山梨県

甲州ブドウ伝来の地である山梨県は、濃縮果汁を使う国産ワインではなく、日本産ブドウのみを原料とした日本ワインの生産量1位の大生産地です。日本ワインといえば山梨県といわれているように、数多くの有名ワイナリーが軒を連ねている日本きっての大銘醸地として知られています。山梨県では、全土でブドウ栽培が行われているわけではなく、甲州盆地の東部や勝沼、北杜市周辺、八ヶ岳や南アルプス市などが主な生産地となっています。

また、生食用ブドウの場合は御坂地区に多くの観光農園を抱えているようです。シャルドネやメルロー、カベルネソーヴィニヨンなど海外品種も近年では増加傾向にありますが、やはり甲州種の栽培が最も多く、日本における甲州の栽培面積の9割近くは山梨県です。マスカットベーリーAが次いで多く、生食用にすることも可能なデラウェアの生産量も比較的多いことで知られています。

長野県

山梨県に注ぐ、有名なワイン産地としては長野県があります。長野県はメルロがとても有名であり、昭和初期の頃から育てられている、ある意味での土着的扱いをされている品種です。栽培面積も徐々に広がっており、近年では数多くの海外品種が生産されはじめています。長野県でもワインをもっと盛り上げて行こうという動きが活発化しており、信州ワインバレー構想が発表され、4つのエリアにワイン産地が区分けされました。

千曲川上流にある佐久市から中野市までの流域は千曲川バレーと呼ばれ、松本盆地から塩尻市を除いたエリアを日本アルプスワインバレー、松本盆地の南側と塩尻市を含むエリアが桔梗が原ワインバレー、そして天竜川ワインバレーとされています。近年では、塩尻市のメルローやシャルドネの品質が急上昇しており、大手メーカーが新たな土地を開拓してより高品質なワインが生産されています。

北海道

近年、日本ワインの生産地として熱い視線を浴びているのが北海道です。ケルナーやシルヴァーナ、リースニングなどのドイツ品種が多く生産されていますが、冷涼で梅雨の少ない気候を利用したピノノワールの上質なものが生産されるようになっています。

フランスの名門であるドメーヌ・ド・モンティーユが、北海道に畑を購入したことでも話題となり、今後最も注目される産地となることは間違いありません。空知地方や後志地方が特にワイナリーが集中しています。清舞、清幸などの北海道の気候にあったハイブリッド品種も近頃では目覚ましい発展を遂げています。

山形県

山形県は、デラウェアでとても有名な産地として知られています。マスカットベーリーAの仕込み量も多く、上質なスティルワインから甘口ワイン、スパークリングワインが造られています。近年では、海外品種も多数造られるようになっており、今後も期待される産地となるでしょう。

関西地方

関西でワインが造られているというのは、なかなか本州全土には伝わりにくいですが、大阪では山梨と同じくして古いブドウ栽培の歴史を持っています。住宅などの建設は増えたり、栽培者の高齢化、ワイン造りの技術伝来不足などが重なり、100を超えていたワイナリーは激減してしまいました。近年、大阪のカタシモワイナリーを中心とした大阪ワイナリー協会、関西ワイナリー協会の発足により、関西地方に点在するワイナリーが一挙集合してイベントや勉強会を行うなど積極的に周知活動に力を入れるようになりました。

その他にも…

産地ここまでに紹介したワイン産地だけではなく、近年では素晴らしいワイナリーが各地に出現しており、街を挙げてワイン造りを応援する形を取るような動きが活発化しています。