1.DRCエシェゾーについて
「DRCエシェゾー」は、ブルゴーニュの最高峰「ドメーヌ・ド・ラ・ロマネコンティ」が生産するワインのひとつです。熟成による深みが特徴といわれるブルゴーニュワインの中では、フレッシュな親しみやすさが特徴の「エシェゾー」。
まずは、DRCエシェゾーの味わいから価格まで、ざっとおさらいをしてみましょう。
DRCエシェゾーの特徴
DRCエシェゾーは、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネコンティが賃借する4,67ヘクタールのクリュから収穫されるピノ・ノワールが使用されます。
平均樹齢32年という若いブドウから生産されるDRCエシェゾーは、その新鮮味がウリ。早熟で、早い時期から完成されたワインとしての美味を堪能できることで定評があります。
DRCとは?
「DRC」とは、世に名高いロマネコンティを生産するブルゴーニュのワイナリー「ドメーヌ・ド・ラ・ロマネコンティ」の略語。13世紀に修道院が入手したブドウ畑は、後に王族や億万長者が渇仰するワインを生み出すことに。
ロマネコンティの2ヘクタールを含める25ヘクタールほどのクリュから、ワイン6種を製造しています。
DRCエシェゾーの味わい
DRCエシェゾーは、花々やフルーツが華麗に香り、深みを感じさせるブルゴーニュ産のワインのなかでは珍しく若々しさが持ち味。熟成を待たずに楽しむことができるワインです。
しかし、その完成度は超一級品。ドライベリー、スミレ、ジャスミンなどの香りがギュッと凝縮、バランスも抜群です。
”グランエシェゾー”の弟?
貴族的、紳士的、夢見るような深い森の香りが特徴の「グラン・エシェゾー」と隣り合うクリュのブドウが原料となっているエシェゾーは、兄貴分に比べるとシンプルでオープンなのが特徴。
思索的で偉大な長男にくらべて、愛想がウリの次男らしい軽やかさがあるのです。
2.DRCエシェゾーの買取相場
ブルゴーニュの名門「ドメーヌ・ド・ラ・ロマネコンティ」が生産するエシェゾー。同ワイナリーが販売しているワインのなかでは、比較的お求めやすい価格であるのが特徴です。
しかし、生産量が非常に少ないことに替りはなく、伝説的なワイナリーが生産しているという事実だけをとっても庶民には手が届きにくいワインという点では同じです。実際に、お手元にあるエシェゾーを売りたい時はどうしたらよいのでしょうか。
DRCエシェゾーの買取相場について
エシェゾーのクリュはDRCが所有する土地ではなく賃貸であること、土壌の性質がワインの味に反映しにくいなどの理由から、DRCの中では比較的お求めやすい価格が特徴です。
それでも、DRCの名が入るだけで価格は高騰。当たり年ともなれば、一財産です。2000年代に入ってくると当たり年のヴィンテージが10万円越えするのが相場です。ただし、保管状況などにもよりますし、変動するのでまずはプロに相談をするのがスマートです。
【DRCエシェゾー買取相場】
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●2009年~140,000円前後
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●2000年~135,000円前後
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●2003年~130,000円前後
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●1995年~130,000円前後
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●1997年~125,000円前後
(※2018年3月現在)
DRCエシェゾーの最高価格
現在、世界中で販売されているエシェゾーのヴィンテージは、1955年から2014年。飲み頃が過ぎてしまった古いヴィンテージは、思いのほか価格が低めです。
その中で、最高価格は1950年のヴィンテージ。2700ユーロ(約36万円)という価格がついています。次いで1999年のヴィンテージ、2050ユーロ(約27万円)。買取価格は、こうした販売価格に準じて高騰するのです。
3.DRCエシェゾーの買取価格が高額になる理由
ドメーヌ・ド・ラ・ロマネコンティが生産するワインのなかでは比較的安価、といわれるエシェゾーですがそれでも販売価格は20万円を超えることがザラ。
販売価格がこれだけ高額ならば、当然買取価格も上昇します。その理由をぜひ知っておいてください!
グラン・クリュ認定の畑で造られる
ワインの格付け方法は国や地方によって異なります。エシェゾーが生産されるブルゴーニュ地方では、テロワール、つまり土壌によって格付けされています。
エシェゾーの原料となるブドウが栽培されているクリュは、「グラン・クリュ」と呼ばれる「特級畑」に属するもの。全ブルゴーニュにおける「特級畑」は、わずかに1%。
まさに、ブルゴーニュワインの頂点に位置しているといっても過言ではありません。
DRCが生産
グラン・クリュであるエシェゾーは、38ヘクタールという広さを誇ります。しかし、このクリュはひとつのワイナリーの占有ではありません。さまざまなワイナリーが、「エシェゾー」のクリュのブドウからワインを生産しているのです。そのため、重要な点は「生産者は誰か」。
ロマネコンティを看板に抱くDRCは、もちろんエシェゾーと名乗るワインの筆頭に位置しており、価格も人気も随一なのです。
平均94点の評価の高さ
DRCエシェゾーは、消費者によるテイスティングの評価が平均94点という高評価を獲得しています。さらに、フランスでもっともよく知られているワインガイド「ル・ギッド・アシェット・デ・ヴァン」においても、毎年高い評価を得るのが常。
ワイン評論家では、香港出身のジュニー・チョー・リーが1996年のヴィンテージに95点を与えて話題になりました。その他のヴィンテージにも、リー女史は常に90点代をつける高評価をしています。
4.DRCエシェゾーの相場高騰中の年代は?
ブルゴーニュの名門ワイナリーが作り出すエシェゾーは、ヴィンテージによって異なる味わいも人気の秘密です。「神が作りたもうたクリュ」からドメーヌ・ド・ラ・ロマネコンティが生産するワインとして、世界中で価格高騰中。
その中でも、ワイン通たちが高く評価するヴィンテージについて簡単にご紹介いたします。
第1位:ラズベリーが濃厚に香る「2009年」
2009年の恵まれた天候がそのままワインに凝縮されていながら、古典的な風格は失っていないといわれた年です。
とくに、2009年のエシェゾーは例年にもましてラズベリー、ストロベリー、チェリーなどのベリー類が濃厚に香るというのが批評家たちの一致した意見でした。ワイン・スペクテーターの94点をはじめ、90点代続出。販売価格は、1497ユーロ(約19万7千円)。
第2位:例年よりもフレッシュ感満載「2000年」
もともと、フレッシュで若々しい味わいが特徴のエシェゾー。その中でも、2000年は口に含んだ途端にハッとするほどフレッシュ、というのがワイン愛好家たちの弁。
パンチが効いたひとくちに続く芳香にも、力がみなぎっています。若い樹齢のブドウの特徴が、よい意味で増長したヴィンテージといってよいでしょう。販売価格は、1535ユーロ(20万円強)。
第3位:スパイシーな「2003年」
エシェゾーの特徴であるベリー類の芳香に加えて、スパイスの香りが柔らかくまとわりつくのが特徴といわれている2003年。
また、スモーキーで、オークの香りも奥ゆかしく漂います。近年のエシェゾーの中では、とくに価格上昇中。販売価格、1713ユーロ(約22万5千円)。
第4位:エキゾチックなバラが香る「1995年」
フルボディでシルキー、軽やかでありながら風格のあるエシェゾーの1995年。例年に比べると、バラの香りが濃厚といわれています。スミレ、モカ、オークの香りが、エシェゾーの特徴であるベリー類の芳香に絶妙なニュアンスを与えています。
ワイン・スペクテーターに「誠に美味なるワイン」と言わしめたヴィンテージです。
第5位:気象条件が荒れた90年代後半を生き抜いた「1997年」
1997年後半、気象条件が非常に不安定となり、ブドウの収穫と選択は厳しい条件にさらされました。これにより、酸性度が低くなったエシェゾーはワインの寿命に問題ありともいわれました。その中で、決然としたタンニンと酸味が特徴となったのが1997年です。
そのため、例年よりも硬めの味わいですが、それがまた新たなエシェゾーの魅力となりました。平均販売価格は、1677ユーロ(22万強)。
5.DRCエシェゾーの種類
「エシェゾー」という名がつくワインは、実はほかにも存在します。エシェゾーの長兄格であるワインは、DRCの生産です。それ以外にも存在するエシェゾー、その理由はワイナリーの違いなのです。
なぜ、さまざまなワイナリーから「エシェゾー」が生産されているのでしょうか。
他にもある高く売れる”エシェゾー”の名がつくワイン
DRCが生産する「エシェゾー」、もう一つ「グラン・エシェゾー」が存在します。
「グラン(大)」がつく理由は、エシェゾーよりも平均樹齢が20年ほど古い52年前後のブドウの木から収穫されたブドウを原料としているためです。クリュの大きさは、エシェゾーよりも小さく3,5ヘクタールほど。開放的で次男気質のエシェゾーに比べると、思索的な長男気質といわれる「グラン・エシェゾー」。
また、DRCとエシェゾーのクリュを共有している他ワイナリーの「エシェゾー」も多々あり。38ヘクタールのクリュ「エシェゾー」は、ブルゴーニュのワイナリーに賃貸されているのです。生産者の相違による味ワインの違いも注目されています。
DRCエシェゾーの当たり年
気候条件がその味を大きく左右するワイン。神が祝福した土地を所有するドメーヌ・ド・ラ・ロマネコンティも、この一事に関しては他のワイナリーと同じです。
エシェゾーの当たり年は、1990年、1996年、1998年、1999年、2003年、2005年、2009年、2010年といったところ。そのなかでも、とくに1999年は突出した価格がついています。1999年は、表情が豊かでタンニンの熟成具合が例年になく良かったというのがその理由なのだとか。
6.DRCエシェゾーの買取方法
貴重なDRCエシェゾーがお手元にある人は、要注目!エシェゾーは、DRCが生産するワインのなかでは早熟です。貯蔵庫の片隅で忘れられているエシェゾーがあったら、早めに売却するのもひとつの手です。実際には、どのようにしたらよいのでしょうか。
DRCエシェゾーを売る時に利用できる買取サービス
ワインとは、ひとつの文化であり財産です。しかし、保存が難しく割れやすいという欠点もあり。高価なワインを所有するのは荷が重い、というかたには高額での売却をお薦めいたします。
まずはどんな買取方法があるのか、しっかりチェックしておきましょう。
7.DRCエシェゾーを売る前に!買取業者比較
最後のポイントは、買取業者選びについて。どんな業者をどの基準で選ぶべきか迷っていませんか?そんな時はプロに聞いてみるのが一番!
酒買取の専門業者であるストックラボの下記のコラムを参考にしてみてくださいね。
まとめ
DRCの顔であるロマネコンティほどの知名度はなくても、人気は上々のエシェゾー。名門ワイナリーの軽やかな味わいは、今後も評価が上がることまちがいなしです。
古物商許可証取得。酒類販売責任者。
株式会社ストックラボの鑑定責任者、真贋査定士、及び出張買取責任者。 複数の買取会社でウイスキー・ワイン・日本酒・焼酎・ブランデーなどの幅広いお酒の買取鑑定・査定を行ってきた鑑定士歴7年のエグゼクティブバイヤー。