こだわりの特級畑から造られている

ブルゴーニュ地方

ロマネコンティはどんな畑で作られる?

ロマネコンティは、フランス東部に位置するブルゴーニュ地域圏のコート・ドール県ヴォーヌ・ロマネにあります。

ブルゴーニュにあるブドウ畑の面積は、約26,000ヘクタールですが、ロマネコンティのブドウ畑は1.81ヘクタールほどの規模です。ヴォーヌ・ロマネAOCのピノ・ノワール種のブドウ畑です。

AOC法のグランクリュ

AOC(アペラシオン・ドリジーヌ・コントロレ)は、原産地統制呼称制度などと呼ばれるフランスの制度で、ブランドの産地名を記載するためには、決められた製法や品質にて、一定の基準をクリアする必要があります。

ワインの場合、AOC産地のブドウを100%使用することが義務付けられ、ブドウの品種やブレンドの比率、最大収穫量やアルコール度数、栽培、剪定、醸造方法、熟成方法など、多岐にわたり基準が定められています。

世界でも類をみない稀少価値

稀少価値が高い理由は、生産量が少ないことにあります。年間で平均6,000本しか生産されていません。

ロマネコンティのグラン・クリュ(特級格付け)では、不作の年になると1haあたり1,000リットルまでの収穫制限を行い、品質を維持します。

市場では常に品薄な状態が続くことに加え、社会的ステータスのために富裕層がこぞって買い求めることも、価格高騰の一因となっています。

伝統を守り続ける畑のヒミツ

接木をしたことがない?

1945年まで、一度も接木をしないままフィロキセラなどの虫害にも対応してきたので、1760年のコンティ侯爵が所有していた時代の直系の子孫ということになります。

1945年にラ・ターシュの畑をロマネコンティの畑の接ぎ穂によりすべて入れ替えた後、ロマネコンティの畑の株はすべて引き抜かれました。そして、ラ・ターシュの畑から接ぎ穂をして元に戻したので、直系の子孫の株であることに変わりはありません。

ビオディナミ農法とは

ビオティナミ農法(バイオダイナミック農法)は、人智学のルドルフ・シュタイナーにより提唱された有機農法の一つです。

「理想的な農場はそれ自身で完成した個体である」という思想に基づき、外部から肥料を良しとせず、農薬や化学肥料を使用しません。畑の調整も、化学の力を外から加えるのではなく、畑が持つ自然の力によって調整するという考え方です。

トラクターよりも馬を使う!?

ロマネコンティの畑では、トラクターを使うと土が詰まったり、固くつぶれてしまうため、雨水が根が延びる地中まで届きにくくなります。そのため昔から馬によって畑が耕されています。

ふっくらと生命力溢れる土壌づくりはその影響があるのかもしれません。

こだわの生産方法を知ろう

ディナーとワイングラス

ロマネコンティに使用されるブドウの種類

ロマネコンティが作られるブドウの品種は、ブルゴーニュ地方が原産地のピノ・ノワールです。黒く紫身を帯びた果皮が特徴的です。

渋みやタンニンの少ない、軽口で飲みやすいワインに多いです。フランスやドイツ、アメリカなど世界各地で栽培されていますが、気候や土壌によって、香りなどが微妙に変わるため、その土地特有の稀少価値を持ったワインが作られます。

ロマネコンティが生まれる畑の特徴

ロマネコンティは、ローマ時代に始まり、約2,000年に渡りブドウが作られ続けています。

畑の立地は、ヴォーヌ・ロマネ村の南東、海抜240mに位置する水はけのよい斜面です。岩石と泥灰土に、鉄分が豊富な石灰岩の土壌です。

有機栽培の畑で使われる肥料とは

ビオディナミ農法などの有機栽培を採用しているロマネコンティのブドウ畑で使われている肥料は、化学肥料は一切使用しません。

粉砕したブドウの木の枝や皮、発酵で溶解されずに残った発酵残渣から作られた堆肥のみを使用、安全性にも配慮されています。

剪定と摘房で収穫量をコントロール

季節初めに剪定を行い、7~8月頃に基準を満たさない房を摘み取る摘房を行い、収穫量をコントロール。

ブドウを収穫した後は、ワインを製造する工程に移る前に、ブドウの品質や状態を細かくチェックします。

クラッシックな発酵・熟成方法

ロマネコンティの熟成方法は、伝統的な方法を頑なに守り続けています。収穫したブドウは、軽くカットをするだけで、破砕や除梗などは行わずに木桶で発酵させます。

温度は32℃~33℃で、発酵や醸しは18カ月~24カ月ほどの期間をかけます。樽熟には、トロンセ産の樫の新樽を100%使用し、熟成期間中に一度だけ滓引きし、出荷する前には卵白を使って清澄します。

まとめ

稀少価値が高いため、ロマネコンティは「飲むより語られることの方が多い」と言われているワインです。もし飲む機会があれば、じっくり時間をかけて格別なひと時を堪能しましょう。