1.サッシカイアとは?
イタリア・トスカーナ地方における銘醸地ワインといえば、キャンティを思い浮かべる人が多いだろう。そんな中、カベルネソーヴィニヨンなどの国際品種で成功を納め、国際品質のワインを生み出しているワインは、「スーパータスカン」と呼ばれている。
サッシカイアもそのひとつで、この地が有名になるパイオニアとなった、最重要ワインと言われている。ここからはサッシカイアとは、どんなワインなのか解説していこう。
スーパータスカンの代表格
トスカーナの西側、ボルゲリでサッシカイアは生まれている。以前、この地はかなり目立たない存在だった。しかし、ボルドー品種のワインが世界を驚かせることになり、それが「サッシカイア」のワインだったのだ。
ほぼ無名であったこの土地を、単独ワイナリーでDOC昇格まで導いた功績は後世に語り継がれるだろう。
サッシカイアの名前の由来
サッシカイアはボルゲリという場所に位置するのだが、ボルドー品種で有名となっただけあって、その名前の由来も興味深い。
まず、「サッシ」だが、これは石を意味する言葉。そしてカイアは、~な場所という意味を持つ。
つまり、石の多い場所、というような意味合いを持つ名前となっている。
サッシカイアの始まり
サッシカイアは、自家用ワインを造るためにスタートしている。マリオ・インチーザ侯爵が1944年にラフィット・ロスチャイルドからカベルネ・ソーヴィニヨンの苗木を入手。
その後、とあるテイスティング企画で、あのマルゴーを押さえサッシカイアがトップに。このニュースによってサッシカイアが有名となったのだ。
サッシカイアの味わい
サッシカイアは、非常に構造がしっかりとしているボルドータイプのワインを生み出す。ブラックチェリーの風味はしっかりと熟し、さらに溌剌とした酸もあり果実のボリューム感がキレイにまとめられている。
どこか、豊潤な果実味を楽しめるものの、その味わいは重た過ぎず、ミネラルを感じさせる。
2.サッシカイアの相場高騰中の年代TOP3
サッシカイアは、グランヴァンからカジュアルなものまで幅広く製造されている。しかし、価格の大きな変動が起きるとしたら、ヴィンテージだ。
まずは、どんな年代のサッシカイアの相場が高騰しているのか、ランキング形式でチェックしよう。
1位:最高得点をたたき出した「2013年」
今、サッシカイアで最も価格が高騰しているのが2013年だろう。この年のワインが、あの有名批評誌「Wine Advocate」で最も高得点をたたきだしている。
ボルドーワインを愛して止まないロバート・パーカーJr.率いるこの批評雑誌は、世界中のワイン業界、ワインファンに影響力を持っている。つまり、ここで高い評価を獲得することは、ある意味でそのワイナリーの成功を代弁しているようなもの。
2013年の素晴らしさは、特筆大書すべきであり、まだまだこれからも熟成することができる、名品とされている。
2位:過去ベスト3の得点を獲得した「2011年」
サッシカイアは、2013年も素晴らしいのだが、2011年も大変高い評価を獲得している。こちらは、2014年に発行されたワインスペクテーター誌にて、過去ベスト3に入る高得点をマークしたワインとして話題となった。
飲み頃は、2017年から30年と、今手に入れても充分に楽しむことができると言われている、まさに珠玉の1本だ。
まだまだ、ポテンシャルを持っている、この先が楽しみなヴィンテージのひとつだろう。
3位:驚きの評価を獲得した「2012年」
サッシカイアは、基本的にはどのヴィンテージも高評価である。しかし、価格が特に好投中と言われているのが、この2012年。
パーカーポイントで93点という得点を獲得したかと思えば、なんとワインエンスージアスト誌ではほとんど満点状態という、驚くべき高評価を獲得しているのだ。
これほどまでに、話題となったイタリアワインはない、というほどの大騒ぎとなった。当然、飲み頃は丁度今頃だろうが、まだまだ寝かせられる、期待度の高い1本となっている。
3.他にもある高く売れるサッシカイアの種類
サッシカイアは、さまざなワインを出している。基本的には、サッシカイアがトップレンジとして君臨しており、各雑誌や評論雑誌で高得点をたたき出している。しかし、このワイナリーが手掛け、多くの人たちを幸せにしているのは、「サッシカイア」だけではない。
他にも注目すべき「売れる」ワインが存在しているのだ。次は、そんなサッシカイアの他の種類にも注目してみよう。
コンセプトがユニークな「グイダルベルト」
サッシカイアでは、グイダルベルトというワインが造られている。重厚感のあるサッシカイアのラベルとは少し赴きの違う、スタイリッシュでアートな雰囲気が漂うデザインだ。
さて、このグイダルベルト。「早めに飲む」というコンセプトで造られている、大変ユニークなものだ。カ
ベルネソーヴィニヨンの比率を4割のほどに減らし、メルローを6割にしてまろやかで、なめらかな味わいに仕上げている。熟成をまたずに、今飲むことができるサッシカイア、ということで、需要も高い。
サッシカイアの第3のワインとは
先述したグイダルベルトは、要するにサッシカイアのセカンドワインである。レ・ディフェーゼというワインはサッシカイアのサードワインだ。
レ・ディフェーゼは、カベルネソーヴィニヨンが使用されているのはもちろん、そこにイタリアの土着品種である、サンジョヴェーゼをブレンドしている。つまり、よりイタリアらしい味わいに近づけられている1本なのだ。
高級感のあるサッシカイアだが、より手軽に飲めるという意味では、ファンならずとも試してみたくなる1本だろう。
オリーブオイルも注目の的に
「テヌータ・サン・グイド エクストラ・ヴァージン・オリーブ・オイル」という名を知っているだろうか。なんと、このオリーブオイルは、サッシカイアの農園であるサン・グイド農園のオリーブで造られているのだ。
手摘みで全て収穫され、非常に繊細に昔ながらの製法で造られている、かなり贅沢な逸品として話題だ。ブドウが造られている場所ではオリーブの栽培も盛んであり、ある意味ではワイン以上に有名な特産品である。
4.サッシカイアの買取相場を知る
サッシカイアは、比較的カジュアルな価格で知られているイタリアワインの中では、高額な部類の方だ。さらに、これだけ世界的な評価を獲得していることからも、その価格はさらに高騰していくことが容易に想像できる。
さて、そんなサッシカイアなのだが、買取市場では、どの程度の買取価格相場となっているのだろうか。ここでは、サッシカイアの買取価格に相場を見ていきたいと思う。
サッシカイアの買取相場について
サッシカイアは、常に進化しており、新しいヴィンテージでも高い評価を得ている。しかし、ワインは古くなるヴィンテージが高価になることも多々あり、自分が考えているよりも買取価格が高騰することもある。
ここでは、サッシカイアが現状、一体どの程度の価格で買取されるのか、その相場を確認してほしい。自分の持っているヴィンテージが一体いくらになるのか、それを確認していこう。
【サッシカイア買取相場】
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●2013年~11,000円前後
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●2011年~10,000円前後
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●2012年~10,000円前後
(※2018年4月現在)
サッシカイアの最高価格とは?
サッシカイアは、ヴィンテージでもその買取価格は変わってくる。比較的新しいヴィンテージだった場合、数千円というところだが、2013年や1999年などのレアなヴィンテージの場合は、2万円以上という買取価格がつけられることもあるので注目に値するだろう。
ちなみに、オークションなどでは、サッシカイアの1990年という古いものがレア度が高いため、5万円以上で出品されている。ヴィンテージによっても価格は変わるので、専門の鑑定士に相談してみるのも一つの手だ。
5.サッシカイアの買取が高額になる理由
ここまで、サッシカイアの買取価格相場について確認してきた。実はどんなに高品質なワインであっても、買取価格がさほど高くならない、というものも珍しくはない。
それなのにも関わらず、なぜサッシカイアはここまで高額な買取価格で取引されているのだろうか。次は、サッシカイアの買取価格が高額になるその理由をチェックしよう。
イタリアのワイン法を変えた!?
冒頭でも軽く触れているが、サッシカイアが生まれているこの場所は、長い間DOC以下のカテゴリとなっていた。ワイン法は厳しく定められており、使用品種や醸造方法などによって、規定を満たしていないとカテゴリさえ与えられないこともある。
サッシカイアも、カベルネソーヴィニヨンを使用していることから、低いカテゴリでの販売だったのだが、あまりにも品質が高く有名になってしまったため、政府として無視できずに、単独のワイナリーとして初DOC呼称を得ることができた、希有なワイナリーなのだ。
イタリアワインを代表する存在に
イタリアのワインといえば、キャンティ、アマローネ、ブルネロ、フランチャコルタ、バローロ、バルバレスコなどが思い浮かぶかもしれない。イタリアでは、全ての州でワイン造りを行っているので、有名産地となるのは容易ではない。
しかし、無名だったボルゲリという地を世界品質へと押し上げたサッシカイアは、今ではイタリアを代表する存在として君臨している。イタリアでは数少ない超高級ワインの仲間入りを果たしたことも、希少価値を高めているのだ。
ベスト・カベルネ賞を受賞して話題に
サッシカイアが世界的に有名になったキッカケは、間違いなく「ベストカベルネ賞」の獲得にある。
もともと、自家用ブドウ、そしてワインを造っていたサッシカイア。しかし、1978年にイギリスの有名ワイン雑誌である「デキャンタ誌」のテイスティング企画にて、あのシャトーマルゴーをおさえ、トップランクへ躍り出てしまい、結果的に「ベストカベルネ賞」を受賞してしまったのだ。
イタリアという土地、しかもカベルネソーヴィニヨン、そしてカテゴリもDOC以下というワインがマルゴーに勝るのだから、当然ワイン業界はザワつく。こういったエピソードも、ワインの価値を高めているのだ。
パーカーポイント100点を獲得!
ロバート・パーカーJr.の採点方法に疑問を呈する評論家もいるが、やはりその影響力は強い。彼が高得点を出すワインは、瞬く間に世界中から注文が殺到するというほどだというのだから。
実はサッシカイアの1985年ヴィンテージは、イタリアで初めて、ロバート・パーカーポイント100点を獲得しているワインなのだ。世界中の生産者たちが、目指している得点を獲得したことで、当然伝説的な存在となる。こういった背景も、サッシカイアが高額になる理由になっているだろう。
6.サッシカイアの買取方法
サッシカイアを売る時に利用できる買取サービス
サッシカイアは素晴らしいワインであり、高価買取であることがご理解いただけたと思う。しかし、サッシカイアを売るのであれば、どこで、どんなサービスを使えば良いのか分からないという方も多いだろう。
まずは、ワインに詳しく相場を理解している酒買取専門業者のストックラボの買取方法をチェックしてみよう。
7.サッシカイアを売る前に!買取業者比較
サッシカイアを売る前にぜひやっておきたいのが買取業者の比較だ。様々な買取業者がある昨今、どう選ぶべきか迷ってしまうことも多いだろう。
そこで、酒買取の専門店ともいえるストックラボが紹介している買取業者を選ぶポイントについてのコラムをご紹介する。
損のない取引をするためにも、ぜひ一度目を通してみてほしい。
まとめ
今回、ここではサッシカイアについて、そして買取価格相場についてを確認してきた。サッシカイアは、まだまだ高騰する可能性を秘めるワインだ。売る前にしっかり情報をチェックしよう。
古物商許可証取得。酒類販売責任者。
株式会社ストックラボの鑑定責任者、真贋査定士、及び出張買取責任者。 複数の買取会社でウイスキー・ワイン・日本酒・焼酎・ブランデーなどの幅広いお酒の買取鑑定・査定を行ってきた鑑定士歴7年のエグゼクティブバイヤー。