大吟醸とは一体なに?

注がれている日本酒

大吟醸とは、日本酒における特定名称酒のカテゴリのひとつで、精米歩合やアルコール添加が何%行われているのか、に基づいて定められている。

まず、日本酒はアルコール添加されていないものを純米規格としており、そうでないものは「純米」という名をつけて販売することができない規則となっているのだ。「大吟醸」の場合、その文字通り解説するなら精米歩合が50%以下でアルコール添加がある日本酒、ということになる。

純米大吟醸は、大吟醸のアルコール添加が無いもの。「吟じて醸す」の略称だが、実際の意味はこういったものだ。

大吟醸の選び方とは?

大吟醸について理解していただけたと思うが、それだけではどのように選べば良いのか分からない、という方が大半だろう。そもそも、大吟醸自体に種類が存在しており、ある程度何らかの起点で絞っていかないと、欲しい酒が手に入らない。

おすすめの大吟醸を紹介する前に、ひとまず大吟醸の選び方について、簡単に説明していきたい。

純米規格かアルコール添加か?

前述しているように、大吟醸とひとことで言ってもその種類はさまざまだ。とはいえ、大きく大別すれば純米大吟醸か大吟醸のふたつに分けることができる。

例えば、純米大吟醸は米だけを使用して造られているので、米の味わいをダイレクトに楽しむことができるのだ。

大吟醸は、切れ味や品質保持、飲みやすさをアルコールで調節しているので、純米規格より保存や飲み方にデリケートになる必要はない。まず、どちらを選ぶかが基本となる。

精米歩合はどのくらいか?

日本酒を造る際、精米歩合という米の表面を削る工程がある。米の表面には不飽和脂肪酸が多いため、これを多く残していると良い香りが出しにくくなり、フルーティーさが足りない日本酒となってしまう。

大吟醸は、50%以下の精米歩合が規定されているが、それ以下であれば、どれだけ削っても大吟醸になる。削り過ぎてしまうと、米の旨味が無くなると言われているがフルーティーさは際立つ。これも選ぶポイントになるだろう。

造りの違いによって変えてみる

大吟醸は特定名称酒の一種であるため、通年商品としても、季節商品としても販売されている。例えば、秋あがりや冷やおろしなどは季節商品で、造りも一般的な日本酒は多少違ってくるのだ。

さらに、通年商品であっても火入れをしたかしないか、使用米の違いなどさまざまな種類が存在している。

大吟醸は、あくまで特定名称酒を名乗るための規定であり、どういった酒に仕上げるかは蔵元の方向性に委ねられている。覚えておこう。

人気のおすすめの大吟醸10選

並べられている日本酒たち

大吟醸の基本情報、選び方が理解できれば、当然その「大吟醸」なる日本酒が飲みたくなってくるのが当然だろう。前述したように、大吟醸にはさまざまな種類が存在しており、蔵元によっても個性が全く違ってくる。

ここでは、今大人気のおすすめの大吟醸をいくつか紹介していく。もし、気になったものがあったらぜひ購入し、自分の舌で大吟醸の魅力や特徴いを掴んでみよう。

1位:水芭蕉 山田錦50 翠

群馬県の銘酒である水芭蕉 山田錦50 翠。尾瀬連峰の標高2158mの武尊山に流れている伏流水を使用しており、軟水なため非常に洗練されたなめらかな味わいに仕上げられている極上の1本となっている。

KAZE酵母を使用しており白桃や洋梨のような大吟醸ならではの味わいを感じることができる極上品と言えるだろう。この水がもたらすやわらかなテクスチャーはほかの産地とは違ったまさにテロワールを思わせる味わいだ。

■値段:3,200円(税抜)
■製造元:永井酒造
■産地:群馬県
■内容量:1800mℓ
■原材料:山田錦50
■アルコール度数:15
■保存方法:冷蔵庫で保存

2位:作 陽山一滴水 大吟醸

長年日本酒を飲み続けている愛好家たちからも大絶賛されている、圧巻の旨さを誇る日本酒が、「作 陽山一滴水 大吟醸」だ。

酸度や日本酒度は非公開という、徹底したこだわりを持って醸されている1本であり、力強さもありながら、華やかな香りもあるまろやかな味わいの1本となっている。

精米歩合は40%と低く、バランスの取れた味わいも魅力的。生ハムやレバーのパテなど、洋食との相性が良いところも魅力的だ。

■値段:3,700円(税抜き)
■製造元:清水清三郎商店
■産地:三重県
■内容量:720ml
■原材料:山田錦
■アルコール度数:17度
■保存方法:15度前後で保存

3位:鶴齢 限定大吟醸生詰 牧之

限定発売されている、希少価値が高い注目の大吟醸が「鶴齢 限定大吟醸生詰 牧之」だ。兵庫県東条町特A地区の山田錦を100%使用しているスペックの高さはもちろん、白磁製のボトルが高級感を高めるポイントになっている。

また、清廉な新潟の水を使って仕込まれていることから、力強さの奥側に優しさとまろやかさが共存する。一度飲んだら忘れられない、銘酒であることは間違いないだろう。

■値段:5,000円(税抜き)
■製造元:青木酒造
■産地:新潟県
■内容量:720ml
■原材料:兵庫県特A地区産山田錦
■アルコール度数:17~18度
■保存方法:生詰めのため要冷蔵

4位:雨後の月 大吟醸 月光

今、なかなか手に入れることができない人気の日本酒として知られているのが、「雨後の月 大吟醸 月光」だ。ブラックボトルに黄金色の大吟醸マークが高級感を盛り上げる。

麹:35%、掛:40%という絶妙な精米歩合で仕上げられており、辛口タイプの切れ味抜群な高級アイテムだ。『SAKE COMPETITION 2014』Free Style Under 5000部門では、2位に選ばれるなど、名実共に信頼できる。

■値段:2,500円(税抜き)
■製造元:相原酒造
■産地:広島県
■内容量:720ml
■原材料:特A山田錦
■アルコール度数:16度
■保存方法:冷蔵庫で要冷蔵

5位:陸奥八仙 レイメイ40 純米大吟醸 28BY

「八仙」のゴールドが眩く光る、「陸奥八仙 レイメイ40 純米大吟醸 28BY」。知る人ぞ知る、陸奥八仙 八戸酒造が醸す最高峰の大吟醸だ。

幻になりつつあるレイメイという、酒造好適米を原料として使用しており、その華やかさは他にない美しさを放つ。

酵母は青森県のオリジナル、イ号とハ号のブレンドということで、実は全て青森県産の原料で造られている徹底ぶり。一度は飲みたい極上の1本なのだ。

■値段:3,300円(税抜き)
■製造元:陸奥八仙 八戸酒造
■産地:青森県
■内容量:720ml
■原材料:八戸産レイメイ
■アルコール度数:15度
■保存方法:冷蔵庫で要冷蔵

6位:獺祭(だっさい) 純米大吟醸50

旭酒造が醸す、最高峰の酒と言えば「獺祭(だっさい) 純米大吟醸50」。純米大吟醸のみにこだわるこの酒造は、徹底した品質管理のもと、初心者でも飲みやすい華やかな日本酒を醸している注目度の高い蔵元だ。

日本酒が苦手な方でも飲みやすい、雑味のない味わいが好まれ、世界的にも人気の日本酒として知られてる。一度は飲んでおきたい、定番の日本酒だろう。

■製造元:旭酒造
■産地:山口県
■内容量:720ml
■原材料:山田錦
■アルコール度数:16度
■保存方法:要冷蔵

7位:梵 夢は正夢 純米大吟醸

美しい、ゴールドカラーで統一されたボトルが魅力的な、「梵 夢は正夢 純米大吟醸」。兵庫産の特A地区契約栽培の山田錦をなんと35%迄精米し、マイナス8度で5年以上も熟成させたという、異例中の異例。

大吟醸というと、フレッシュ&フルーティーなイメージだが、熟成でしか表現できない独創的な香りや風味を楽しめる希有な1本。大切な人に送りたい。重要なアイテムとなりそうだ。

■値段:10,000円(税抜き)
■製造元:加藤吉平商店
■産地:福井県
■内容量:1000ml
■原材料:山田錦
■アルコール度数:16度
■保存方法:冷蔵保存

8位:天明 大吟醸 一生青春

ネーミングがすでに目を引く、「天明 大吟醸 一生青春」。数多くの受賞歴を獲得している品質の高い日本酒であり、その味わいとキレの良さはマニアたちからも絶賛されている。

アルコール度数がやや高めで、日本酒度も高め辛口タイプなため熱燗にしても楽しむことができる力強さを兼ね備えている。香りも豊穣であり、一度飲んだら忘れられない旨さのある1本となっている。

■値段:2,575円(税抜き)
■製造元:曙酒造
■産地:福島県
■内容量:720ml
■原材料:美郷錦
■アルコール度数:17度
■保存方法:要冷蔵

9位:白露垂珠 大吟醸 出羽燦々

「白露垂珠 大吟醸 出羽燦々」は、グルコース濃度全国最少位の完全発酵酒と言われている、辛口でスッキリした味わいの大吟醸だ。

近頃の日本酒はフルーティーで洗練されているものの、やや甘さが気になるという方も少なくない。

「白露垂珠 大吟醸 出羽燦々」は、香りは華やかでありながら、その力強いボディ感のある味わいで一目置かれている注目酒。日本酒好きにもすすめやすい1本となっている。

■値段:2,400円(税抜き)
■製造元:竹の露
■産地:山形県
■内容量:720ml
■原材料:出羽燦々
■アルコール度数:15度
■保存方法:常温、または冷蔵

10位:天吹 純米大吟醸 金色

天吹酒造が誇る、ユニークな1本がこの天吹。モザイク柄のラベルを見ても分かるように、そのセンスの良さが話題となっている人気のアイテムだ。

アベリア酵母という特殊な酵母を使用しており、華やかな熟成感が絶妙だ。精米歩合が50%ほど、火入れをしているのでしっかりとした力強い味わいに仕上げられている。熱燗としても楽しみたい。

■値段:1,600円(税抜き)
■製造元:天吹酒造
■産地:佐賀県
■内容量:720ml
■原材料:佐賀県産契約栽培山田錦
■アルコール度数:16.,5度
■保存方法:冷蔵庫、静かな冷暗所

他にも知っておきたい「大吟醸」のこと

ここまで、おすすめの大吟醸を紹介してきた。ここまで呼んでいけば、どれを楽しみたくなってくるはずだ。しかし、大吟醸についてもっと知りたいという方もいるだろう。

ここからは、より大吟醸を楽しむことができる、おすすめの飲み方を紹介していく。ぜひ、参考にしてみてほしい。

熱燗をしても楽しめる

吟醸酒を熱燗にするのはいけない、という人もいる。それは、吟醸香と呼ばれるフルーティーな香りが飛んでしまうからだ。

しかし、米の旨味を残した50%から40%の精米歩合の大吟醸であれば、その味わいはむしろふくらむ。

純米酒はもちろん、アルコール添加であれば尚味わいの良さが分かるだろう。

ワイングラスで楽しむ

小さなグラス、お猪口などが大吟醸というか、日本酒の飲み方の基本だ。しかし、大吟醸は香りが非常にフルーティーであり、ふわっと広がるところに魅力がある。

近年、その香りを最大限楽しむために、ワイングラスで大吟醸酒を飲むことが推奨されてる。これからは、ワイングラスで試してみよう。

まとめ

おすすめの大吟醸について、大吟醸についての豆知識とともに解説してきたがいかがだっただろうか。ぜひ、大吟醸の奥深さにこれからものめりこんでほしい。