みなさんは近年日本酒が海外から注目を集めていることをご存じでしょうか?
日本酒といえばユネスコ無形文化遺産にも登録された和食に合うお酒というイメージが強いですが、今では世界各国の料理に合う日本酒が誕生しています。
日本酒に関するイベントも世界中で積極的に開催されており、アメリカを中心にイギリス、ドイツ、フランスなどで日本酒ファンを増やし続けています。
そこで今回は、海外で日本酒が人気を集めている理由や有名な銘柄などを徹底調査しました!
詳しく紹介しているので、日本酒についての知識を付けたい方はぜひ参考にしてみてください。
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日本酒に対する海外の反応は?
日本酒は和食との相性が良いため、日本人が好んで飲むお酒という印象がありますが海外の反応はどうなのでしょうか?
なんと日本酒は海外からの需要が年々高まっており、ここ10年間は輸出量と金額が右肩上がりに上昇しています。
アメリカ、ヨーロッパ、アジア、オセアニアなど幅広い地域から注目されており、日本で愛されている日本酒の味をそのまま楽しんだり、その地域の食文化に合うよう改良したりなど楽しみ方は様々です。
現地で日本酒を造るために海外に酒蔵を設立する企業も増えているので、これからますます人気が高まっていくことが予想されます。
海外で日本酒がブームになった理由は?
日本酒に対する海外の反応が変わった理由として2013年に「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されたことが挙げられます。
日本には春夏秋冬の四季があり、それぞれの季節ごとに自然を尊重したおいしい料理が食べられます。
日本の伝統的な食文化である和食が注目されたことで、海外にも和食屋さんや日本食レストランが続々と進出していくことになりました。
それに伴って和食に合うお酒として日本酒の人気にも火が付き、海外でも日本酒に関するイベントが盛んに開催されるようになりました。
今では日本酒は海外から「SAKE」という愛称で呼ばれており、美食家の間ではおいしい日本酒を飲んでいることが一つのステータスになっています。
海外産の日本酒も積極的に作られているので、その地域の風土や文化に根付いた日本酒を飲んでみるのも面白いと思います。
海外で人気の日本酒の銘柄や特徴は?
日本酒に対する海外の反応はどんどん良くなっていますが、地域によって人気の銘柄は変わってきます。
その理由は、地域によって好みの味付けが変わったり、食材の風味に違いがあるからです。
日本では大吟醸や純米酒などが好まれていますが、あまりなじみのないスパークリングの日本酒やフルーティーな日本酒が人気の地域もあります。
その価格も人気を左右する要因となっており、富裕層からの需要が多いタイプの日本酒もあれば、誰でも手軽に買える日本酒が売れているケースもあります。
地域によって差はありますが、下記に海外から人気のある代表的な銘柄を紹介します。
- 獺祭純米大吟醸
- 醸し人久平次(かもしびとくへいじ)
- 男山
- 八海山
- がんばれ父ちゃん
北米での日本酒に関するケース
北米は日本酒がとても人気の地域で、特にアメリカは日本酒の輸出量が世界一となっています。
理由として北米での健康意識の上昇から、日本の伝統文化である和食が注目されたことが挙げられます。
流行に乗る形で和食に合う日本酒も広まっていき、今では現地に酒蔵を作って日本酒を製造している企業もあります。
カナダのバンクーバーなどは水が美しいことで知られているため、その地域独自のおいしい日本酒が作れるようです。
日本酒の原料は80%が水と米と言われているため、国外の原料で作られる新しい銘柄にも期待が高まっています。
国外最大の日本酒イベント「The Joy of Sake」(アメリカ)
「The Joy of SAKE」はアメリカ・ハワイ発の日本酒イベントで、海外では最大級のイベントです。
規模の大きさからも、日本酒が世界からどれほど人気でファンを獲得しているかがうかがえます。
「The Joy of SAKE」はニューヨーク、ホノルル、ロンドンなどで毎年開催されており、2019年には東京でも開催されました。
世界中から選りすぐりの高級レストランが一堂に会し、このイベントのためだけに作られた日本酒に合う料理を披露します。
日本酒銘柄は約500種類も揃っており、日本酒初心者からマニアまで楽しむことができます。
各企業がそれぞれの地域から自慢の日本酒を持ってきてスポンサーブースを出店しているので、来場者は自分が気になる日本酒を試飲して回ることができます。
全種類を制覇するのは難しいので、興味がある方は事前にどこの日本酒を飲むか決めてから行くようにしましょう。
アメリカで人気の日本酒銘柄
アメリカではお肉のガツンとした料理が多いので、それを邪魔しない優しい味付けの日本酒が好まれる傾向にあります。
下記にアメリカで人気の日本酒銘柄を紹介します。
男山
男山は北海道旭川で作られている日本酒で、世界中のお酒コンテストや大会で数多くの金賞を受賞しています。
日本百名山の一つである大雪山から流れる水で作られており、ちょっぴり辛さを持ちながら香りや風味をしっかり感じ取れる飲みやすい日本酒になっています。
獺祭
日本でも有名な獺祭はアメリカからも大変注目されている日本酒です。
獺祭は酒米の代表とも言える山田錦を5割以上使っている日本酒で、フルーティーな香りと甘味が特徴的です。
普段お酒を飲まない人やワイン好きの人でも飲みやすい日本酒となっており、世界中にファンを獲得しているお酒となっています。
ヨーロッパでの日本酒に関するケース
ヨーロッパのお酒といえばワインを思い浮かべる人が多いと思いますが、最近では日本酒の人気も徐々に高まってきています。
ただし、その人気にはまだまだ伸びしろがあり、注目されている日本酒銘柄は西洋料理のアクセントとして使える食中酒が多い印象です。
西洋料理によりコクを付けたいという理由から、酸味の中にもほんのり甘味が残る日本酒が好まれています。
ヨーロッパでも日本酒に関するイベントは積極的に行われているので、これからますます人気が高まっていくことが予想されます。
一般的な家庭でワイングラスに日本酒を入れて楽しむ姿が見られるのも、そう遠くないかもしれません。
日本酒イベント SALON DU SAKÉ(フランス)
「Salon du Sake」はフランスのパリで開催されるヨーロッパ最大規模の日本酒イベントです。
2014年から毎年開催されており、ヨーロッパを中心に世界各国から約5000人もの日本酒マニアが集まります。
このイベントを開催しているシルヴァン・ユエさんは大の日本酒好きで、日本酒をヨーロッパにも広めたいという想いから、イベント開催費などを全てボランティアで賄っています。
それでも日本からは北海道、岡山県、佐賀県などからこのイベントへの出店があり、日本酒の魅力を世界中に広める重要なイベントになっています。
ヨーロッパでは気軽に日本酒の試飲や購入ができるお店が少ないので、現地の日本酒マニアにとっては自分のお気に入りの日本酒を見つけたり、新しい知識を得たり、友人を作ったりする場としても親しまれています。
このイベントをきっかけに少しずつ日本酒に対するイメージが変わって、ヨーロッパの食卓でもワインと日本酒が隣り合わせで並ぶようになるかもしれません。
ワインコンテストIWC 日本酒部門(イギリス)
ワインコンテストIWCはイギリスで開催される世界最大規模のワインコンテストです。
世界各国から選りすぐりのワイン専門家が集結して最高のワインを決めるコンテストで、2007年に最高の日本酒を決める「SAKE部門」も作られました。
IWCの受賞酒は世界中から注目され、受賞後一瞬で完売することもあるため日本酒を世界に広めるための重要なイベントになっています。
SAKE部門には「普通酒」「純米酒」「純米吟醸酒」「純米大吟醸酒」「本醸造酒」「吟醸酒」「大吟醸酒」「スパークリング」「古酒」の9つのジャンルがあり、2021年は国内外から1,499銘柄もの日本酒が出店されました。
2021年にSAKE部門の最高賞として選ばれた「チャンピオン・サケ」は長野県産の「御湖鶴 純米吟醸 山恵錦」でした。
気になる方は購入を検討してみてはいかがでしょうか。
ヨーロッパで人気の日本酒銘柄
ヨーロッパで人気の日本酒は食中酒です。
西洋料理は油脂類や香辛料を多く使うため、味をまろやかにするために酸味の中にほんのり甘味を感じるような日本酒が好まれます。
以下にヨーロッパで人気の日本酒銘柄を紹介します。
醸し人九平次(かもしびとくへいじ)
「醸し人九平次」は愛知県名古屋市にある萬乗醸造が造る日本酒です。
苦味、渋味、酸味をあえて残しつつ、フルーティーな味わいも楽しめるお酒となっており、ヨーロッパを始め世界中から好まれる日本酒の一つです。
ラインナップも豊富で普段あまり日本酒を飲まない人から、お酒が大好きな人まで幅広い層が楽しめる銘柄になっています。
ヨーロッパでは高級レストランや和食屋さんで提供されることが多く、これからますます有名になっていくことが予想されます。
勝山 純米大吟醸 伝
勝山酒造が作る「純米大吟醸 伝」もヨーロッパで人気の日本酒銘柄です。
最高級の酒米として知られる山田錦を35%まで削って作られるお酒で、しっかりとした味わいと豊かな香りから様々な料理に使われます。
ヨーロッパでも西洋料理と併せて使われることが多く、深い味わいとコクがでることから好まれている日本酒です。
アジアでの日本酒に関するケース
アジアでは価格を重視して日本酒を楽しむ傾向があります。
韓国などの地域は、日常的にお酒を飲む習慣があるため飲酒率が比較的高いです。
そのため、一般家庭用でも日本酒を楽しめるようにできるだけ価格を抑えて販売されています。
一方、中国や台湾では接待や贈答品の目的で高級な日本酒が人気となっています。
きれいなパッケージや縁起のいい名前が入っているお酒は、プレゼントとして好まれるようです。
地域によって日本酒が好まれる理由は様々ですが、どこの国でも高級レストランではしっかりとした味わいの日本酒を飲むことができます。
SEAFOOD LOVES SAKE(シンガポール)
近年日本酒の輸出量が急激に増えているシンガポールでは、さらなる日本酒ファン獲得が期待できる地域でもあります。
関税などの影響から日本酒の価格は高くなりがちなので、富裕層に向けた日本酒作りが盛んです。
シンガポールでは日本酒は和食にしか合わないというイメージを失くしてもらうために、「SEAFOOD LOVES SAKE」のコンセプトで統合型マーケティング・コミュニケーション(IMC)というイベントが行われています。
様々なジャンルのレストランで魚介料理と日本酒のペアメニューを提供することで、来場者に新しい日本酒の可能性を知ってもらう貴重な場になっています。
シンガポールは気軽に日本酒について語ったり、試飲ができる場所がまだ少ないので現地の日本酒ファンからは非常に人気があるようです。
中国で人気の日本酒銘柄
中国では日本から輸出した日本酒が飲まれることが多いですが、関税などの影響でどうしても価格が高くなってしまいます。
日本の倍以上する日本酒もありますが、人気なものだと売り切れてしまうほど需要があるようです。
下記に中国で人気の日本酒銘柄を紹介します。
梵 ゴールド
梵 ゴールドは福井県鯖江市で作られた純米大吟醸です。
女性から高い支持を集めている日本酒で、スッキリした香りとコクのある味わいが特徴的な日本酒になっています。
見た目も華やかなためプレゼントとしても購入されることが多い日本酒です。
白龍
龍のパッケージが特徴的な白龍は中国で人気の日本酒です。
中国の伝説に出てくるドラゴンにちなんで、贈答品として多く購入されています。
瑞々しさを残したまま、厚みのある味わいを感じることができるので、富裕層からも好んで飲まれる日本酒でもあります。
韓国で人気の日本酒銘柄
韓国では日本のスタイルに似た居酒屋が増えたこともあり、大衆居酒屋でもおいしい日本酒を飲むことができます。
そのため、リーズナブルで誰からも好かれる味わいの日本酒が好まれます。
下記に韓国で人気の日本酒銘柄を紹介します。
がんばれ父ちゃん
日本ではあまりなじみのない銘柄ですが「がんばれ父ちゃん」は韓国で大ヒットしている日本酒で、居酒屋に行けば必ず見かけます。
インパクトのあるパッケージと、手ごろな価格で日本酒を楽しめることから若者を中心に親しまれています。
パック酒での販売もしているので、自宅で手軽に日本酒を楽しめることから韓国で人気となったようです。
オセアニアでの日本酒に関するケース
オセアニアでは年々和食レストランが進出しており、日本食の人気が加速している地域です。
オセアニアは元々多くの民族がいた地域なので、タイ料理やインド料理など幅が広いジャンルの料理が楽しめることが特徴でもあります。
そのため、日本酒にはいろんな料理の味わいに負けない強さを持ちながら、更においしさを引き出すような風味が求められます。
今後ますます日本酒の人気がでてくる地域なので、多くの企業がオセアニアに進出していくことが予想されます。
オーストラリアで人気の日本酒銘柄
オーストラリアは多民族国家ということもあり、普段から様々な国の料理を食べる機会があります。
元々ワインを飲む文化も根付いているため、日本酒にもインパクトのある味わいが求められます。
そのため、大吟醸などの重厚感のある日本酒が好まれているようです。
下記にオーストラリアで人気の日本酒銘柄を紹介します。
菊泉ひとすじ
菊泉ひとすじはシャンパン製法を応用した日本酒で、透明な発泡性純米酒です。
やさしい甘さとピリッとした酸味を感じられる濃厚な味わいの酒となっており、炭酸の効果で口当たりも良くなっています。
シュワシュワする爽やかさと酸味は、いろんなジャンルの料理のおいしさを引き立てるのに最適です。
まとめ
日本酒が海外から注目されている理由や人気な銘柄について徹底解説しました。
深みのある香りとコクが感じられる日本酒は、世界中の料理のうま味を引き立てたり、夜の晩酌で飲まれたりと幅広い用途で親しまれています。
海外では積極的に日本酒イベントが開催されているため、これからますます注目が集まっていくと考えられます。
みなさんも国内だけでなく世界の日本酒に視野を広げて、お気に入りの銘柄を見つけてみてはいかがでしょうか。
古物商許可証取得。酒類販売責任者。
株式会社ストックラボの鑑定責任者、真贋査定士、及び出張買取責任者。 複数の買取会社でウイスキー・ワイン・日本酒・焼酎・ブランデーなどの幅広いお酒の買取鑑定・査定を行ってきた鑑定士歴7年のエグゼクティブバイヤー。