北海道・厚岸町の厚岸蒸溜所が手がける「厚岸ウイスキー」は、リリースのたびに即完売する人気銘柄です。定価はいくらなのか、なぜ市場価格がここまで高騰しているのか、そしてどこで買えるのか——気になっている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、厚岸ウイスキーの主要銘柄の定価を一覧で整理したうえで、価格が高騰する理由と、定価に近い価格で購入する方法をわかりやすく解説します。※価格情報はすべて2026年8月時点のものです。
目次
そもそも厚岸ウイスキーとはどんなお酒?
厚岸ウイスキーは、北海道厚岸町にある厚岸蒸溜所(堅展実業株式会社)が造るジャパニーズウイスキーです。原点にあるのは、スコットランド・アイラ島のウイスキーづくりへの憧れと敬意。冷涼湿潤な気候や豊富なピート(泥炭)層など、アイラ島と共通する厚岸の風土を活かし、2016年から本格的に蒸溜をスタートさせました。
最大の特徴は、厚岸で蒸溜・熟成されたモルト原酒のみで造られる「シングルモルト厚岸」です。仕込み水には蒸溜所そばを流れるホマカイ川の水を使い、バーボン樽・シェリー樽・ミズナラ樽など複数の樽を使い分けることで、奥行きのある香味を実現しています。これに、自社モルトとグレーンを組み合わせた「ブレンデッド厚岸」を加えた二本柱で展開されています。
味わいは、アイラモルトを思わせるスモーキーさに、厚岸ならではの潮気とピート感が重なる個性派。それでいて口当たりは柔らかく、時間とともに柑橘やハチミツのニュアンスが顔を出す複雑な味わいへと変化していきます。
商品名に日本の季節を表す「二十四節気」を冠した限定シリーズが有名で、コレクション性の高さも人気を支える大きな理由となっています。
厚岸ウイスキーの種類ごとの定価一覧
厚岸ウイスキーは、シングルモルトとブレンデッドで定価に差があり、さらに発売年によっても価格が変わります。ここでは代表的な6銘柄について、発売時の定価と現在の参考買取価格を一覧で確認しましょう。
| 銘柄 | タイプ | 度数 | 定価(税込) |
| 厚岸 寒露 | シングルモルト | 55% | 16,500円 |
| 厚岸 芒種 | シングルモルト | 55% | 16,500円 |
| 厚岸 処暑 | ブレンデッド | 48% | 11,000円 |
| 厚岸 立冬 | シングルモルト | 55% | 19,800円 |
| 厚岸 大寒 | ブレンデッド | 48% | 13,200円 |
| 厚岸 立夏 | シングルモルト | 55% | 23,100円 |
厚岸寒露シングルモルト

「寒露(かんろ)」は、二十四節気シリーズの記念すべき第1弾として2020年10月に発売されたシングルモルトです。厚岸蒸溜所にとって初の700mlフルボトルにあたり、発売本数は約15,000本と限られていました。
節気としての寒露は、秋の長雨が終わり、野草に冷たい露が宿る本格的な秋の始まりを指します。バーボン樽・シェリー樽・ワイン樽・ミズナラ樽で熟成したピーテッド原酒とノンピート原酒をヴァッティングしており、ドライフルーツのような甘く重厚な香りに、イチゴやオレンジ、レモンの酸味とミルクのような甘みが重なる仕上がりです。余韻にはホワイトペッパーのスパイシーさとチョコレートの甘みが続きます。
WWA2021のジャパニーズシングルモルト/ノンエイジ部門で最優秀賞を受賞するなど、国際的な評価も高い一本。定価は16,500円(税込)です。
厚岸芒種シングルモルト

「芒種(ぼうしゅ)」は、2021年5月に発売された二十四節気シリーズ第3弾のシングルモルトです。芒種は6月6日ごろにあたり、田植えや穀物の種まきを行う初夏の訪れを意味します。
厚岸湾の潮騒を聞きながら育ったモルトを使用しており、ミルクチョコレートやドライフルーツ、焚火を思わせるピートの煙という香りに、柑橘の酸味とシュガーシロップのような甘さが調和する味わいが特徴です。余韻には潮の塩味とカカオビターの苦味、そして柑橘の甘みが長く残ります。アイラモルトに通じるヨード香や潮の香りを存分に楽しめる、厚岸らしさが凝縮された一本といえるでしょう。
ISC2022金賞、SFWSC2022最優秀金賞を受賞しています。定価は寒露と同じ16,500円(税込)です。
厚岸処暑ブレンデッド

「処暑(しょしょ)」は、2021年8月に発売された二十四節気シリーズ第4弾のブレンデッドウイスキーです。処暑は夏の暑さが和らぎ、涼しさを感じ始める8月22日ごろの時期を指します。
厚岸モルトが過半を占め、そこに厚岸の地で3年以上熟成させた輸入グレーン原酒を合わせています。マヌカハニーやマーマレードのような香りが立ち上り、柑橘の酸味とシュガーの甘みが広がる、穀物由来のまろやかさを感じる味わいです。余韻はホワイトペッパーやドライソルト、シトラスビターとハチミツの甘みが続きます。
WWA2022ではブレンデッド部門の世界最高賞を受賞した実力派。ブレンデッドのため定価は11,000円(税込)と抑えめです。
厚岸立冬シングルモルト

「立冬(りっとう)」は、2021年11月に発売された二十四節気シリーズ第5弾のシングルモルトです。立冬は11月8日ごろ、暦のうえで冬の気が立ち始める時期を表します。
この銘柄はミズナラ樽で熟成した原酒がキーモルトとして使われている点が大きな特徴です。ミズナラ樽は伽羅(きゃら)や白檀(びゃくだん)のようなオリエンタルな香りを与えることで知られ、厚岸らしい潮っぽさやピート感と重なることで、より複雑で奥深い香味を生み出しています。黒糖やフルーツ、チョコレート、しょうゆのような香りが広がり、余韻にはホワイトペッパーとミカンの甘みが心地よく残ります。
ISC2022金賞、SFWSC2022金賞を受賞。定価は19,800円(税込)とシリーズのなかでは高めの設定です。
厚岸大寒ブレンデッド

「大寒(だいかん)」は、2022年2月に発売された二十四節気シリーズ第6弾のブレンデッドウイスキーです。大寒は1月21日ごろ、一年でもっとも寒気が厳しくなる時期を指します。
厚岸モルトが過半を占め、輸入グレーン原酒は厚岸湾を臨む丘の上で3年以上熟成させたもの。オレンジティーや黒糖、ストロベリー、レモンの香りに、シトラス系の酸味と甘み、シーソルトの塩気がアクセントとして重なる味わいで、余韻にはホワイトペッパーとカカオビター、チョコレートの甘みが続きます。厳しい冬の厚岸で、暖をとりながら春を待つ——そんなイメージを託した一本です。
ISC2023銀賞を受賞。定価は13,200円(税込)です。
厚岸シングルモルトジャパニーズウイスキー 立夏

「立夏(りっか)」は、2025年5月に発売された二十四節気シリーズ第19弾のシングルモルトです。立夏は春分と夏至のちょうど中間にあたり、暦のうえで夏が始まる日を表します。
注目すべきは、北海道産の麦芽とミズナラ樽を用いた「オール北海道モルト」がキーモルトとして採用されている点です。将来的に大麦からピートまですべて北海道産で完結させるという厚岸蒸溜所の構想を体現した一本といえます。旬の桃や杏子、みかん、黒蜜をかけたきなこ餅を思わせる香りから、チョコレートやオレンジコンフィの味わいへ。トロピカルなフルーティーさのあとに、しっかりとしたピート感とコクが立ち上がります。
定価は23,100円(税込)となっています。
厚岸ウイスキーの定価が高騰化している理由
厚岸ウイスキーがなぜ高いのか、その背景には希少性と品質の高さがあります。ここでは価格が定価を大きく超えていく5つの理由を、それぞれ具体的に見ていきましょう。
①生産量が少ない
最大の理由は、そもそも造られる本数が少ないことです。厚岸蒸溜所は小規模なクラフト蒸溜所であり、大量生産ができる設備体制ではありません。
一つひとつの工程に手間と時間をかけているため、リリースは年に数回の限定販売にとどまります。実際、第1弾の寒露も発売本数は約15,000本でした。二十四節気シリーズは1年に3〜4本のペースでリリースされる設計となっており、各弾ごとの流通量は限られています。
需要に対して供給が構造的に追いつかない状態が続いているため、発売直後に完売し、二次流通市場ではプレミア価格がつきやすくなっているのです。
②原料・水へのこだわり
厚岸ウイスキーの品質を支えているのが、厳選された原料と仕込み水です。
麦芽にはスコットランド産のピーテッドモルトと北海道産のノンピート麦芽を使い分け、それぞれの個性を活かした風味を表現しています。仕込み水は、蒸溜所近くを流れる尾幌川の支流・ホマカイ川の上流から採取。この水はアイラ島と同じくピート層を通過しているため、独特のミネラルと風味を含んでいます。
さらに、蒸溜所のある一帯は厚岸霧多布昆布森国定公園に指定された自然豊かな環境です。こうした原料・水へのこだわりは当然コストに跳ね返り、価格を押し上げる一因となっています。
③熟成時間が長い
ウイスキーが「ジャパニーズウイスキー」を名乗るには、木樽での3年以上の熟成が必要です。厚岸蒸溜所は冷涼湿潤な気候のなかでゆっくりと熟成を進めるため、出荷までに相応の時間がかかります。
しかも同蒸溜所は、この150週以上に及ぶ熟成期間中の品質のブレを防ぐため、製造工程のすべてを厳密に管理しています。「今すぐ増産する」ということが物理的にできないのがウイスキーづくりの宿命であり、人気が高まっても供給を急に増やせない構造が価格高騰を招いています。
なお、リリース初期には熟成期間の短い「厚岸 NEW BORN FOUNDATIONS」シリーズも販売され、将来の原酒の個性を体感できる商品として話題を集めました。
④職人の手作業によって丁寧につくられている
厚岸蒸溜所は、ウイスキー製造の経験者がいない完全にゼロの状態から出発した蒸溜所です。スコットランドの文献や技術者の知識を学び、現地での研修も重ねながら、独自の製法を築き上げてきました。
ポットスチルはスコットランドのフォーサイス社製で、施設の設計そのものを同社の職人が手がけています。そのうえで、季節ごとに異なる原酒や樽を組み合わせる「多層レイヤー」と呼ばれる独自のブレンド手法を確立しました。
「ブレのない一本線のようなウイスキーを造る」という理念のもと、職人が週ごとの変化に目を配りながら品質を維持しています。この手仕事の積み重ねが、量産では再現できない価値を生んでいるのです。
⑤需要が高い
ジャパニーズウイスキー全体の国際的評価が高まるなか、厚岸ブランドの価値も急速に上昇しています。
寒露のWWA2021最優秀賞、処暑のWWA2022ブレンデッド部門世界最高賞など、権威ある品評会での受賞が相次いだことで、国内だけでなく海外の愛好家からも注目を集めるようになりました。輸出向けの需要が増えれば、その分だけ国内向けの割当は相対的に絞られます。
加えて、二十四節気シリーズはボトルごとにテーマが設定されているため、シリーズをコンプリートしたいというコレクター需要も非常に旺盛です。飲みたい人と集めたい人の両方が同じ本数を奪い合う構図が、価格をさらに押し上げています。
なお、こうした「定価を大きく超える値段がつく」現象は厚岸に限った話ではありません。響シリーズの定価と価格推移もあわせてご覧いただくと、ジャパニーズウイスキー市場全体の動きが見えてきます。
厚岸ウイスキーを定価で買う方法
厚岸ウイスキーはどこで買えるのか、そして定価で購入する方法はあるのか。ここでは代表的な5つの購入方法について、それぞれの特徴とメリット、注意点を解説します。
①正規取扱店
もっとも確実性が高いのは、正規取扱店での購入です。百貨店や専門酒販店では、ウイスキーイベントなどに合わせて不定期に販売されることがあります。
こうした販売情報は事前に告知されるケースが多いため、各店舗のSNSやメールマガジンを登録しておくのが有効です。店舗によっては、ポイントカード会員やLINE友だち限定で案内が届く仕組みを取っているところもあります。
ただし人気が非常に高いため、店頭に並ぶことはまれで、販売開始と同時に完売することも珍しくありません。それでも正規ルートで購入すれば、偽物や品質劣化のリスクを避けられるという大きなメリットがあります。定価で買える可能性を高めたいなら、まずは近隣の正規取扱店を把握しておくことから始めましょう。
②厚岸蒸溜所
現地でしか味わえない体験を求めるなら、厚岸味覚ターミナル「コンキリエ」が実施している蒸溜所見学ツアーがおすすめです。
通常は非公開の厚岸蒸溜所内を専属ガイドとともに巡り、蒸溜工程から熟成庫までを間近で見学できます。ツアー後にはコンキリエ内で二十四節気シリーズの試飲も可能で、海を望む景色のなかで味わう一杯は格別です。
さらにコンキリエでは、数量限定でウイスキーの抽選販売が実施されることもあります。2025年5月には「厚岸シングルモルトジャパニーズウイスキー 立夏」が120本限定で抽選販売されました。本数は限られますが、現地を訪れる予定があるなら見逃せないチャンスといえるでしょう。実施状況は変動するため、事前に公式サイトで確認してから訪問してください。
③ふるさと納税
厚岸ウイスキーは、北海道厚岸町のふるさと納税返礼品としても人気を集めています。
たとえばシングルモルト「立夏」やシングルブレンデッド「冬至」は、110,000円〜180,000円程度の寄付額で提供された実績があります。寄付額は決して安くありませんが、税の控除を考慮すれば実質的な負担を抑えながら希少なボトルを入手できる方法です。
返礼品にはウイスキー単体だけでなく、厚岸名物の牡蠣などを組み合わせたセットも用意されています。ただし限定性が高いため、掲載後すぐに品切れになることが頻繁です。さとふる、ふるさとチョイス、楽天ふるさと納税といった各サイトを随時チェックしつつ、自身の寄付限度額を事前に確認しておきましょう。
④抽選販売
人気銘柄は、抽選販売という形で流通することがよくあります。主催するのは百貨店、大型酒販店、蒸溜所のオンラインショップなどで、応募期間中に専用フォームからエントリーする形式が一般的です。
抽選販売は公平性を保つ手段として採用されているため、運次第では確実に定価で購入できる絶好の機会となります。対象となるのは二十四節気シリーズや限定ボトルが中心で、販売数が限られているぶん倍率はかなり高めです。
応募情報は公式SNSや酒販店のWebサイトで告知されることが多いので、複数の情報源をこまめにチェックしておくことが当選のカギになります。申し込み自体は無料であることがほとんどですから、見つけたら積極的に応募してみるとよいでしょう。
⑤ネットショップ
一部のネットショップでは、定価またはそれに近い価格で販売されることがあります。特に販売開始直後は価格が落ち着いている場合が多く、素早く注文できればプレミア価格を回避できる可能性があります。
代表的な購入先は、百貨店の公式オンラインストアや酒類専門店のECサイトなどです。人気商品は入荷直後に売り切れてしまうため、事前の会員登録や入荷通知の設定をしておくと有利に立ち回れます。
一方で、信頼性の低い業者から購入すると、偽物や保管状態の悪い商品が届くリスクもあります。レビューや運営会社の情報、酒類販売業免許の有無などを確認したうえで、慎重に選ぶことが大切です。なお、フリマアプリの出品は定価を大きく上回る転売価格が中心となる点にも注意しましょう。
お酒の買取ならストックラボへ
ストックラボは、ウイスキーをはじめとするお酒の買取に特化した専門店です。全国どこからでも利用できる宅配買取に加え、店頭買取・出張買取の3つの方法からお選びいただけます。査定料・送料・出張料はすべて無料で、金額にご納得いただけない場合のキャンセルも無料です。
厚岸ウイスキーについては、節気名やシングルモルト/ブレンデッドの別、ボトリングロット、液面、外箱や冊子といった付属品の有無まで一点ずつ確認し、そのボトルの現在の市場ポジションを踏まえて査定いたします。二十四節気シリーズをまとめて整理されたい方にも、おまとめ査定で買取額アップのご提案が可能です。
厚岸ウイスキーの詳しい買取相場は厚岸ウイスキーの買取ページから、最新の実績は買取実績一覧からご確認いただけます。
まとめ
厚岸ウイスキーの定価は、ブレンデッドが11,000円〜13,200円、シングルモルトが16,500円〜23,100円(いずれも税込)が目安です。小規模なクラフト蒸溜所ゆえの生産量の少なさ、原料と水へのこだわり、3年以上を要する熟成、職人の手作業、そして国内外での需要の高まりが重なり、市場価格は定価を大きく超える水準で推移しています。
定価で手に入れたいなら、正規取扱店の販売情報を追いかけつつ、厚岸蒸溜所やふるさと納税、抽選販売といった複数のルートを併用するのが現実的です。ネットショップを利用する際は、販売元の信頼性を必ず確認しましょう。
すでに厚岸ウイスキーをお持ちで、手放すことをお考えの方は、相場が上昇傾向にある今が査定に適したタイミングです。まずはお気軽にご相談ください。






