サントリー「へんこつなんこつ」について

サントリーのウイスキー棚

ウイスキー「へんこつなんこつ」。ディープなウイスキーファンであればご存知かもしれないが、初耳という方も多いのではないだろうか。

「へんこつなんこつ」という一見ウイスキーらしからぬ名前のこの一本は、実は知る人ぞ知る超レアなウイスキーなのだ。

ジャパニーズウイスキーの人気が高まっている中、注目されるこのウイスキーは一体どういうものなのか、まずは買取相場も併せて紹介していきたい。

「へんこつなんこつ」とは?

ウイスキー「へんこつなんこつ」は、サントリー会長であった佐治敬三氏の著書「へんこつなんこつ―私の履歴書」の出版を記念して作られたボトルである。

いうまでもなく著書から取られた名前であり、この記念ボトルのラベルには「私の履歴書」という文字も印刷されており、特別仕立ての一本に。

中の方は佐治敬三氏曰く「山崎蒸留所に眠る秘蔵の樽から、私がこれまでに出会い得た最高の秘蔵モルト」が詰められている。

「へんこつなんこつ」の入手方法

ウイスキー「へんこつなんこつ」は、著書の刊行とウイスキーづくり70年感謝の会の記念ボトルとして作られた非売品である。

そもそも市場に発売されたものではないため、手に入れるのは大変困難でもあり、出会うことすら珍しいのが現状となっている。

現在考えられる入手方法としては、オークションで競り落とすのが最も有力といえそうだ。

「へんこつなんこつ」に定価はあるか?

先述したように、「へんこつなんこつ」ボトルは、佐治敬三氏の著書刊行、ウイスキーづくり70年感謝の会のパーティーにて関係者などに配られた記念ボトルであり、非売品である。

そのため、定価・販売価格というのは設定されていない。ただ、現在の市場価格を見てみると、70万円~といった値段で取引されていることが多く、超高額ウイスキーというのは間違いないといえる。

「へんこつなんこつ」の買取相場

ストックラボでは、お酒買取専門の鑑定士が、徹底した市場調査や買取実績、またその経験から信用に足る買取相場を算出。現在の「へんこつなんこつ」は~730,000円前後となっている。

品物の状態によって前後する場合はあるが、かなりの高額であることはお分かりいただけるだろう。ぜひ参考にしてみてはいかがだろうか。

「へんこつなんこつ」が高額になる理由

ウイスキー「へんこつなんこつ」は非常に高額で取引されている。そこには、この一本にそれだけの価値を見出している多くのコレクターやウイスキー通の存在があるということだ。

しかし、どのような理由からここまで高額となっているのだろうか。70万円以上もの価格で取引される理由となる「へんこつなんこつ」の魅力となっている部分にスポットを当てていく。

超希少な非売品ボトルである

希少なボトルと言われているものの多くは、販売数が少なかったものや、原酒不足などの理由から終売してしまったものである。「もう手に入らなくなったもの」の価値が高くなるのは道理だろう。

しかし、この「へんこつなんこつ」は「そもそも手に入らなかったもの(非売品)」なのである。

この記念ボトルが配られたその日、その場所にいることが許された者しか手に入れられなかったものの希少価値は計り知れないのだ。

ウイスキーを広めた「佐治敬三」のカリスマ性

サントリー創業者、鳥居信次郎の次男として生まれ、その後2代目として日本のウイスキー文化を語る上でなくてはならないカリスマ的存在である佐治敬三氏。

そんなサントリー会長の記念ボトルとして造られるということは、サントリーの威信をかけた一本ともいえるだろう。

希少価値だけでなく、その味わいも極上な仕上がりであり、その全ての要素が、喉から手が出るほどウイスキーファンを魅了している。

他にも知っておきたい「へんこつなんこつ」のこと

テーブルの上のウイスキーグラス

ウイスキー「へんこつなんこつ」は、自宅にある宝物として佐治氏の同名の著書とともに飾っておくのも悪くないかもしれない。資産として考えてもそれだけ価値があるものである。

しかし、佐治敬三氏の「やってみなはれ精神」に倣うのであればやはりここは「飲んでみなはれ」といくのはいかがだろうか。

ということでここでは「へんこつなんこつ」の味わいの特徴にあった飲み方を紹介していく。

ミズナラ樽原酒の香りをストレートで

「へんこつなんこつ」はAge Unknow(年代不詳)と呼ばれ、何年熟成といった表記はないが、およそ25~30年熟成された原酒が使われていると言われている。

発売時期から考察するに1960年代のミズナラ樽原酒が使用され、その年代のミズナラ樽特有の香木や線香を思わせる神秘的な香りを味わうのであれば、ぜひストレートで味わっていただきたい。

トワイスアップで色々な表情を垣間見る

「へんこつなんこつ」は佐治敬三氏が選び抜いた最高の秘蔵モルトを吟味して仕上げられたと言われている。この真価はストレートでも十分感じられるのだが、加水することによってさらに魅力的な一面が立ち上ってくる。

表に出ていたミズナラの香りは下支えに回り、他の樽によって生み出されたかのような甘味が際立ち、けして薄まらない余韻が長続きするようになるのだ。この驚きの味わいもぜひ試していただきたい。

まとめ

サントリーウイスキー「へんこつなんこつ」は、日本ウイスキーのカリスマ佐治敬三氏が残した唯一無二のウイスキーといえるだろう。その価値、その存在は永遠に光り輝いていくのだ。