どぶろくって何?

どぶろくの話を進めていく前に、そもそもどぶろくとは何ぞや…というところから始める必要があるでしょう。

簡単にいうと、どぶろくは日本酒のように発酵させた後、白く濁っている状態で酒造りが終わっている状態の酒をいいます。そのため、どぶろくは漢字で表現すると、「濁酒・濁醪」などと表現されているようです。

日本酒造りでは、まずは米を蒸す工程がありますが、要するにこれは炊飯ジャーなどで炊いた状態であり、そこに米麹や酵母、無ければ酒粕などに残った酵母を加えて発酵させたものです。

ある意味では、もろみ状態の日本酒を差していると思えば良いでしょう。

にごり酒とは違うのか?

どぶろくの簡単な説明をしましたが、要するににごり酒の一種ではないのか、と思われた方も少なくは無いと思います。

確かに、どぶろくはにごり酒っぽいのですが、もろみの状態でも一瞬も濾過していない状態。これを、どぶろくと呼んでいます。

一般的な酒造が造るにごり酒の場合、どぶろくを一度しっかりと濾過する工程が入るために、便宜上は「清酒」のカテゴリに入るわけです。

どぶろくは、一切の手を加えてない純粋な醪で無ければならず、酵母などが生きている状態ですので、これを出荷すると瓶内発酵などのリスクがあるために避けられているのです。

法律違反なのか?

明治時代以降は個人が酒造免許無しでアルコール飲料を製造することは、固く禁じられているため、仮にアナタが家でどぶろくを醸造してしまったものなら、即日お縄となる、と考えてよいでしょう。

とはいえ、明治時代前にはこのどぶろくは合法の酒であったことから、各家庭では自分の家の酒が存在しており、それぞれに自分の味があったと言われています。

清酒は、それらを洗練させたものですが、やはりお金がかかることからも、自作の酒で楽しんでいたという歴史があるわけです。

どうすれば造れるのか?

どうしても、どぶろくを造ってみたい。こんな野望を持っている酒好きもいるでしょうが、やはりどうしても造りたいのであれば、酒造免許を取得する以外に手はありません。

仮に、酒造免許を取らずに遊び半分でどぶろくを造ってしまった場合、なんと飲まずに造ったということだけでも、5年以下の懲役と50万円以下の罰金が課される、ということになっています。

ユニークなのが、歴史あることであるから、この法律を変えた方が良いという動きがあり、後述しますが「どぶろく裁判」なるもまで繰り広げられています。

世界では自家醸造が認められている!?

前述した酒飲みでない方の場合、「自分の家で酒造りなんてけしからん」と、強い信念を持っているかもしれません。

真面目な日本人ならではですが、実はイギリスやアメリカ、韓国、中国などでは、自分の家で醸造することが認められています。

特に、アメリカなどではワインの自家醸造が可能ですので、手軽なホーム醸造キットなどが、ディスカウントストアなどで販売されている始末です。

韓国に関しても、マッコリの自家醸造キットが販売されているなど、釣りや自家菜園と同様の扱いを受けているようです。

どぶろくを造る

要するに、酒造免許を持っていたり、どぶろく特区であればどぶろくは造れます。つまり、自宅でも造ることは可能です。

どぶろくを自宅で造りたい、という方であれば、「米」と「ミネラルウォーター」、「米麹」、「ドライイースト(酵母)」、「ヨーグルト(乳酸)」があればひとまずは造ることが可能です。

しかし、仕込み用の容器には金属制のものを使うと、その金属と化学反応を起こす可能性があるので、ガラス瓶や蓋付のポリバケツを利用することをおすすめします。そして、瓶詰め容器、醪を絞る袋、漏斗などがあれば良いでしょう。

醸造方法は?

炊飯器に研いだ米を入れて、2合なら1合分など、やや少なめの水を入れて炊飯ジャーで普通炊きをします。ただし、ここでちょっとだけ日本酒を加えておくと良いでしょう。

炊きあがった米ですが、細菌汚染などを防ぐ理由から、しっかりと消毒殺菌されている仕込み容器に入れましょう。この清潔である、というところが必須ポイントです。

そして、冷やした水をこの容器に含めていきます。そして、次に米麹に水を加えてしっかりとかき混ぜていきましょう。この状態でかなりドロドロになってきています。次に工程にいきましょう。

酵母を入れる

米麹を入れてかき混ぜた状態は、米のデンプンが分解されていき、ブドウ糖になっている状態です。ここに、ドライイースト(酵母)を入れることにより、発酵が始まります。

そして、ここに乳酸菌であるヨーグルトを投入します。日本酒造りにおいても、生酛や山廃などの工程があるようですが、これは乳酸を出す工程です。さここは簡易版としてヨーグルトを混ぜる、という方法で仕込んでいきます。

そして、保存方法ですが、20度以下の場所で最大5日間程度にします。夏場、30度ある場所であれば2日程度で仕上がるようです。

注意すべきこと

どぶろく造りで注意すべきことですが、何度言うように酒造免許が無い場合は、法律違反です。それをクリアしている、という前提で話をしていますが、あと二酸化炭素による吹き出しに注意をしてください。

どぶろくは、通常火入れを行わないため、液体内でまだ酵母が活動を続けています。つまり、この状態で瓶詰めを行うと、瓶内の気圧が高まっていきコルクなどが飛んでいったり、最悪瓶が爆発することだってあります。

こういった危険を避けるために、まずは耐久性のある容器を使うなど、早く飲みきってしまうなどの対処が必要です。

どぶろく裁判とは?

自宅で無理に作らずとも、時期になればどぶろく特区や、それらを入荷するお店でどぶろくは飲むことが可能です。濾過などをしていないため、味わいに深みがあり、香りも豊です。すいすい飲めてしまう、ということからある意味では危険と言われているようですが、その味わいが良いことは間違いありません。美味しい酒を追求するのは良いですが、罰せられる可能性があったり、さらにはリスクを負ってまで、真剣にどぶろくを作る必要性はないと思われます。まずは、どぶろくを飲み、新しい刺激としてその日本酒の味わいを楽しむことから、スタートしてみましょう。

どぶろくは飲むところから

自宅で無理に作らずとも、時期になればどぶろく特区や、それらを入荷するお店でどぶろくは飲むことが可能です。濾過などをしていないため、味わいに深みがあり、香りも豊です。すいすい飲めてしまう、ということからある意味では危険と言われているようですが、その味わいが良いことは間違いありません。美味しい酒を追求するのは良いですが、罰せられる可能性があったり、さらにはリスクを負ってまで、真剣にどぶろくを作る必要性はないと思われます。まずは、どぶろくを飲み、新しい刺激としてその日本酒の味わいを楽しむことから、スタートしてみましょう。