高級ウイスキー「山崎50年」について
日本の最高峰シングルモルトウイスキーとして、世界にその名を轟かしているサントリー「山崎」。中でも山崎ブランドの頂点として君臨するのがこの「山崎50年」だ。
半世紀という格別の熟成年数一つとってもその価値は透けて見えてくるが、ここでは山崎50年について詳しく知っていただきたい。
「山崎50年」とは?
山崎50年はこれまでにファーストリリースで2005年50本限定、2007年50本限定、2011年150本限定で、三度発売された超長期熟成シングルモルトである。アルコール度数は57%と非常に高いお酒で、滑らかなコクとかすかな燻煙香が特徴。長期熟成された場合、熟成香が漂うのはワインなどのお酒にも言えることだ。
50年を超えるモルト原酒を使用したウイスキーは世界でも珍しく、発売されるやいなや即完売という人気ぶりを見せた。
次の発売は決まっておらず、今では世界中のファンが求めてやまない一本と言えるだろう。
「山崎50年」の入手方法
山崎50年を今から手に入れるのであれば、オークションハウスが唯一の方法と言える。そして、一度オークションに出品されれば世界中の金に糸目をつけない愛好家と競ることになるだろう。
方法としてはそのように言えるものの、現実的には不可能に近いと言うのが適切かもしれない。それほど今からの入手は困難である。わずかな可能性にかけるのであればオークションを確認することをおすすめする。
「山崎50年」に定価はあるか?
山崎50年はアルコール度数57%700mlで希望小売価格税抜100万円で発売された高級ウイスキーである。
これほどの価格でも「安い」とさえ言われたというから驚きだが、現在では途方もない価格になっているのは言うまでもないだろう。
100万円払う用意があっても、運がなければ手に入らなかったこのウイスキーの価値は計り知れない。
「山崎50年」の買取相場
これほどの高級ウイスキーとなると、買取相場を算出するのにはかなりの経験や知識が必要である。その点、ストックラボでは酒専門の鑑定士が、詳細な市場調査などを経て慎重に相場を発表している。
物の状態などによってはこの限りではないが、信頼できる参考価格として押さえておいていただければと思う。
サントリー山崎50年 買取相場
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~50,000,000円前後
(※2022年7月現在)
「山崎50年」が高額になる理由
定価100万円のウイスキーが、現在ではそんなものではきかない高額で取引されているのには必ず理由がある。ここではなぜ山崎50年は高額になるのか、それに見合う理由はあるのかという点を紹介していきたい。
ウイスキーを嗜む方ならきっと「なるほど」と納得していただけるのではないだろうか。
3250万円で落札!?海外でも高まる需要
2018年1月、山崎50年が香港のオークションにかけられ競り落とされた。出品者も落札者も明かされていないがその落札金額はなんと3,250万円だった。
オークションでの出来事はニュースとなって日本国内でも話題になったが、このウイスキーを求める熱がいかに高いものであるのか証明したと言えるだろう。それほどどうしても手に入れたいという価値を持っているのだ。
数量限定の超プレミアムウイスキー
2005年と2007年は50本限定、そして2011年では150限定で発売された山崎50年。
さきほどのオークションの結果からも分かるように、供給に対し需要が大きすぎるこの状況が、ますますこのウイスキーの希少価値を高めていく。
しかし、50年という熟成期間を考えると、150本でもかなりの量であるだろう。今後この量で発売されることはないのかもしれない。
酒齢50年以上の希少な長期熟成モルト原酒
酒齢50年以上のモルト原酒を使用したウイスキーは、世界的にも非常に珍しいほどの超長期熟成であり、大変希少なものである。
そしてこれはただのウイスキーではなく、世界で評価されている山崎の原酒だ。「50年もののウイスキー」という単純なこの理由こそが一番の高額になる理由であるのは間違いないだろう。
他にも知っておきたい「山崎50年」のこと
ここまで山崎50年の希少性、価値、価格に着目してご紹介してきたが、ここではウイスキー本来の姿である味わいについて触れてみたい。
山崎50年はどのような味わいを持っているのか、想像しながらご覧いただければ思う。
評価の低かったミズナラ樽が花開く
山崎50年を直接にしろ写真にしろ見たことがある方は、その色に驚いたのではないだろうか。ウイスキーとは思えないほどの赤みがかった深い琥珀色は、ミズナラ樽特有のものである。
そして、山崎の代名詞ともなっている香木伽羅を感じさせる芳しい香りもミズナラ樽のおかげだ。その昔、評価されなかったこの樽は、50年という長期によって完全に開花し、山崎の味わいを支えている。
時の流れと重さが醸す味
山崎50年をグラスに注ぐとグラスに纏わりつくような粘度を感じさせる。同じ山崎でもこれほどのものはなく、50年という時間がもたらすものだろう。
そしてこのねっとりした液体からは、この上なく重厚で深い香りがし、濃厚なチョコレートのような甘味も感じられる。他と比べると、同じウイスキーというカテゴリーで良いのかと思うほど別格な味わいとなっている。
さらに長期熟成させた「山崎55年」
山崎蒸溜所のモルト原酒だけでつくられたウイスキー「山崎」。これまで紹介してきた山崎50年以外に、サントリーシングルモルトウイスキー「山崎55年」を100本の数量限定で公式webサイトにて販売した。シングルモルトウイスキー「山崎55年」の価格は300万円となり、山崎50年よりもさらに高額だ。
まとめ
3250万円という衝撃の落札額を紹介したが、これは始まりであった。2021年時点で5000万円あたりが基準となっている。山崎50年は、これからもその価値と価格を爆発的に上げていくことが予想される。過度な飲酒による体調悪化はもちろん、お酒を飲む場合は飲酒運転をしないように気をつけて山崎50年を楽しもう。

WSET Level3 / 日本ソムリエ協会認定ソムリエ資格保有。
酒屋や飲食店にてワイン販売を経験。前職は明治神宮前の老舗しゃぶしゃぶ店にて4年間ソムリエとして勤務。現在は箱ワインをメインに取り扱う「BoxWineCompanyオンラインショップ」を運営する傍ら、ワインライフを豊かにする便利グッズをご提案しているブランド「ルーシャズ」の営業部長としても活動している。