として作られています。
通常、大麦は水に浸けられて発芽した後には、燻して乾燥という工程を経ます。この時に、“ピート”という素材を燻して乾燥させていくのですが、この燻す工程によってスモーキーなフレーバーが原料に加わると考えられています。
燻しの期間によって、その味わいも変化していくため、ここもウイスキーが面白いポイントです。
アイリッシュウイスキーこそスモーキー
アメリカンウイスキー、カナディアンウイスキー、ジャパニーズウイスキーの場合、さほどスモーキーさが際立ちません。その理由は、やはり冒頭でお伝えした大麦の燻製にあります。
この作業は、モルティングと呼ばれていますが、アイリッシュウイスキーで最も大切な工程のひとつとされています。
アイリッシュウイスキーは、このスモーキーな香りを伝統的に守っており、その香りで作られている地域やメーカーなどが分かるようにできています。スモーキーを楽しむのであれば、まずはアイリッシュウイスキーで試すと良いでしょう。
ピーテッド麦芽とは?
スモークされた大麦は、ピーテッド麦芽と呼ばれています。アイリッシュウイスキー最大の特徴は、ピートという植物が枯れて果てて堆積した泥炭を燻してその香りを大麦につけ加えます。
泥炭というと、何やら泥臭いイメージがありますが、さまざまな植物が長い年月空気に触れることがなく風化、分解されたものですので、泥臭さはなく、むしろ他には無い本当に独特の香りを呈します。
今、ノンピーテッド麦芽もトレンドとなっているようですが、やはり伝統を守るアイリッシュなこの工程を愚直に守り続けています。
スモーク度でどんな製法か分かる?
さて、ピーテッド麦芽を利用してウイスキーを仕上げるアイリッシュウイスキーですが、詳しい方であればその“スモーキー度”でどういった造られ方がされているのかも、簡単に見分けることができるようです。
例えば、アイラ島にあるピートの場合、海の近くにあるために海藻、潮の香りがかなり特徴的です。
逆に、海に面していないアイルランドなどは、ドライ感のある軽めのスモーキー感を呈します。さらに、手で掘り起こしたか、機械で掘り起こしたか…でも、個性が変わってくるということです。
スモークを使い分ける必要性
さて、ここまで分かれば後は飲み比べ…ということなのですが、問題は表現をする時に、ただ“スモーキー”と表現するだけでは、なかなか第三者に伝わりにくい、という部分です。
前述した通り、ピートは採掘場所やどう扱ったのかなど、それら条件によって、ウイスキーのスモーキー度は大きく変化していきます。
実際、飲んでいる人物であれば分かりますが、人に伝える時に、「これもスモーキーだったけれども、あちらのウイスキーもスモーキだった」では、なかなか伝わりません。
では、プロはこのスモーキーをどう使い分けているのでしょうか。
プロが分けている
ブレンダーなど、ウイスキーのプロたちは、“スモーキー”だけではなく、しっかりとその度合いによって言葉を使い分けていることで知られています。
その言葉は、大きく分けて「ピーティ」、「メディシナル」、「ハーシュ」という三つです。
ピーティというのは、比較的燻製を思わせる良い香りの時に使用されています。
メディナルは、ピートに含まれる薬品の強い香りを思わせるような時に利用されています。
そして、三つ目のハーシュですが、少しスモーク度がウイスキーとのバランスに違和感を覚える時に表現される言葉です。
「ピーティ」を探すためには?
このように、三つの言葉をその程度に合わせて使い分けているのですが、一般的には、「ピーティ」が最も良い香りであり、ウイスキーとのバランスが好ましいもの、とされているようです。
もちろん、こういった好みは人それぞれですので断言はできませんが、このほど良い「燻製」の香りを探し出すことで、良いウイスキーなのか、そうでないのかを判断する材料にもなり得るわけです。
スモーキーな原酒は相当なパンチ力を持っているので、なかなかブレンダーにとっても悩ましい存在でもあるようです。
ウイスキーによる違いは?
スモーキーについてお伝えしてきましたが、では一体どの銘柄が強く、どの銘柄が穏やかなのでしょうか。
まず、かなりパンチの効いたスモーキーさを感じさせるのは、『ラフロイグ』ということで知られています。甘みの強いモルトながら、かなり薬品感を感じます。
さすがにこれは強過ぎる、と感じたのであれば、『アードベッグ』がおすすめです。スモーキー感は強いですが、バランスが良いと思います。
また、『カネマラ』は、実に洗練されたスモーキー感を楽しめるウイスキーですので、こちらは初心者におすすめです。
スモーキーなウイスキーの楽しみ方
ウイスキーの定番おつまみといえば、間違いなくナッツ類ですが、実はスモーキーなウイスキーは意外なものと相性が良いことで知られています。
まず、潮を感じるスモーキーなウイスキーは、ずばり“するめ”との相性抜群です。軽く炙り、塩こしょうで強めの味付けしたものとの相性は最高です。
そして、スモークサーモンやローストビーフ、燻した山魚など、スモーク繋がりの意外な食事と合わせてみてください。想像つかないようにものとも相性が良いのが、スモーキーなウイスキーの魅力でもあります。
合わせるおつまみは意外なもの!?
ウイスキーの定番おつまみといえば、間違いなくナッツ類ですが、実はスモーキーなウイスキーは意外なものと相性が良いことで知られています。
まず、潮を感じるスモーキーなウイスキーは、ずばり“するめ”との相性抜群です。軽く炙り、塩こしょうで強めの味付けしたものとの相性は最高です。
そして、スモークサーモンやローストビーフ、燻した山魚など、スモーク繋がりの意外な食事と合わせてみてください。想像つかないようにものとも相性が良いのが、スモーキーなウイスキーの魅力でもあります。
大人の味を覚えてよう
スッキリと飲みやすいウイスキーが人気ですが、ウイスキーの魅力は良い意味での“臭さ”です。
誰にでも愛されるような、平坦な味わいのものも魅力的ですが、やはり大人はくせのある、“個性溢れるウイスキー”を楽しみたいものです。
アイリッシュ系のスモーキーなウイスキーは、まさにそれに該当するものであり、どのウイスキーも似ているものは一切ありません。
ウイスキーで飲みやすさを追求することも大切ですが、“クセがあるけれど…これは、好き”を探しましょう。
古物商許可証取得。酒類販売責任者。
株式会社ストックラボの鑑定責任者、真贋査定士、及び出張買取責任者。 複数の買取会社でウイスキー・ワイン・日本酒・焼酎・ブランデーなどの幅広いお酒の買取鑑定・査定を行ってきた鑑定士歴7年のエグゼクティブバイヤー。