1.シャトー・ディケムについて
買取を進める際の一歩目として、そのお酒がどのようなお酒なのか知っておく必要があります。何も知らずに売るのと知ってから売るのとでは気持ちも価値も違ってくるかもしれません。まずはシャトー・ディケムについての基礎知識を押さえてみましょう。
シャトー・ディケムとは?
世界三大貴腐ワインの産地の一つソーテルヌ地区の中で、別格のトップシャトーとして君臨するシャトーの名前がシャトー・ディケムです。
味わいだけでなく、数百年の歴史と伝統に裏付けされたシャトー・ディケムは世界最高峰の貴腐ワインとして世界中で知られています。
シャトー・ディケムの特徴
シャトー・ディケムは完全に熟した葡萄のみを収穫するため、6~8週間かけて数回に分けて人間の手によって手摘みされます。さらに、そのように選別されて造られたワインでも、樽熟成の段階でディケムにふさわしくないと判断されると世に出ることはありません。
実際にディケムが生産されなかった年が何回もあります。この厳格さがシャトー・ディケムの特徴でもあり、ディケムがディケムである所以とも言えるでしょう。
2.シャトーディケムの買取相場
シャトーディケムの買取相場について
いざ買取が進み金額が提示される段階になって、相場の値段を知らないとちゃんとした取引が出来ているのかピンと来ないと思います。
2つ目のポイントとして、買取の相場目安をストックラボ鑑定士よりご紹介します。買取を進める際の参考にしていただき、安心した取引が出来るようにしてみてください。
【シャトー・ディケム買取相場】
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●2001年~52,000円前後
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●2009年~48,000円前後
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●1990年~40,000円前後
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●1994年~35,000円前後
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●1998年~32,000円前後
(※2018年2月現在)
シャトー・ディケムの最高額とは!?
高額ワインとして一般的に有名なのはロマネコンティだと思いますが、シャトー・ディケムも高額白ワインとして有名です。
2011年ロンドンで開催されたオークションで1811年のシャトーディケムの落札価格は75,000ポンド、日本円でなんと955万円!これは世界で最も高価な白ワインとしてギネス記録にもなったほどです。
飲むのももったいないほどですが、一体どんな味がするのでしょうか…。一口、いや一滴でいいので飲んでみたいものです。
3.シャトー・ディケムの買取価格が高額になる理由
3つ目のポイントは、シャトー・ディケムがなぜここまで高価な買取価格となっているのか、その理由を知ることです。
貴腐ワイン界の最高峰
厳正に選別された葡萄のみを使うシャトー・ディケムは、驚くことに一本の樹からグラス一杯分しか収穫できないと言われているほど希少な貴腐ワインです。
シャトー・ディケムは生産数を確保する為に基準を落とすようなことを一切しないので、葡萄の貴腐化が悪ければさらにその希少性は高まります。その上で「ディケムなくして甘口ワインは語ることはできない」と評されるほどの味わいを実現している為、高額で取引されています。
100年続く驚異の飲み頃
グランクリュなど一般的に熟成が必要だとされるワインは10~20年くらいまでが飲み頃だと言われていますが、シャトー・ディケムの場合、年によっては飲み頃が10~100年続くと言われています。
つまり、100年もの長期間熟成が続くという驚きのポテンシャルを秘めているということがその価値を高めている一要因となっています。
広大な畑でのこだわりの製法
115haもの広大な葡萄畑は、ソーテルヌ地方唯一の1級特別級で自然の恵みだけでも凄いと思いますが、ディケムはそこで出来た葡萄をかなりの手間をかけ房ではなく粒単位で収穫します。
そして、必ずオークの新樽を使い3年熟成させてから瓶詰して世に出しますが、不作の年はディケムの瓶には詰めないこともあり、このこだわり抜く製法と姿勢がさらにディケムを輝かせていると言えます。
味、質、希少性だけでなく、このようなことから自然とディケムは高価値・高価格のワインとなっていると言えるでしょう。
4.シャトー・ディケムの相場高騰中の年代TOP5
シャトー・ディケムの相場高騰中の年代について知っておくことが4つ目のポイントです。自身が売りたいシャトー・ディケムがどのくらい需要があるのかを判断する材料にしてみてください。
1位:ソーテルヌの当たり年!「2001年」
この年のソーテルヌ地区で造られたヴィンテージワインからは名作といわれるワインが何本も生まれました。
当然、シャトー・ディケムも同じく名作と言われており、専門誌の評価は軒並み最高評価を獲得した当たり年になっています。
2位:伝説と肩を並べる「2009年」
伝説とまで言われている1945年のシャトー・ディケム。ワインの取引価格を左右する影響力を持つワイン・アドヴォケット誌にて、2009年も1945年と同じ100点の評価を得ました。
これは大変分かり易い評価で、これによって価値も人気もぐっと高まっています。
3位:極上の甘さ際立つ「1990年」
1988年、89年、90年と、甘いビンテージ三部作の一つで、その中でも高評価なのが、シャトー・ディケム1990年です。
価格の参考とされる評価も99点とかなりの高得点で、50~70年の飲み頃の長さを持つとも言われています。
4位:評論家も高評価!「1994年」
1990年代前半のシャトー・ディケムは今が飲み頃と言われており、人気となっていますが、その中でも1994年のシャトー・ディケムは出来栄えの評価が高くなっています。
どちらかと言うとすっきりとした甘みに包まれる味わいで飲みやすい仕上がりのようです。
5位:これから飲み頃を迎える「1998年」
人気、価値の裏付けとなる専門誌の評価が軒並み高く、「完璧な熟成を迎えるだろう」と評されたのが1998年です。そしてこのディケムは今からまさに熟成の飲み頃を迎えます。
そういうこともあり、1998年のディケムはこれから特に注目されていくのは間違いないと言えそうです。
5.他にもある高く売れるシャトー・ディケムの種類
相場が高騰している年代以外にも、どんな種類が高く売れるのかをチェックしてみましょう。
辛口ワインY(イグレック)とは
シャトー・ディケムで造られる辛口ワインが「Y(イグレック)」です。このイグレック、実はかなり希少性の高いワインとして知られています。それは、貴腐ワインを造るディケムが、葡萄に貴腐菌がうまくつかなかった年のみに生産されるという理由からです。
20世紀で6回だけなので、どれほど希少なのか分かると思いますし、やはりかなりの高価格で取引されるワインとなっています。
6.シャトー・ディケムの買取方法
シャトー・ディケムを売る時の買取サービス
シャトー・ディケムは有名で、そして高額なワインなので、売ろうとしてもどんな方法で売るのがふさわしいのか分からない方も多いと思います。そして適正に買い取ってもらえるのかなどの不安も感じることでしょう。
そこで、最後のポイントとしてシャトーディケムを売る際に利用できるストックラボの買取サービスをご紹介します。一度ご覧になってみて、ご自身にとってどんな方法が合っているのか、参考にしてみてください。
7.シャトー・ディケムを売る前に!買取業者比較
シャトー・ディケムを売る前にチェックしたいポイントで大事な業者比較。しかしどんなポイントで選ぶべきか悩む方も多いのではないでしょうか。
そんな時は、下記の記事を参考にしてみてください。業者比較のためのポイントをしっかりと知ることができるはずです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。シャトー・ディケムを買取に出す前に押さえておくべき情報を紹介しました。どんな価値があるお酒なのかおさえて、よりよい買取サービスを選んでみてください。
古物商許可証取得。酒類販売責任者。
株式会社ストックラボの鑑定責任者、真贋査定士、及び出張買取責任者。 複数の買取会社でウイスキー・ワイン・日本酒・焼酎・ブランデーなどの幅広いお酒の買取鑑定・査定を行ってきた鑑定士歴7年のエグゼクティブバイヤー。