1.イチローズモルトについて知る
ジャパニーズウイスキーがブームとなっているが、その中でも特に人気が高く、なかなか手に入れることができない、と話題のウイスキーが「イチローズモルト」。
ただ、名前ばかりが先行してしまい、なかなか実態を掴めていない人も多いのではないだろうか。まず、ここではイチローズモルトについてを知っていきたいと思う。
イチローズモルトとは何だろう?
イチローズモルトは、埼玉県秩父市で造られているジャパニーズウイスキー。大手が手掛けているわけでなく、ベンチャーウイスキーとしてスタートしている。
だからこそ、こだわりにこだわったウイスキー造りが可能であり、ウイスキーマガジンアワードにて、最高得点に輝くなど、毎年のようにコンクールの常連なのだ。
イチローズモルトの波乱に満ちた歴史
肥土伊知郎の祖父は羽生蒸留所の運営をする東亜酒造創業者であったが、羽生蒸溜所は経営悪化などで売却された。肥土伊知郎はサントリーを辞め実家の経営再建に。廃業危機に陥りながらも、さまざまな苦難を乗り越え、2004年に同社を設立。
羽生蒸留所の復活を成し遂げて、スコットランドから機材を輸入するなど、2億円という莫大な資金でベンチャーウイスキー蒸留所を開設し、本場さながらのウイスキーを造っている。
イチローズモルトの味わいについて
イチローズモルトの特徴は、なんと言っても「ミズナラ」の樽で仕込むところだろう。神社仏閣の香り、という他の国のウイスキーには無い独創的な味わいを生み出している。
また、イチローズモルトは種類が多く、それぞれ個性的な味わいを持つ。ただし、共通しているのはフルーティーでエレガント、深淵な複雑性のある風味だ。
2.イチローズモルトの相場高騰中の年代は?
イチローズモルトは、今本当に簡単に手に入れることができない希少品となっている。その理由は、ジャパニーズウイスキーが人気であることも関係しているが、生産量を増やさず品質に徹底してこだわった造りをしているからだろう。
ここでは、今特に価格高騰しているイチローズモルトのウイスキーの年代についてを紹介していこうと思う。
1位:液体の宝石「イチローズモルトワインウッドリザーブWWR」
美しいルビー色が魅力的な「イチローズモルト ワインウッドリザーブWWR」。その名の通り、赤ワインの空き樽で仕込んだ、フルーティーな1本となっている。
オレンジピールやビターチョコレートなど、ユニークな風味を楽しむことができる。人工的な着色は一切していない、という徹底的にこだわった至極のウイスキーだ。
2位:日本的な味わいに酔う「イチローズモルト カードシリーズ」
トランプラベルが特徴の、「イチローズモルト カードシリーズ」。海外オークションで絶大な人気を誇ることで知られている。
なんと、白黒のジョーカーとカラーのジョーカーの2本は、2014年の当時のレートで約177万円で落札されるなど、世界が認めるウイスキーとして有名なのだ。
味わいはミズナラで仕込む、日本的な風味が主体。絶妙なバランスで仕込まれた、日本風の味わいも人気の秘密だ。
3位:香りを楽しむ「イチローズモルトミズナラウッドリザーブMWR」
イチローズモルトを特徴づける、ミズナラ樽の洗練された風味が楽しめる1本が、「イチローズモルト ミズナラウッドリザーブMWR」。
ピーテッドモルトを使用しており、スイートかつフルーティーな風味が魅力的。奥深く、複雑性に満ちた味わいが魅力的である。
4位:注目度を常に浴びる「イチローズモルト 百貨店限定ボトル」
イチローズモルトは、実は限定品として百貨店でも取り扱われている。東武百貨店や高島屋など、誰もが知っている有名デパートだけにしか売っていない、超レアな1本となっている。
「イチローズモルト 百貨店限定ボトル」は、マニアでもなかなか手に入らず、生産量も恐ろしく少ないため、今も尚高騰し続けている幻のウイスキーとなっている。
5位:「イチローズモルト ダブルディスティラリーズDO」
イチローズモルトの中でも、昔からのファンが泣いて喜ぶ伝説の1本となっているのが、「イチローズモルト ダブルディスティラリーズDO」だ。
これは、秩父蒸留所のモルト原酒はもちろん、今はすでに無くなっている羽生蒸溜所のシングルモルトがブレンドされた、無くなったら一生飲むことができない、至高の1本なのだ。
複雑性に満ちた、まさにイチローズモルトしか生み出せない、個性溢れる味わいに仕上がっている。
3.他にも高く売れる人気のイチローズモルト
イチローズモルトがいかに、希少価値の高いジャパニーズウイスキーなのか分かっていただけたと思う。しかし、前述したようなものだけではなく、イチローズモルトの出す種類は、総じて買取市場では注目されている。
そのため、イチローズモルトという名前だけではなく、その幅広いラインナップも知っておくべきだろう。ここでは、イチローズモルトの種類についてを簡単に説明していこう。
幅広いラインナップのイチローズモルト
まず、イチローズモルトの種類について、いくつかを羅列する。
・モルト&グレーン ホワイトラベル
・MWR リーフラベル
・モルト秩父ちびだる
・秩父ザ・フロアーモルテッド
・ザ・ファイナルビンテージ・オブ・ハニュウ 10年 フォー・ザ・テイスター
・秩父蒸溜所シングルモルト・ニューボーンヘビーピート
・シングルモルト・ニューボーンダブルマチュアード
・シングルグレーン川崎
etc…
イチローズモルトは、これ以上のラインナップを持っており、かつこれられに年代などもついてくる。恐らく、日本のみならず、これだけの種類を生み出している業者は少ないのではないだろうか。
カードシリーズは全般的に高騰中
イチローズモルトの、カードシリーズはオークションでも高値がつく、ということをお伝えしたが、全体的にこのシリーズは高騰中だ。種類が多い=それぞれの銘柄の品数が少ない、というこであり、カードシリーズに関しては総じてそのシリーズ全てを揃えたくなる心理が働く。
「エース・オブ・クラブ」、「クイーン・オブ・スペーズ」、「キング・オブ・クラブ」など、数種類存在しているのだが、特に「ジョーカー」の希少性が高い。羽生蒸留所仕込みの樽のラストを意味しており、手に入ることは滅多無い。これこそ、奇跡の1本と言えるのかもしれない。
4.イチローズモルトの買取相場
では、ここからはイチローズモルトは実際に買取に出したら、いくらの価格で査定をされるのか、相場を見ていこう。
高価買取である、ということは分かるが、実際にはお酒の買取市場では、どの程度の価格がつけられているのかを知っておくべきだろう。
イチローズモルトの買取相場について
イチローズモルトは、ジャパニーズウイスキーの中でも、トップクラスに買取価格相場が高い。さらに、ユニークなのが、どの銘柄に関しても総じて買取価格相場が高いことだ。
とにかく、イチローズモルトは生産量が少なく、世界中に需要があるお酒。手に入れられるだけでも奇跡のようなものもあるくらいなので、イチローズモルト買取の価格も高騰していく。では、実際にはどの程度の相場になっているのか、確認していこう。
【イチローズモルト買取相場】
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●イチローズモルト ワインウッドリザーブ WWR~8,000円前後
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●イチローズモルト カードシリーズ~1,000,000円前後
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●イチーズモルト ミズナラウッドリザーブ MWR~6,000円前後
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●イチローズモルト 百貨店限定ボトル~45,000円前後
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●イチローズモルト ダブルディスティラリーズ DD~6,000円前後
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●イチローズモルト カードシリーズ ジョーカー モノクローム 1985-2014~700,000円前後
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●イチローズモルト カードシリーズ キング、クイーン、ジャック 1980-1991年代蒸留~400,000円前後
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●イチローズモルト カードシリーズ モノクロ 1980-1991年代蒸留~350,000円前後
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●イチローズモルト カードシリーズ ~1991年代蒸留~300,000円前後
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●20年 カスクストレングス 羽生~150,000円前後
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●15年 カスクストレングス 羽生~70,000円前後
(※2018年5月現在)
イチローズモルトの最高価格を知る
イチローズモルトの最高価格は、その銘柄やお酒買取業者にもよるだろうが、やはり「エース・オブ・スペーズ」や「ジョーカー モノクロ羽生」が高く売れるようだ。
特に、「エース・オブ・スペーズ」のヴィンテージなどによっては、100万円超えもあり得るし、「ジョーカー モノクロ羽生」も80万円を超えるようなものもあるのだとか。
なんと、オークションでは「イチローズモルトジョーカーモノクローム」の空き瓶だけで、数十万円で落札されたとも言われている。イチローズモルトは、恐ろしい人気を誇る、ウイスキーなのだ。
イチローズモルトの保存状態や付属品の有無も重要
イチローズモルトの相場を紹介したが、他のお酒と同様、保存状態や付属品の有無によって買取価格が異なる。当たり前だが、お酒の保管状態が悪いと査定にはマイナスになる。イチローズモルトの買取の際は買取価格が出来るだけ高価になるように、買取してもらうまで丁寧に扱うのが望ましい。付け加えればイチローズモルトに限らず全てのお酒に対して丁寧に扱うべきだ。
5.イチローズモルトが高額で買取される理由
ジャパニーズウイスキーの中でも、イチローズモルトがどれほどに注目されているか、相場を見て理解できた思う。
しかし、なぜそこまでイチローズモルトは高額な価格で買取されているお酒なのだろうか。ほかにも、素晴らしいジャパニーズウイスキーは多い。
ここでは、イチローズモルトが高額で買取される秘密を探っていく。
世界での受賞歴もすごい!
イチローズモルトが世界で有名になっているのは、海外でも高い評価を獲得しているお酒だからだろう。
同社に、イチローズ・モルト カードシリーズの「キング オブ ダイヤモンズ」という商品があるのだが、これがイギリスの権威あるウイスキー雑誌『ウイスキーマガジン』におけるジャパニーズモルト特集にて、なんと最高得点の「ゴールドアワード」を受賞した。
さらに、「ワールド・ウイスキー・アワード2017」で「シングルカスクシングルモルトウイスキー部門」で世界一になるなど、熱狂的なファンがこの存在を知るところになり、需要が上がったわけだ。そうなるとイチローズモルトの査定も高騰する。
国産へのこだわりを持っている
イチローズモルトは、海外で生産されたものをブレンドしたり、海外産の原料などをメインに使用してウイスキー造りをしない。大手ではない分、徹底した国産品にこだわっているお酒なのだ。
使用しているミズナラ樽も日本古来の木材であり、徹底して日本産にこだわる。つまり、費用も高騰し、さらには生産量も増加させられない。結果的に少ない本数のみ販売され、希少価値が高まっていくお酒なのだ。
希少性の高さも理由のひとつになる
何度もお伝えしたかもしれないが、希少性はお酒の価格高騰に必ず関係してくる。ジョーカーシリーズだが、1シリーズで200から400本程度の生産量というのだから、驚きだ。
日本のみならず、世界中に数万といるイチローズモルトファンが、その数百本を奪い合うとすれば、容易に価格が高騰してしまう理由が分かるだろう。ほかシリーズも在庫が少なくなっており、確実にこれからも高騰して行くことは間違いない。イチローズモルトの査定は高額を期待してもいいだろう。イチローズモルトが上限なく販売され、希少価値が低くならない限り買取市場の状況は変化がほとんどない可能性が高い。
6.イチローズモルトの買取方法
イチローズモルトで利用できる買取サービス
イチローズモルトを売りたいのであれば、まずはお酒専門買取業者に査定をお願いしよう。とにかく、イチローズモルトの価値が分かってくれないことには、高価買取はあり得ない。さらに、イチローズモルトの持ち込みだけではなく、今では安心な宅配買取、出張買取などの買取サービスも展開している店鋪ばかりである。
中には、LINE査定してくれたり、メールである程度のイチローズモルト買取価格を教えてくれる場所もある。ぜひ、自分のライフスタイルに合わせた、お酒買取サービスにお任せしよう。
7.イチローズモルトを売る前に!買取業者比較
イチローズモルトを売る前に知っておきたいポイントとして最後に紹介するのが、お酒買取業者の比較についてだ。どんなお酒買い取り業者に売るのかによって、イチローズモルトの査定結果に違いが出てくる、というのは、覚えておいたほうがいいだろう。
買取業者を比較する上で大切なポイントは、イチローズモルトに詳しい査定士が在籍しているか、イチローズモルトの査定を行う際に利便性の高い実店舗があるのか、出張買取の有無等だ。それぞれ理由を解説していく。
イチローズモルトに詳しい査定士が在籍しているお酒買取店
イチローズモルトの買取を行う際、イチローズモルトに詳しい査定士が在籍していないお酒買取店では思うように買取価格が伸びないケースが多々見受けられる。イチローズモルトの種類によっても買取価格は異なるので、イチローズモルト買取実績が豊富な査定士の方が正確だ。
買取に利便性の高い実店舗
イチローズモルトの買取を行う際には利便性の高い実店舗がある方が便利に査定を行える。店頭買取であれば、ウイスキーの買取でトラブルが起こった場合、すぐに対応してもらえるだろう。また、イチローズモルトの買取価格に満足いかない場合、買取を断りやすいメリットもある。
出張買取の有無
どうしても店頭買取が難しい場合は査定料無料の出張買取の有無が重要になる。出張買取であれば自宅でイチローズモルトの査定を行えるので対応している業者を確認するのがいいだろう。ただし、イチローズモルトの買取価格に満足いかない場合も考慮してスタッフにイチローズモルトの査定相場を事前に確認する必要がある。
結果的にイチローズモルトの査定は、先述したトラブル対応の件や高額査定の可能性も含め、実店舗の査定がおすすめだ。
簡単に説明はしたが、自身でお酒買取専門店を選ぶポイントを見極めるのは難しい。お酒買取専門店であるストックラボの下記のコラムで、さらに詳しいお酒買取業者の選び方を解説しているので参考にすることをおすすめする。
まとめ
今回は株式会社ベンチャーウイスキー秩父蒸留所の人気のお酒「イチローズモルト」について、イチローズモルト買取価格の相場についてお伝えした。これからも、イチローズモルトは価格が高騰し続けるだろう。絶対に、目が離せない最高のお酒をつくるメーカーなのだ。
古物商許可証取得。酒類販売責任者。
株式会社ストックラボの鑑定責任者、真贋査定士、及び出張買取責任者。 複数の買取会社でウイスキー・ワイン・日本酒・焼酎・ブランデーなどの幅広いお酒の買取鑑定・査定を行ってきた鑑定士歴7年のエグゼクティブバイヤー。