ロマネコンティといえば…?

ブドウの房

ロマネコンティはワインの名前?

「ロマネコンティ」についてそれをワインそのものの名前だと思っている人は少なくはない。それは半分正解で、半分不正解と言える。なぜ不正解なのかというと、ロマネコンティというのは、畑の名前だからである。

詳しくは後述するが、ブルゴーニュ地方の場合、ワインに使用されたブドウを栽培している畑前が、ワインラベルに掲載されることがある。そのため、ラベルに「ロマネコンティ」と記載され、名前だと混合しているだろう。

畑の名前というのは?

ロマネコンティは畑の名前だ、と先述したが、実はロマネコンティはブルゴーニュ地方のヴォーヌ・ロマネ村という産地にある畑のひとつ。

この村には世界トップクラスのワインを生産する畑が軒を連ねており、ロマネコンティのほか、ロマネサンヴィヴァン、ラロマネ、ラターシュ、リシュブール、ラグランドリュなど、ワイン好きなら知らぬ者はいない、超高級ワインを産出する畑のひとつが「ロマネコンティ」なのだ。

ヴォーヌ・ロマネ村とは?

ここまで読んだ方は、ロマネコンティをはじめ、これだけ高級ワインを生み出す畑があるヴォーヌ・ロマネ村とは何ぞや、と前のめりになっているかもしれない。

実は、この村名を名乗るためのAOCなのだが、隣村のフラジェ・エシェゾーという、これまた高級ワインを生み出す産地を包括している。

ブルゴーニュ地方全体の2%しかない、と言われているグランクリュ畑を8つ包括している村で、ワインの聖地として崇められているのだ。

ロマネコンティの名前について

フランス語なのか?

ロマネコンティについて、フランス語なのか?という素朴な疑問を持っている方もいるかもしれない。

ロマネコンティはフランス語で間違いはないが、16世紀頃までは「クルー・デ・サンク・ジュルノー」という名で呼ばれていた、と言われている。

実は、このロマネコンティは、昔から素晴らしいワインが産出されている産地として有名で、王侯貴族たちがこの畑を手にいれるための争いがあったことから、今の名がつけられているのだ。

ロマネコンティという言葉の意味

ロマネとコンティの意味だが、この地は最高峰のワインを生み出すブドウが収穫できたことから、そのブドウ栽培に力を注いでいた古代ローマ人たちにちなみ「ロマネ」と付けられたとされている。

さらにコンティなのだが、18世紀半ばにこの畑の所有権について、ブルボンコンティ家とポンパドール夫人が争いの結果、コンティ王子が畑のオーナーとなり、その後の功績から「コンティ」という名をつけられることとなったのだ。

なぜ、コンティがつけらたのか?

なぜコンティ公の名がこの素晴らしい畑に付けられたのだろう。実は、歴史によると、ロマネの畑を手に入れた後の1789年のフランス革命で王子は投獄されてしまっている。

その後、この畑は数多くの所有者の持ち物になるのだが、その間にスペインに亡命していたコンティ王子は他界。エレガントな人物であったことと、ここのワインの素晴らしさにちなみ、いつしか「ロマネコンティ」という名がつけれた、という経緯があった。

DRCがつくのはなぜ?

ブドウ畑

DRCとは?

ロマネコンティを調べると、「DRCロマネコンティ」と出てくる。ロマネコンティはわかるが、一体「DRC」とは何なんだろうか。

実は、このロマネコンティはモノポールと呼ばれる、所有者の単独畑であり、その所有者が「ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ(DRC)」という会社なのだ。

遡ること1869年、ブロシェという人物が畑を買取し、それが後のDRC社となったことから、今もDRCが付けられているのだ。

DRCブランドについて

DRC社は、ロマネコンティだけではなく、前述した高級ワインを生み出す「ヴォーヌ・ロマネ村」などに、いくつか畑を所有している。

さきほど紹介しているロマネサンヴィヴァンやラターシュ、リシュブールだけではなく、ブルゴーニュ地方にある世界一の高級白ワイン産地、モンラッシェにも畑を所有していることで知られており、まさに世界トップクラスのワインを生産する、最強のワイン会社と言っても過言ではないのだ。

DRC社のワインづくり

DRC社のワイン造りにかける情熱は凄まじい。社名につけられているロマネコンティの畑の場合、なんと人ではなく、馬が畑を耕しているのだから驚きだ。

さらに、ビオディナミといった、天体の動きと栽培を掛け合わせた技法や、自然に頼った醸造方法などを用いているなど、明らかに「生産的ではない」伝統の技法を守り続けているため生産量が少なく、それがまたDRC社のワインを神格化しているひとつの理由にもなっているのだ。

ロマネコンティは高い?

ワインの瓶たち

世界で最も高いワイン

冒頭でも触れているが、ロマネコンティは美味しい、美味しくないなど、そういった次元ではなく、とにかく高額なワインだ。

1本100万円程度であり、奇跡的に手に入れやすい価格で売っていたとしても、30万円以上はする。その理由は、前述したこだわりの醸造法に伴う生産量の少なさである。

畑も狭いことから、生産本数は4,000本から6,000本程度であり、世界中の需要量を考えれば、この価格になってしまうのも仕方ないだろう。

ロマネコンティの最高値とは?

ロマネコンティは、1本100万円前後とお伝えしたが、オークションにかけられると、驚きの価格となることがある。

その証拠が、ワイン市場最高価格で落札された2014年のサザビーズのオークション。ロマネコンティ119本が1.8億円の価格で落札されたのだ。

グラス一杯で19万円という、驚きの価格となったこのオークションは大きな話題となったが、ロマネコンティであれば仕方ないとすら思えてしまうところが凄い。

DRC社のワインを飲んでみたい?

ロマネコンティは無理でもDRC社のワインを飲んでみたい、という方は多いだろう。それであれば、ロマネコンティ以外の畑でDRC社が造っているワインを飲んでみてはいかがだろうか。

ラターシュなどは、DRC社が大変力を入れている畑だが、数十万円程度で最高品質のものが購入できるため、まだロマネコンティに比べれば手が出しやすいはずだ。

そこから、徐々にロマネコンティに近づいていく、という飲み方が良いかもしれない。

まとめ

ロマネコンティについては、意味などを知ることで、より手に入れたくなるのではないだろうか。決して安価なワインではないが、その分、人生を変える1本となってくれるのは、間違いないだろう。