【この記事でわかること】

  • 高級シャンパンクリュッグ(krug)の概要
  • 高級シャンパンクリュッグ(krug)の種類と値段
  • 高級シャンパンクリュッグ(krug)とドンペリの違い
  • 高級シャンパンクリュッグ(krug)の味わい

高級シャンパンクリュッグ(krug)とは?

はじめに「クリュッグ(krug)」とはどのようなシャンパンなのか。モエ エ シャンドンのような有名シャンパンにも劣らない知名度のシャンパーニュの概要についてご紹介します。世界で愛されるシャンパーニュ「クリュッグ」はどのようにして超高級シャンパンとしての地位を確立させ、シャンパンの帝王という異名を選るまでに至ったのでしょうか。

シャンパンの帝王

「クリュッグ(krug)」は毎年天候に左右されない最高の高級シャンパンを造ることを目指して確立されたブランドです。シャンパーニュ造りの際は、ぶどう果汁の一次発酵を経て造られるリザーブワインを銘柄のイメージに沿ってブレンドされるのですが、クリュッグはリザーブワインの発酵にも樽を使用。期間は長いもので15年間も熟成されます。

そうして造られるリザーブワインの種類は250種類。保管されている150種類と合わせて400種類のワインがテイスティングの後にアッサンブラージュ(調合)され、瓶内二次発酵でさらに長期間の熟成をおこないます。

これら伝統的な製法はとても手間がかかりますが、深みのある風味を生み出すことで「シャンパンの帝王」の異名を得るような味となるのです。

クリュッグの歴史

「クリュッグ(krug)」がシャンパーニュ地方のランスに設立されたのは1843年のことです。ブランド名は創設者である「ヨーゼフ・クリュッグ」の名前から取られました。

先述のこだわりある製法が高い評価を獲得し、19世紀後半にはフランス国内のみならずイギリスをはじめとした各国から支持を得るまでに至りました。20世紀に入った1903年には英国王室御用達の認定を受けるなど、クリュッグの高級シャンパンとしてのブランドイメージは、最高潮の位置で確立されることとなったのです。

1999年には「モエ ヘネシー ルイ ヴィトン」の傘下に入りました。同社はクリュッグ以外にも数種類の高級銘柄を扱っていますが、クリュッグ独自の伝統製法は固守され続けています。

クリュッグの評価

「クリュッグ(krug)」は非常に高い評価を得ており、国内外の著名人にも愛好家がいることで知られています。ココ・シャネルやアーネスト・ヘミングウェイもその一人であると言われており、クリュッグをこよなく愛する人のことを「クリュギスト」と呼ばれます。中にはクリュッグ以外のお酒は口にしないと誓うほど、クリュッグに魅了された人も。味の面においても、数々の品評会にて評論家からの称賛を受けています。

フランスでは特に大切にもてなす国賓との食事の席で、クリュッグが選ばれています。また1998年にイギリスのエリザベス皇太后がした際には、病室にクリュッグを持ち込んでいたというエピソードまであるほど。高級シャンパンとしてのブランドイメージだけでなく、高い品質の味わいでも人を虜にするシャンパンであることが帝王の名にぴったりです。

高級シャンパン クリュッグ値段・種類

シャンパーニュの帝王「クリュッグ(krug)」には王道からプレステージ キュヴェまでいくつかの種類が存在します。どれも最高級シャンパンとして売られている物で、クリュッグの値段もとびきりの価格です。今回はそんなクリュッグの代表的なものを6種類ご紹介します。

クリュッグ グランド キュヴェ

出典:クリュッグ公式サイト

「クリュッグ グランド キュヴェ」は「クリュッグ(krug)」のベースとなる銘柄で、創業以来造られ続けているラベルでもあります。高級シャンパンとしてのブランドを確かなものにしたものと言えるでしょう。色は通常のシャンパン同様に白ワインの色。代表的な銘柄だけあって生産量もクリュッグとしては最も多く、手に入りやすいクリュッグでもあります。

本来であれば、グランドキュヴェは他のシャンパンブランドにおける「NV(ノンヴィンテージ)」に相当します。しかしクリュッグのブランドイメージが高いのと、様々な年代のワインがアッサンブラージュされているために、シャンパン愛好家からは「マルチヴィンテージ」と呼ばれています。

ベースとなっているワインが造られた年代によって3桁の数字が付与されており、現在主に流通している商品はエディション169とエディション170です。

クリュッグ グランド キュヴェの値段

2022年12月現在、世界中で飲まれているシャンパーニュ「クリュッグ グランドキュヴェ」は主にエディション170が各ECサイトで購入できます。Amazonでは箱無しのボトルが4万404円から。箱付きが4万6999円から販売されています。またハーフボトルもラインアップされており、こちらは箱無しのボトルで2万3800円からです。

グランドキュヴェは最も廉価な「クリュッグ(krug)」と言われています。それで4万円からという値段は、まさに最高級のシャンパンに相応しいです。

クリュッグ ロゼ

出典:クリュッグ公式サイト

「クリュッグ ロゼ」はシャンパーニュの帝王の「クリュッグ(krug)」の歴史の中では比較的新しくラインアップに加わったもので、初めて発売されたのは1983年です。その名の通り白ではなくロゼワインの色を発しており、クリュッグ ロゼのシャンパンは世界最高のロゼシャンパンとまで言われています。

クリュッグ家5代目の経営者兄弟は、世界各地の愛好家達から「クリュッグのロゼが飲んでみたい。他の高級シャンパンとも全く異なるものになるだろう」との声を聞かされていました。クリュッグがロゼシャンパンの開発に着手したのは1976年のことでしたが、それから実に7年の歳月を掛けて発表までに至ることとなったのです。

瓶詰めされたシャンパンは、7年の熟成期を経過させることで高貴な味わいに仕上がります。シャンパンはロゼが好みとう方には忘れられない時間をもたらしてくれるほど魅力的な味わいです。

クリュッグ ロゼの値段

2022年12月現在、人気のシャンパーニュ「クリュッグ ロゼ」は主にエディション24が各ECサイトで購入できます。Amazonでは箱無しのボトルが5万8583円から。箱付きが6万4800円から販売されています。グランドキュヴェとは異なり、ハーフボトルのラインアップはありません。

ロゼシャンパンは値段が通常のシャンパンの1.5倍以上になると言われており、「クリュッグ(krug)」においても例外ではありません。クリュッグの6万円近い値段は、最高級のシャンパンらしい価格と言えるでしょう。キャバクラなど夜のお店では何十万円もするような商品なので、まずは通販で購入して確かな味わいを楽しんでみてはいかがでしょうか。

クリュッグ ヴィンテージ

出典:クリュッグ公式サイト

「クリュッグ ヴィンテージ」は単一の年に造られたワインのみで造られるボトルです。様々な年代のワインを組み合わせて造られる「クリュッグ(krug)」としては特別な存在とも言えるワインで、良質なワインができあがった年にしか造られない希少性も特徴となっているシャンパーニュです。

単一年に造られたワインの中でも特に味わい豊かなワインが選ばれてアッサンブラージュされ、瓶詰めされたあとは最低でも10年以上という熟成期を経過する必要があります。2022年12月現在、公式サイトにラインアップされている最も新しいクリュッグヴィンテージは2008年のものです。

年によって微妙に味わいがことなるのも高級シャンパンにおけるヴィンテージの魅力の1つで、それぞれの香りの違いを感じるのもクリュギストの楽しみになっています。クリュッグ ヴェンテージの高貴な味わいを楽しんでみてください。

クリュッグ ヴィンテージの値段

2022年12月現在、「クリュッグ ヴィンテージ」は様々な年代のものが高値で取引されており、Amazonでは2008年のヴィンテージが14万7000円から。楽天市場では2004年や1998年ものが8万8000円という値段で販売されています。クリュッグ ヴィンテージの価格はヴィンテージの古いものでは20万円を超えるものもあるようです。

ヴィンテージものはワインの中でも特に値段が付きやすい傾向にあり、「クリュッグ(krug)」という最高級のシャンパンにおいても例外ではないようです。

クリュッグ クロ・デュ・メニル

出典:クリュッグ公式サイト

上述した「クリュッグ ヴィンテージ」は単一の年に造られたワインのみで造られるボトルでしたが、「クリュッグ クロ・デュ・メニル」は更にこだわりが強まり、同じ区画の畑から収穫されたシャルドネのみを使用した高級シャンパンとなっています。その畑はメニル・シュール・オジェ村に位置しており、約300年にもわたって石垣で守られている大事なぶどう畑です。

「クリュッグ(krug)」がその畑を発見したのは1971年のことで、畑の環境は当時の経営者兄弟の琴線に触れました。すぐにクリュッグによって畑は購入されましたが、その畑で収穫されたぶどうで造られるシャンパンには独自の個性的な味わいがあるとされ、1979年にクロ・デュ・メニルの最初のボトルが誕生しました。

クリュッグ クロ・デュ・メニルの値段

2022年12月現在、「クリュッグ クロ・デュ・メニル」は非常に高い値段で取引されています。Amazonでは2006年のボトルが28万9000円。楽天市場では2004年や2002年のボトルが45万円。1982年のものに遡ると、79万円です。

単一の産地の原材料から造られる、ヴィンテージ以上に特別なボトルですから、「クリュッグ(krug)」という最高級のシャンパンブランドの名に恥じぬ高い価格と言えるでしょう。

クリュッグ クロ・ダンボネ

出典:クリュッグ公式サイト

上述した「クリュッグ クロ・デュ・メニル」は単一の年に単一の畑で作られたぶどうを原料としたワインのみで造られるボトルでしたが、「クリュッグ クロ・ダンボネ」も同様のコンセプトで造られている高級シャンパンです。こちらは、同じ区画の畑から収穫されたピノ・ノワールのみを使用。その畑はアンボネ村に位置しており、「クリュッグ(krug)」の立ち上げ以来ぶどう造りが行われ続けてきた大事な場所でもあります。

クロ・デュ・メニルが大成功を収めた事を受け、当時の経営者兄弟は長年世話になり続けてきた土地と畑、ぶどうにリスペクトを込めたシャンパン造りを決意しました。クロ・ダンボネに使われるぶどうの区画は厳選に厳選が重ねられ、2007年になってようやく世に出ることとなったのです。

クリュッグ クロ・ダンボネの値段

2022年12月現在、「クリュッグ クロ・ダンボネ」は更に非常に高い値段で取引されています。楽天市場では2002年のボトルが102万3000円のものが見つかりました。Amazonではクリュッグ クロ・ダンボネの取り扱いがなく、その他のECサイトでも、在庫がないお店ばかり。非常に希少なワインであることが窺えます。

単一の産地の原材料から造られるボトルですが、クロ・デュ・メニル以上の希少性と値段です。最高級シャンパンブランド「クリュッグ(krug)」のブランド力を感じさせると言えます。

クリュッグ コレクション

出典:クリュッグ公式サイト

「クリュッグ コレクション」は、「クリュッグ ヴィンテージ」としてボトリングされたものの一部をセラーに保管して長期熟成を施した高級シャンパンです。2022年12月現在で公式サイトにラインアップされている最新のコレクションで1990年もの。長い間愛され続けている「クリュッグ(krug)」ならではとも言えるワインで、熟成を重ねることによって深みが増すだけでなく、新たな味わいを発見できるワインとしても人気です。

クリュッグコレクションを購入した人は、6代目となる現在の経営者オリヴィエ・クリュッグ氏の署名が入った証明書を受け取ることもできます。クリュギストにとっては名誉の1つと言えるのではないでしょうか。

クリュッグ コレクションの値段

2022年12月現在、「クリュッグ コレクション」はあらゆるECサイトにて在庫切れとなっており、購入は非常に困難となっています。通販サイトに残っていた値段によると、1990年もので27万5000円、1982年ものが39万8000円で売られていたようです。

クリュッグコレクションそのものの希少性もさることながら、「クリュッグ(krug)」という最高級のシャンパンの人気ぶりを感じさせます。

高級シャンパーニュ クリュッグ(krug)のおすすめの飲み方・ペアリング

値段が高く味の良い「クリュッグ(krug)」をより美味しく楽しむ飲み方として、ペアリングについてご紹介します。

ワインにおけるペアリングとは、料理と組み合わせて双方の味わいを一緒に味わう飲み方を指します。クリュッグをはじめとしたシャンパンのみならず、あらゆるワインで親しまれている飲み方です。高級レストランなどではこのペアリングを重視しており、料理に合うワインをソムリエが厳選してお客に案内します。

ペアリングの考え方はクリュッグも重視しており、世界各国のクリュッグアンバサダーシェフと共同で毎年一種類の食材をピックアップ。クリュッグシャンパンとのペアリングを追求する試みを実施しています。2022年はライス(米)がテーマとなっていて、日本人シェフをはじめとした各国の料理人がレシピを発表しました。

クリュッグ(krug)とドンペリの違いは?

冒頭でお伝えしたとおり、日本において高級シャンパンのイメージが強いのは「ドンペリ」という通称が有名なドン・ペリニヨンです。キャバクラなど夜のお店でも見かけることも多くあります。

ドン・ペリニヨンも「クリュッグ(krug)」も同じシャンパンの1ブランドであることに変わりはありません。しかしながらドン・ペリニヨンは生産量が高級シャンパンの中では比較的多めで、最廉価のボトルは日本円で3万円前後で購入できるなど、クリュッグと比較するとやや手に入りやすくもあります。

熟成年数やぶどうの種類による種類分けもクリュッグと似通っています。

【体験談】クリュッグ(krug)を実際に飲んだ感想

今回は世界で愛される「クリュッグ(krug)」グランドキュヴェのエディション170のテイスティング体験談です。

シャンパングラスに注ぐと、底からきめ細やかな泡が立ち上がり、豊かな香りを開かせます。顔に近づければ、柑橘を基調とした爽やかなフルーティーさを感じられ、鼻の中を突き抜けます。

軽く口に含ませると、ほのかな炭酸の刺激と共に口いっぱいに広がる味と香り。先ほどの香りに加え、ナッツや蜂蜜の甘みも膨らみました。爽やかさとまろやかさが同居する口当たりの良さは、その味わいを瞬く間に全身の感覚に伝えると共に、まるで白昼夢の如くあっというまに意識を引き戻しました。

余韻たっぷりでも、次の一口をさっと飲むか、それとも大切に少しずつ飲むかの葛藤が始まりながら時間が経過していくのを感じられます。最高級シャンパンブランドのテイスティングに相応しい経験ができました。

まとめ

今回紹介したシャンパーニュ「クリュッグ(krug)」はシャンパンの帝王の異名に相応しい味わいで、ラインアップも最高のものを取り揃えるための情熱を感じさせるものとなりました。シャンパーニュ造りの方針から価格や希少性も大きく、現在では入手困難な銘柄もあるようです。

もし街中で高級シャンパーニュのクリュッグを見かけることがあったら、迷わず購入することをおすすめします。お酒の愛好家として、最高のシャンパーニュは一度は経験すべき時間を得ることができます。