天敵フィロキセラとの戦い

ロマネコンティでは1945年まで、天敵フィロキセラ(ブドウネ・アブラムシ)の虫害対策である接木を行わずに対処してきました。ブドウ畑のピノ・ノワール樹は伝統に取り木のみで継承しているので、コンティ公爵時代に植えられていたピノ・ノワールの直系の子孫ということになります。

ロマネコンティは公爵時代の直系のピノ・ノワールの子孫のみ

そのブドウも1945年末に全ての株が引き抜かれましたが、全て引き抜く前にラ・ターシュの畑にロマネ・コンティの畑から取った接ぎ穂を使って植樹し、そのラ・ターシュの畑からの接ぎ穂で、再びロマネ・コンティの畑に戻して更新する方法を取りました。そのため、現在でも公爵時代の直系のピノ・ノワールの子孫のみが植えられています。

ブドウの収量が低い理由

ブドウ畑ではビオディナミ(有機栽培の一種)農法が行われ、一部の畑では馬を使って耕作しています。ブドウの木に与えられる肥料も最低限に抑えられ、そのほとんどは剪定の際に落とされた枝・ブドウの絞りかすなどを再利用した堆肥で、ワインにも環境にも配慮したワイン造りを実践しているのです。

こうして造られたブドウは収量はとても低く、優れた年でも1ha当たり30hℓ(他のグラン・クリュは平均50hℓ)、天候があまり良くなかった年になると、10hℓ程度まで落とすことがあります。

収穫されたブドウは軽く切れ目を入れるだけで、破砕・除梗せずそのまま木製の発酵槽に入れられ発酵させます。発酵温度は32~33℃とやや高めに保ち、発酵および醸しはできるだけ緩やかに長い時間を掛けて行うようにしています。発酵中はポンピング・オーバーと櫂入れを行い、樽熟にはトロンセ産オークの新樽を100%使用。熟成期間に1回だけ滓引きを行い、最後に卵白を使って清澄します。

まさにブルゴーニュを代表する正に至高のワイン

このような自然環境と人間の手によって生み出されたピノ・ノワールから作られるワインは、「壮麗」「神秘的」「エレガント」と評され、ブルゴーニュを代表する正に至高のワイン。華やかな香りと滑らかな味わいは、今なお世界中のワインラヴァー達を魅了し続けているのです。

ただし、手に入れるには天文学的な数字の金額が必要になりますが…