なだやさんについて教えてください。

なだやが創業したのは、昭和36年です。
もともと1軒あった酒屋を、父親の代に兄弟に二軒で分けており、今湯河原では従兄弟同士を含めて、三軒の酒屋を経営しています。

ひとつは業務用酒類卸の株式会社マスコー、ひとつは『スーパーマーケットファインズ』、そして僕のところが『なだや』というお酒の専門店になります。

どんなお酒が揃えられていますか?

うちは旅館街の酒屋なので、その出汁で料理の味が決まっていく旅館の中椀の邪魔をしないようなお酒を集めています。
日本酒から焼酎、ワインなどいろいろ揃えていますが、泡盛のような強いお酒は通常置いてはいません。

もちろん、お客さんからの要望があれば取り寄せますよ。
ただ、ここはお酒のセレクトショップですので、“これが僕のセレクトしたお酒”、というかたちでこだわりのお酒を揃えています。

どのようなこだわりでお酒を選ばれているのでしょうか?

強いこだわりを持っているというか、まずはお酒を飲んでから選ぶようにしています。
どんなに有名銘柄であっても、飲まなければわかりません。

例えば酸のバランスを見ていますね。
それは、“こうだから…”という数値で表せるものではなく、長年の経験からわかることです。
有名銘柄であっても、山廃の強過ぎるものなどは仕入れないことがありますから。

居酒屋スペースのような場所がありますが、ここでは有料試飲ができるのですか?

はい、ここでは日本酒を1杯から試飲できますし、利き酒セットなども用意していますよ。

当店では、日本酒を一度飲んでみてから、購入するかどうかを決めてもらうのが大切だと思っています。
人それぞれ食べている物が違いますし、味わいの感じ方の基準もそれぞれ違う。
僕が辛口と思ったけれども、人によってはそう感じないかもしれないではないですか。

大体、一升瓶の20分の1程度の価格で1杯試飲ができます。

利き酒セットが面白いですね。

このセットは、純米大吟醸が1種類、純米吟醸などが2種類の計3種類の飲み比べセットで、軽いツマミとして塩辛を加えて、1,080円で提供しています。

例えば、希少価値が高く一般に小売りできないお酒なんかもあるのですが、そういったお酒を多くの方に体験してもらう場としても活用しています。
17年前くらいに始めたのですが、当時はお酒の関係者なんかも多く見に来ましたね。

ちなみに、ここは居酒屋のようなスペースとなってはいるんですが、あくまで日本酒を理解していただき、購入してもらうための場所です。
そのため、ツマミなどを豊富に出すようなことは敢えてせず、お酒だけを純粋に楽しんでもらう空間にしています。

どのようなお客さまがやってきますか?

さまざまな方が来ますが、当店は旅館街にあるので、飲食店に卸しているのがメインですね。
また、この辺りは別荘が多く、リゾートマンションなどで週末だけ湯河原で過ごされている方なども多くいらっしゃいますよ。

ただ、週末のお酒はもちろんですが、週日のお酒も購入していってくれます。
車で移動する場合、都内だとなかなか大変ですが、うちは駐車場もしっかりとありますからね。

あと、飲食店関係者が湯河原に来た時、たまたまうちに立ち寄ってくれることもあって、今もなお長くお付き合いを続けている、なんてこともありますよ。

なだやさん、おすすめのお酒

ヴィクトワール ブリュット プレステージ

まずおすすめしたいのが、“勝利”のシャンパーニュの意味する名の、『ヴィクトワール ブリュット プレステージ』です。
ピノ・ノワール、シャルドネ、ピノ・ムニエのブレンドですが、ピノ・ノワールの比率が高く、酸がきれいに口の中で伸びます。

色が白いシャンパーニュですので貝料理にも合うのですが、ピノ・ノワールの皮の味わいが感じられるので、肉系の料理にも合わせやすいですね。
泡がキレイですし、万能タイプの1本だと思います。

神沢川酒造 正雪

正雪は、多くのファンを持つ有名な日本酒ですね。
この正雪の杜氏である山影純悦氏は、麹造りで『現代の名工』に選ばれている方なんです。
酒造メーカーでは種麹のことを“もやし”と呼ぶのですが、このもやしのつけ方が本当に芸術的です。
日本酒好きの方であれば耳にしたことがあると思いますが、“一麹(いちこうじ)、二酛(にもと)、三造り(さんつくり)”という言葉があり、日本酒造りにおいては、麹が最も大切といわれています。

そんな麹造りの匠が造り出す正雪を、ぜひ一度飲んでください。
やわらかく、そして優しい酒質が魅力のお酒です。

ありがとうございました!

お酒好きの方であれば、一日中いても飽きることなく楽しめる素敵な酒屋「なだや」。
酒屋に入るのには少し勇気が必要…と思われている方こそ、ぜひ足を運んでみてください。

お酒の初心者はもちろん、お酒のプロでも間違いなくいろいろな発見と驚きに溢れている場所です。
とても気さくなお二人で、お酒のことであれば何でも答えてくれますので、湯河原に訪れた際には、ぜひ気軽に立ち寄ってみてください。

有限会社 灘屋
〒259-0314
神奈川県足柄下郡湯河原町宮上475-7
TEL:0465-63-2011
営業時間:9:00~19:00(L.O.19:00)
定休日:木曜日