シャンパンの王様!ドンぺリニヨンの歴史

シャンパンの王様!ドンぺリニヨンの歴史

「ドンペリ」と聞くと、「高価」や「特別」、「極上」といったイメージを思い浮かぶ方も多く、日本では「特別な日を演出してくれる極上のお酒」して浸透していますね。そもそも「ドンペリ」とは、発泡性ワインであるシャンパーニュのヴィンテージものの1つです。そして一般的に知られている発泡性ワインには、2種類の呼び方があります。

2016.01.23

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ドンペリ」と聞くと、「高価」や「特別」、「極上」といったイメージを思い浮かぶ方も多く、日本では「特別な日を演出してくれる極上のお酒」して浸透していますね。

 

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■発泡性ワインの種類


 

そもそも「ドンペリ」とは、発泡性ワインであるシャンパーニュのヴィンテージものの1つです。そして一般的に知られている発泡性ワインには、2種類の呼び方があります。

 

1》シャンパーニュ

 

フランスのシャンパーニュ地方で造られた発泡性ワインのことで、フランス内で定められた、厳しい条件を満たすワインのみが名乗ることができる名称です。

 

2》スパークリングワイン

 

シャンパーニュに該当しない発泡性ワインの総称のことです。スパークリングワインに比べると、生産量が少ないシャンパーニュの、さらにヴィンテージの一つがドンペリなのですから、その希少性の高さからも高級ワインであることが想像できますね。

 

■モエ・エ・シャンドン社


 

05画像:mhdkk.com

 

現在の生産者はフランスの老舗メゾン、モエ・エ・シャンドン社。シャンパーニュの生産量・出荷量・ストックは最大の規模を持つと言われており、そのモエ・エ・シャンドン社が持つ、1つのブランドが「ドンペリ」です。

 

同社が販売するもう1つのブランドに「モエ・エ・シャンドン」がありますが、瓶口に被せてある金紙に”MOET”と記載してあるシャンパーニュと言えば有名ですよね。

 

■ドン・ペリニヨン


 

04画像:domperignondecoding.tumblr

 

日本ではあまりに馴染みが深い呼称「ドンペリ」の正式名称は、「ン・ペリニヨン」と呼ばれています。「ドンペリ」の呼称は実は世界共通の呼称ではないので、海外で「ドンペリ」を注文する際には、気をつけましょう。

 

「ドン・ペリニヨン」の起源は、シャンパーニュ製法を発明したといわれている修道士の名前「ドン・ピエール・ペリニヨン」に由来し、現在ではシャンパーニュの最高級ブランドに与えられる名称となりました。

 

03画像:domperignondecoding.tumblr

 

17世紀後半、ドン・ピエール・ペリニヨンはシャンパーニュ地方オーヴィレール修道院の修道士でした。

 

当時シャンパーニュ地方は、赤ワイン造りが盛んで、修道院主導のもとワイン造りが行われていましたが、肝心のワイン造りはなかなか上手くいかず、その原因である「泡のあるワインの存在」に修道士たちは頭を悩ませていました。まだガラス瓶がワインに使用される前の時代の話であり、樽に入れて保管されたワインに時折“泡”が見られたのです。

 

■忌み嫌われた"泡のあるワイン"


 

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ブドウからワインになる過程は単純で、収穫されたブドウを搾り、ブドウ果汁にします。そのブドウ果汁には糖分が含まれているので、その糖分がアルコールと二酸化炭素に分解されワインというアルコール飲料が出来上がります。

 

なんとブドウを搾って放置するだけで、ワインが造られるのですから、凄いですよね。

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毎年秋になるとワインの醸造シーズン到来ですが、秋深くなるとシャンパーニュ地方はフランス北部に位置している為、気温が下がります。時には醗酵が完全に終わる前に冬を迎えることもあり、そうすると完全に糖分がアルコールに変わる前に気温が下がってしまうため、酵母が活動を休止し発酵が間に合わない状態になってしまうのです。

 

しかし当時は温度を管理するような技術もなく、またワインの造り手達も酵母が休止したかどうかなんてことを、知る術もありませんでした。そして春になり暖かくなったころ、酵母が活動再開します。

 

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ワインが保管されている樽には栓がしてありますから、醗酵により生成された二酸化炭素が逃げる場所はありません。醗酵途中に生成された二酸化炭素がワインに溶け込み泡になりますが、何も知らない修道士達は、「このワイン泡がある!?」となったのです。

 

しかも昔は樽の強度も弱く、炭酸のせいで樽が爆発し怪我人も出たりした事から、「悪魔のいたずら」や「悪魔の酒」など言われていました。こうして忌み嫌われた「泡のあるワイン」が出来あがったのです。

 

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当時の泡は現在のシャンパーニュのような洗練された泡ではなく、雑味になるような荒い泡でした。この泡をどうにかしたいと当時の修道士たちは皆頭を悩ませていたのです

 

そしてシャンパーニュを発明したと言われる修道士ドン・ペリニヨンも例外ではなく、同じく「泡のあるワイン」をなんとかしたいと思っていた1人でした。修道士ドン・ペリニヨンが生涯をかけて取り組んだのは、泡のあるシャンパーニュ造りではなく、常に泡の無いワインを造ることだったのです。

 

■修道士ドン・ペリニヨンの苦悩


 

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ワインが発泡しないための試行錯誤が始まります。修道士ドン・ペリニヨンは美味しい白ワインを造りたいと考えていました。

 

当時のシャンパーニュ地方は赤ワインの原料である、黒ブドウの産地でしたが、気候的に厳しいシャンパーニュ地方では、ブルゴーニュ地方で造る赤ワインにはかなわないと知っていたからです。そしてある日、彼は黒ブドウから白ワインを造ることを思いつきます。

 

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黒ブドウも軽く搾ればそれほど果皮の色がワインに移らないので、それをワイン造りに上手く使えないかと考えるようになりました。

 

また泡の原因である再醗酵が起こる確率も、白ブドウより黒ブドウの方が低いこともあり、再醗酵の可能性を考えつつワインを造る必要があったための、苦肉の策だったと言えるでしょう。しかもシャンパーニュ地方はフランスのブドウ栽培地の中でもかなり北部に位置しており、毎年安定したブドウが収穫出来ませんでした

 

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そこで彼は、畑ごとのブドウの熟し具合の違いをうまくブレンドすることで、味のばらつきをなくしバランスが取れたワインにすることを考えます。現在のシャンパーニュにヴィンテージものが少ないのは、このブレンドの歴史があるからでしょう

 

実際ドン・ペリニヨンは、素晴らしいブレンダーだったようで、彼の造ったワインはたちまち評判になりました。

 

■シャンパーニュの誕生


 

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当時シャンパーニュ地方のワインは、イギリスへの輸出が樽に入った状態でされていました。フランス産の「泡のないワイン」として出来立てのワインを出荷していたのですが、幸か不幸か丁度その頃、イギリスにおいてワインの歴史にようやくガラス瓶が登場し始めます。

 

ワインの酸化や腐敗を防ぐ目的で、樽に入っているワインはガラス瓶に入れ替えられるようになりました。しかし樽に入ったワインが発泡するのであれば、例外なく瓶に移し替えても発泡します

 

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樽に入っていたシャンパーニュ産のワインはガラス瓶に入れ替えられましたが、瓶口から溢れ出す泡と、グラスに注がれた白ワインの美しさと華やかさに、イギリスの貴族階級の人々は魅了され、すぐに流行し始めました。

 

そしてその流れがフランスの宮廷に届くのも時間の問題で、宮廷の華やかなイメージと相まって大いに受け入れられたのです。

 

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修道士ドン・ペリニヨンの思惑とは完全に違いますが、泡のある白ワインは瞬く間に王室で人気のワインになりました。現在のシャンパーニュは瓶内二次発酵という行程を経て、ワインに泡を含ませています

 

一度ワインとして完成したものを瓶詰めし、そこに酵母と蔗糖(糖分)を加えて栓をし再び発酵させて生成される二酸化炭素をワインに閉じ込めるのです。こうしてシャンパーニュ地方が故に偶然の造りだされた「泡のあるワイン」から、現在の繊細で華やかなシャンパーニュに至る歴史へと繋がることになったのです。

 

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