1.シャトー・ムートン・ロートシルトとは
まず最初に、シャトー・ムートン・ロートシルトについての知識をつけるところからです。知識をつけておくことで、査定の際に鑑定士に詳しいことをアピールできるはず。
シャトー・ムートン・ロートシルトは、メドック格付け第一級に認定される、ボルドー5大シャトーの一つです。歴代のオーナーによる、個性的で才能溢れるワイン造りが目を引きます。
中でも、フィリップ・ド・ロートシルト男爵は、今では当たり前となっている、ワインの瓶詰をこれまでの中間業者への委託をやめて、シャトー元詰を始めた第一人者です。このことが、ワインの品質向上に大きな成果を与えたといわれています。
シャトー・ムートン・ロートシルトの特徴
メドック格付け第一級に認定される、ボルドー5大シャトーの一つであるシャトー・ムートン・ロートシルトの特徴は、なんといってもその力強く野性味溢れるフルボディの赤ワインです。
葡萄の栽培品種は、カベルネ・ソーヴィニヨンが約80%、カベルネ・フランが約10%、メルローが約8%、プティ・ヴェルドが約2%です。また、著名な画家が手掛けた美しいエチケットも人気を集め、数多くのコレクターが存在します。
ムートンの名前の由来は?
ムートンという言葉は、その地方に伝わる「mothon」(土塊)という古い言葉が訛ったものです。
シャトーのトレードマークが牡羊ですが、羊(mouton)という意味で広く認識されてしまったことと、バロン・フィリップ氏の星座が牡羊座であったためといわれています。
2級から1級への例外的な昇格
メドック格付けにおいて、1853年に2級に認定されていましたが、品質の向上に妥協のない努力を重ね、100年以上の時を経て1973年に1級へ昇格しました。150年続くメドックの格付けにおいて、唯一、変更が認められました。
ラベルに記載されていた「Premier ne puis, second ne daigne, Mouton suis.」(1級にはなり得ず、2級には肯んじない)というメッセージも、「Premier je suis, Second je fus, Mouton ne change.」(ついに1級に成る、かつては2級だったが。されどムートンは不変である)という文言に変えられました。
2.シャトー・ムートン・ロートシルトの買取相場
シャトー・ムートン・ロートシルトの買取相場
世界的にも評価が高く、贈答品としても人気のシャトー・ムートン・ロートシルト。その買取価格の相場はどれくらいなのでしょうか。
買取専門のストックラボに在籍する鑑定士が経験と現在の市場から算出した、買取相場をご紹介します。
【シャトー・ムートン・ロートシルト買取相場】
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●2000年~200,000円前後
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●1982年~100,000円前後
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●1990年~40,000円前後
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●2013年~32,000円前後
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●2014年~38,000円前後
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●1999年~39,000円前後
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●1985年~37,000円前後
(※2018年5月現在)
シャトー・ムートン・ロートシルトの最高価格
2015年に行われた、サザビー社主催のオークションでは、1945年から2012年までに製造された66本のワインを、バーティカル(垂直)に揃えたワインセットが出品され、37万6900ドルで落札されました。
3.シャトー・ムートン・ロートシルトの買取価格が高額になる理由
3つ目のポイントは、なぜここまで高額での買取になっているのか、その理由を知ること。理由を知っておくことで、買取の際の交渉もスムーズに進むはずです。
「理想の赤ワイン」と評される味わい
しっかりとしたフルボディの味わいに華やかで芳醇な香り、酸味とコクの繊細なバランスが取れたテイストは、比類なきワインとしてその称賛を受け続けています。
その完成度の高さは、理想の赤ワインが備えているすべての条件を満たしているといわれています。
コレクターも多い”アートラベル”
シャトー・ムートン・ロートシルトのエチケットには、毎年著名な画家がビンテージ用に依頼されて制作した作品が飾られています。
中には、ピカソやシャガール、ミロなどの巨匠と呼ばれる巨匠による作品もあります。作品原画は、醸造庫に隣接されたギャラリーに展示され、一般開放されています。
4.シャトー・ムートン・ロートシルトの相場高騰中の年代TOP5
次はシャトー・ムートン・ロートシルトの相場高騰中の年代について。自分が売りたいシャトー・ムートン・ロートシルトが相場が高騰している年代なのかどうか、判断する上で役立つ情報です。
1位:金の羊のミレニアムワイン「2000年」
漆黒のボトルに金の羊が印象的です。最高級の品質のブドウが収穫された2000年は、カベルネ・ソービニヨン86%、メルロー14%で作られています。
黒紫の深いカラーにカシスたトリュフ、湿った土やコーヒーを思わせる重厚感のあるしっかりとした味わいが堪能できます。
2位:大当たりと称される「1982年」
1970年や1961年よりも豊かな味わいであったことなどから、ワイン評論家にも高評価を得た1982年のシャトー・ムートン・ロートシルト。
また、漫画「神の雫」に登場したことから日本でも人気になりました。その描かれ方からしても、とにかくすごいワインであるとよくわかります。
この1982年のラベルは、映画監督として有名なジョン・ヒューストンが描いています。
3位:頑強なスタイル「1990年」
イギリスの画家フランシス・ベーコンがラベルを描いた1990年。パーカーポイント87点と高得点ではありますが、やや辛口のコメントで評されています。
しかし、シャトー・ムートン・ロートシルトが長熟ワインであることを考えるとそれも納得です。そして飲み頃と予想されている2020年はもうすぐとあって、需要はますます高まるでしょう。
今後ますます目が離せない注目の年代となりそうです。
4位:称賛を集めた格別なワイン「2014年」
紫に近い濃い色を持ち、しっかりとしたタンニンとスパイスを思わせる豊かな味わいと濃厚な余韻を残します。
ラベルに描かれた、鮮やかなブルーに放射線状に広がるペアグラスをポップに描いたのは、イギリス人アーティストのデイヴィッド・ホックニー氏です。
5位:ラグジュアリー感溢れる「2013年」
冬から春にかけては冷涼で多湿な気候が続き、夏になると強い日差しと乾燥した気候が続いたシャトー・ムートン・ロートシルト2013年は、その結果、糖と酸味のバランスが良いカベルネソーヴィニョンが育ちました。
ブドウの収穫量が過去40年の中で最も少なかった中で、丁寧な選果と製造方法により、品質の高いワインを作り出すことに成功しています。ラベルを手掛けたのはリ・ウーファン氏です。
5.シャトー・ムートン・ロートシルトの当たり年
次は、当たり年についてです。いわゆる当たり年と呼ばれている年代は、評価・人気ともに高く、高額で取引されています。どの年代が当たり年と呼ばれているのかをチェックしましょう。
「アウスブルグの羊」が名高い2000年
相場高騰中の種類でもご紹介した2000年。2000年のボトルを飾るエチケットには、シャトーに併設されている美術館に収蔵されているドイツ人の金細工職人ヤコブ・シュナウアーによる作品、「アウスブルグの羊」がモチーフとなっています。
美しい彫刻が施された金箔仕立ての銀杯です。エチケットには、そのために創られた巨匠による作品がデザインされますが、2000年のみ、例外としてボトルそのものがコレクションされました。
コレクターにも特に人気が高い逸品です。
過去最高の1983年と伝説の1945年
1983年のシャトー・ムートン・ロートシルトは、その年のボイヤック地区のベストワインに選出されました。
絶妙な力強さと渋み、繊細な味わいや香りがワイン通を唸らせます。この年に収穫されたブドウは、良質で大豊作でした。
また、1945年はオークションで100万円で落札されるなど、まさに伝説と称されるにふさわしい超高級ワイン。
一生に一度は手にしてみたいファン垂涎の品なのです。
6.シャトー・ムートン・ロートシルトの買取方法
シャトー・ムートン・ロートシルトを売る時に利用できる買取サービス
シャトー・ムートン・ロートシルについてご紹介しましたが、いざ売りたいという時に、どのような方法をとれば良いのかわからないという事はありませんか?
ストックラボの買取サービスは、宅配便や訪問買取など、ご自身の都合に合わせた方法が選べます。ぜひ参考にしてみてください。
7.シャトー・ムートン・ロートシルトを売る前に!買取業者比較
シャトー・ムートン・ロートシルトを売る前には、買取業者の比較をすることも忘れずに。買取業者と一口に言っても、それぞれに得意分野や専門があるので、それを踏まえた上で選びましょう。
他にも、どんなポイントで買取業者を選ぶべきなのか、ぜひ下記の記事を参考にしてみてください。
まとめ
今回ご紹介したシャトー・ムートン・ロートシルトは、コレクターも多い非常に需要の高いワインです。買取サービスを利用して、高額査定を狙ってみませんか。
古物商許可証取得。酒類販売責任者。
株式会社ストックラボの鑑定責任者、真贋査定士、及び出張買取責任者。 複数の買取会社でウイスキー・ワイン・日本酒・焼酎・ブランデーなどの幅広いお酒の買取鑑定・査定を行ってきた鑑定士歴7年のエグゼクティブバイヤー。