1.シャトー・ラフィット・ロートシルトについて

シャトー・ラフィット・ロートシルトを持つ鑑定士

世界で最も高価なワインベストテンの常連である「シャトー・ラフィット・ロートシルト」。過去に行われたオークションにおいて、100万円から500万円という価格も珍しくなかったほど珍重されているワインです。

フランス王十五世の宮廷では、最も高級なワインとして扱われたという輝かしい歴史を持つシャトー・ラフィット・ロートシルト。ボルドーの王者の正体はいかに?

シャトー・ラフィット・ロートシルトの特徴

350年近い歴史を誇るシャトー・ラフィット・ロートシルトは、世界のワインをピラミッド型の図式に例えれば常に頂点に位置するワイン。それは、価格についても同様です。

シャトー・ラフィット・ロートシルトの特徴は、「繊細さ」と「エレガンス」に尽きるといわれています。

シャトー・ラフィット・ロートシルトの歴史

シャトー・ラフィット・ロートシルトがワイナリーとしての形を成すのは、1670年頃。リシュリュー枢機卿によってフランス王ルイ十五世に献上されたラフィットのワインは、「王のワイン」と呼ばれるように。

近代になってロスチャイルド家がオーナーとなり、「ロートシルト」というフランス名が加わりました。

”完璧な赤ワイン”の味わいとは

メドックの第一級に格付けされる「5大シャトー」の中でも、必ず筆頭に名前が登場するシャトー・ラフィット・ロートシルト。

目でその赤の美しさを愛で、目をとじて舌でその優美を堪能する。これが、シャトー・ラフィット・ロートシルトの赤が「完璧」といわれる所以です。その伝説的なエレガンスは唯一無二とも。

名前の由来は?

シャトー・ラフィット・ロートシルトの「ラフィット」とは、17世紀後半にこのワインの質を上げたジャック・ド・セギュールが所有していた最初のブドウ畑が「小高い丘」にあったことからつけられた名前です。

「ロートシルト」は、1868年にロスチャイルド家の一人がシャトーのオーナーになったことに由来します。

2.シャトー・ラフィット・ロートシルトの買取価格が高額になる理由

名門中の名門のボルドーワイン「シャトー・ラフィット・ロートシルト」は、フランスワインの頂点に君臨しています。つまり、高額になる理由はこれだけでも充分。でも、それだけではないのです。

シャトー・ラフィット・ロートシルトの価格が、世界中で話題になるほど高騰する理由をご紹介いたします。

”ボルドー5大シャトー”の中でも最高峰と称される

1855年に制定されたボルドーの格付けにおいて、ほかの3つのシャトーとともに第1級に格付けされたのがシャトー・ラフィット・ロートシルトです。

1973年に、「シャトー・ムートン・ロートシルト」が第1級に加えられましたが、「シャトー・ラフィット・ロートシルト」の絶対的な優位はびくともしませんでした。質だけではなく、品格においても他を圧倒する存在感を発揮しているのがシャトー・ラフィット・ロートシルトなのです。

ちなみに、ムートン・ロートシルトのオーナーは、同じくロスチャイルド家の一員ですがラフィット・ロートシルトとは別のオーナーです。

由緒正しいワイン名産地で製造されている

ボルドーのポーイヤックにあるラフィット・ロートシルトのクリュは、中世の時代から王侯貴族のあいだで評判のワインを生み出してきました。

メドックの最も美しい斜面を覆うラフィットのクリュから生まれるワインは、「ワインのプリンス ( Princes des Vignes ) 」という名前が与えられていたほど。

比類なき繊細な優雅さは、ワインの中の絶対王者として長らく君臨してきたのです。

品質へのこだわり

シャトー・ラフィット・ロートシルトのクリュは、もともと日照条件や土壌がフランス原産のブドウの栽培には非常に適していました。平均樹齢が39年から45年のブドウの木は365日休むことなく監視され、醸造専門家をはじめとするスペシャリストの管理下にあります。

土壌とブドウの力を発揮させるために、化学肥料はほとんど使用されていません。また、栽培されるブドウは区画別に発酵を行うためテロワールの相違や特有性がワインに反映されるのです。

1987年にスペイン人建築家、リカルド・ボフィルによって設計されたセラーには、シャトーのワインの特性を活かす工夫がされています。

希少価値の高さ

3つの区画に分けられたシャトー・ラフィット・ロートシルトのブドウ畑は、総面積が112ヘクタールあります。シャトーと同名のワインとして毎年生産されるのは、およそ24万本です。

その年のブドウの出来によって、「カベルネ・ソーヴィニヨン」「メルロー」「カベルネ・フラン」「プティ・ヴェルド」の配合割合が変化します。そのため、評価の高いヴィンテージの価値はさらに上がっていきます。

また、2012年から同シャトーの公式サイトでは、お手持ちのシャトー・ラフィット・ロートシルトのワインの真正性の確認ができるようになりました。偽造品は激減、真正なワインはますます価格が高騰しているのです。

3.シャトー・ラフィット・ロートシルトの相場高騰中の種類TOP5

シャトー・ラフィット・ロートシルトボトル全体

フランス原産のブドウ4種がブレンドされるシャトー・ラフィット・ロートシルトは、ブレンドの割合がブドウの出来によって変化します。

また、その年の気候が生み出す味わいはまさに化学反応。さらに、長い熟成を経てこそ本物の味となるといわれるワインだけに、飲み頃が長いのも特徴です。

とくに評価の高いヴィンテージを見ていきましょう。

第1位:1959年以来の傑作「1982年」

大地の豊穣さを心ゆくまで堪能できる肉付き豊かなヴィンテージ、と表現したのはロバート・パーカーでした。そのパーカーポイントは98点!破格の評価を誇る1959年のヴィンテージを思い起こさせる味として大評判になりました。

1959年、1982年はいずれのヴィンテージにも、40万円を超える価格がついています。50年から60年の熟成に耐えうるともいわれる、赤ワインの真骨頂。

第2位:次世代のワインの味「2000年」

シャトー・ラフィット・ロートシルト2000ラベルアップ

カベルネ・ソーヴィニヨン93,3%という、非常に不規則なブレンド比率となった2000年。ワインの色は通常よりも暗色ですが、味わいは若々しくなっています。

2011年以降が飲み頃となる2000年のヴィンテージはしかし、ラフィット・ロートシルトのスピリットは失っておらず、優美さは例年に勝るといわれています。実際には、2018年頃から本格的な飲み頃に。

ジェームス・サックリングは100点満点を、パーカー氏は98点を献上。サックリング氏は、「人生を考えさせる次世代のワインの味」と最高評価を与えた理由を述べています。

第3位:結晶のような繊細さ「1986年」

シャトー・ラフィット・ロートシルト1986ラベルアップ

「美」と「力」に恵まれた1986年は、一方では30年後に焦点を合わせてゆっくりと形成される結晶のような繊細さがあると表現されています。

完璧な酸性度、ほどよいミネラル感は、シャトーを代表するヴィンテージとなることまちがいなし、とロバート・パーカー氏がお墨付きを与えました。1分以上続く奥ゆかしい後味も魅力のひとつです。

第4位 低迷期から脱却「1981年」

ブラックベリー、シダーの木、熟したフルーツの甘い香りが非常に女性的といわれる1981年は、知性的とも表現されます。

また、古典的なラフィット・ロートシルトの味わいと評価するファンが多いのが1981年のヴィンテージです。1960年代から続いたシャトーの評判の低下を食い止めるべく登場した、シャトーにとっては記念碑的な作品でもあります。

第5位 過去30年で最高「2003年」

「豊穣」「魅惑的」「寛大」「高貴」。あらゆる讃辞を浴びせても足りないほど「完璧」と、100点満点を与えたのはロバート・パーカー氏。

2003年のヴィンテージは、過去30年で最高の出来といわれ、シャトーがブランクから抜け出すために行ってきた驚異的な努力の結晶がようやく実った、とファンたちを感泣させました。

2023年頃から本格的な飲み頃になるといわれるこのヴィンテージ、価格高騰は必然です!

4.他にもある高く売れるシャトー・ラフィット・ロートシルト

並ぶボトル

名前だけではなく実力を伴い、さらに王者として他をひれ伏せさせる力さえあるシャトー・ラフィット・ロートシルト。

人気のヴィンテージ以外にも、高価格の銘柄や当たり年が存在します。シャトーの長い歴史の中から生まれたさまざまな銘柄を集めてみました。

近年の当たり年として注目される2005年

ジェームス・サックリングが100点で評価した2005年は、どのように化けるかが楽しみといわれているヴィンテージです。

ラフィット・ロートシルトが持つ優美さは完璧に備えているものの、力強さには欠けると評した評論家もいました。しかし、今後の熟成具合が予測不能で、とんでもなく化ける可能性大といわれ注目されています。

咲きほころんだバラの花のような優しさが、数年後には他の偉大なヴィンテージの地位を奪う可能性あり!

セカンドラベル「カリュアド・ド・ラフィット」

1845年にシャトーが購入したクリュから命名された「カリュアド・ド・ラフィット」は、シャトーのセカンドラベルです。ファーストラベルと同様の製法を用いながら、メルローの配合の割合が多いのが特徴。

また、ファーストラベルよりも若い樹齢のブドウを使用しているため、サクランボやイチゴなどの若々しい香りが馥郁と漂います。

力強さはファーストラベルには叶わないものの、シャトー独特の調和の取れたエレガンスはカリュアド・ド・ラフィットからも心ゆくまで感じ取ることができるのです。

入手困難!?宇宙の現象をボトルに

通常のヴィンテージよりもより希少価値が高いといわれているのが、1985年と1999年です。これは、ワインの出来に依るものではありません。

1985年にはハレー彗星が現れ、1999年には皆既日食が起りました。それを記念して、ボトルのラベルの上にあたる部分に、それぞれハレー彗星と食される太陽が刻印されたため。

ボトルに刻印が入れられたのは1985年が初めてのこと。ワインの好き嫌いにかかわらず、コレクターたちの垂涎の的となっているのはこんな素敵な理由があるからなのです。

5.シャトー・ラフィット・ロートシルトの買取相場

査定する鑑定士

名実ともに世界のワインの最高峰に位置するシャトー・ラフィット・ロートシルトは、とにかくそれを欲しいと望む人がひきを切らずに存在する銘柄。というわけで、買取価格は当然高額になってきます。

お手元にあるラフィット・ロートシルトのヴィンテージ、保存状態等々、条件によって価格は作用しますが、「相場」はこちらをご覧ください。

シャトー・ラフィット・ロートシルトの買取相場について

現在、市場に出回っているシャトー・ラフィット・ロートシルトのヴィンテージは、なんと1812年から2016年まで。シャトーの長い歴史を、このヴィンテージの幅広さからも実感できます。

全ヴィンテージの平均価格は、11万強。しかし、シャトーの20世紀は、フィロキセラの害にはじまり苦難の世界大戦があり、1960年代から70年代は低迷期がありました。

こうした年のヴィンテージは評価が低いものも多く、平均価格にはあまり意味がありません。やはり、ヴィンテージ、保存状態など、一本一本の査定が買取のための重要な要素になってくるのです。

高騰中の年代の買取相場は、やはりプロに確認するのが一番。酒買取の専門店であるストックラボの鑑定士が導き出した買取相場は下記となります。

シャトー・ラフィット・ロートシルト買取相場

  • ●1982年
    ~280,000円前後
  • ●2000年
    ~150,000円前後
  • ●1986年
    ~100,000円前後
  • ●1981年
    ~95,000円前後
  • ●2003年
    ~90,000円前後

(※2018年5月現在)

シャトー・ラフィット・ロートシルトの最高価格

近年のシャトー・ラフィット・ロートシルトの当たり年は、「1982年」「1986年」「1996年」「2000年」「2003年」「2005年」「2008年」「2009年」「2010年」。このヴィンテージは、今後も価格が上昇することはまちがいありません。

ワインサーチャーによれば、現在最も高額のラフィット・ロートシルトは、最も古いヴィンテージの1812年。そのお値段、なんと500万円弱。そのほか、1841年や1868年のヴィンテージにも天文学的価格がついています。記念すべき1900年のヴィンテージにも、130万円強というお値段が。

6.シャトー・ラフィット・ロートシルトの買取方法

シャトー・ラフィット・ロートシルトを査定する鑑定士

お手元にあるシャトー・ラフィット・ロートシルトを売りたい、でも長年寝かせておいたので保存状態は自信がない。そんなかたも、お気軽にご相談いただける方法がさまざまにございます。

文化的な遺産ともいえるフランスワインの最高銘柄ですから、査定も入念に行われなくてはいけません。

思い立ったらその日に相談できる!

普段は忘れていたのに、ふっと思い出したあのワイン。ぜひ売りたい、というかたは「思い立ったが吉日」。

店頭へ直接お持ち込みいただく以外に、メールや電話、ラインでのお問い合わせが可能です。お返事も迅速にさせていただきます。

ラフィット・ロートシルトを売りたい方、どのような状態でも躊躇せずにご相談ください!

7.シャトー・ラフィット・ロートシルトを売る前に確認したい「買取業者比較」

業者比較に悩む女性

ワイン投資でも注目される超一流シャトーのワイン。その買取の業者は数多く存在します。

取引額が大きくなる可能性のあるラフィット・ロートシルトの買取には、しっかりした業者を選ぶ必要あり。どう選ぶべきかのポイントは、ぜひ下記の記事でチェックしてみてください。

まとめ

世界最高峰といわれながら、血筋の良さを思わせる優美さが特徴のラフィット・ロートシルト。その王者の品格は、価格にもしっかり反映します。ぜひお気軽にご相談ください。

シャトー・ラフィット・ロートシルト買取ページ
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